11月8日
海斗くんとボピくんが暮らす浜松
市のアパートにミカン妖精のミカ
さんが遊びに来ました。ミカさん
はオレンジ妖精の夫と愛媛県の松
山市で暮らしていましたが、最近
離婚したのです。そして、友人の
海斗くんを頼って浜松市に来てい
ました。
ミカ「こんにちわ」
海斗「やあ、いらっしゃい」
ミカ「ボピさんは?」
海斗「うん。仕事で東京に行って
るよ」
ミカ「良かった。やっと、二人き
りになれたわね」
海斗「うん。そうだね」
~実は、海斗くんはボピくんが東
京に行っているスキに、ミカさん
と深い仲になっていたのです。~
ミカ「あら、そのお花は?」
テーブルにはキレイな花束が置い
てありました。
海斗「さっきスーパーで買ってき
たのさ。じつは、今日、11月
8日は広斗の命日でさ」
ミカ「ああ、海斗さんには息子さ
んがいたって聞いたことがある
わ。それが広斗君なの?」
海斗「うん。そうだよ。あの仏壇
に位牌も作ってあるんだ」
ミカ「まあ、私、気が付かなくて
ごめんなさい」
海斗「今から、この花を仏壇に供
えるから、君も手伝ってよ」
広斗くんというのは、海斗くんと
トマト妖精の女性の間に生まれた
子供ですが、二年前の11月8日
に病気でなくなったのです。この
ことは、ぞく。かいととぼぴくん
という小説に書かれています。
#海斗くんとミカさんは仏壇に花
を供えて、お線香もあげました。
海斗「じつは、割れせんべい先生
の小説の登場人物で亡くなった
のは広斗だけなんだよ」
ミカ「そう言えば、私もダイナマ
イトで爆破されたけど、その後
生き返っているわ。オレンジ山
さんやラジオンさんも生き返っ
ているわ」
海斗「だろ。そんな何でもありの
小説なのに広斗だけが亡くなっ
たままなんだ」
ミカ「それはかわいそうね。なん
とかならないのかしら」
海斗「この件については割れせん
べい先生の気分しだいだから、
僕たちにはどうしようもできな
いんだ」
ミカ「割れせんべい先生、よろし
くお願いします」
海斗「読者の皆様には今日が広斗
の命日だという事を、この場を
借りてお伝えしたかったんだ」
ミカ「生前、広斗くんはどんな子
だったの?」
海斗「昭和歌謡が好きでね。ヒッ
ト曲なら全曲、歌えたよ」
ミカ「じゃあ、スマホで昭話歌謡
を1曲、流してあげれば供養に
なるわよ」
海斗「そうだね。ミカさん、何か
リクエストある?」
ミカ「それなら、太田裕美さんの
木綿のハンカチーフをお願いし
ます」
二人は仏前で歌を聞きました。
ー後書きがありますー
ぞく。かいととぼぴくん
では、浜松市のことを
浜杉市と変えて書いてあります。