やめるやめる詐欺
ラジオン「実は、海斗くんに電話
して、もう執筆はやめたいと伝
えたんだけど、11月の初めく
らいまで続けてほしいと頼まれ
て、続けることにしました」
ラジ子「えーっ。それじゃあ、や
めるやめる詐欺だわー」
ラジオン「なんだい、それ?」
ラジ子「お店なんかでよくあるん
だけど、今月で店をやめるので
安くしますよー、なんて宣伝す
るのよ。それを聞いたら、普通
の人は買いに行こうかなと思う
でしょ。でも、その月が過ぎた
ら、やめるのはやめました、と
か言ってチャッカリ店を続ける
方法よ」
ラジオン「今の僕と同じだ」
ラジ子「そうね。でも、お金をか
せぐわけじゃないから、大目に
見てあげるわ」
ラジオン「ありがとう」
ラジ子「それで、今日は何か皆様
に伝えたいことはあるの?」
ラジオン「うん。最近、すごく悲
しいニュースを見たんだよ」
ラジ子「どんなニュース?」
ラジオン「インドネシアという国
があるのは知ってるよね」
ラジ子「ええ。知ってるわ」
ラジオン「その国の首都が手狭に
なったので、別の場所に移転す
る工事が進展中らしいんだ」
ラジ子「そのニュースのどこが悲
しいの?」
ラジオン「この工事の結果、貴重
な熱帯雨林が広範囲に失われ、
野生動物もたくさん死んでしま
うことが予想されるんだ」
ラジ子「工事をやめてもらうこと
はできないのかな?」
ラジオン「他の国がインドネシア
にやめてくれというのは内政干
渉になっちゃうからね。どうし
てもやめてほしければ、多額の
経済援助の約束をして、それと
引き換えにやめてもらうしかな
いよ」
ラジ子「難しい話ね」
ラジオン「こんな調子で開発や火
災で森が減っていけば、地球は
どんどん暑くなっていくよ」
ラジ子「今年の日本の夏もすごく
暑かったわよね」
ラジオン「うん。でも、これは全
然、異常なことではなく、科学
者が予想していた通りのことで
あり、当然の結果なんだよ」
ラジ子「何か解決策はないの?」
ラジオン「今の所、まったく見当
たらないよ。せめて、僕たちと
しては、できる限り節電するよ
うにしよう」