妄想、色々3
ラジオン「次はこんな妄想だ」
ラジ子「どんな妄想?」
ラジオン「町中を散歩していると
素敵な女性に出会うことがある
よね」
ラジ子「男性であれば、そういう
こともあるでしょう」
ラジオン「そんな時、僕がその女
性にいきなり抱き着いたら、大
変なことになるよね」
ラジ子「立派な犯罪だわ」
ラジオン「でも、僕が考えたこの
妄想の世界では、ちっとも犯罪
にならないし、むしろ、いい事
をしてくれたと女性に喜ばれる
んだよ」
ラジ子「えーっ、そんなことあり
えないわよー」
ラジオン「だから、妄想の世界だ
と言ってるだろう」
ラジ子「それはどんな状況であっ
ても抱き着くと喜ばれるの?」
ラジオン「そうさ。例えば、図書
館で素敵な女性が読書している
とする。それを見た僕が、カワ
イイなと思ったら、いきなり抱
き着いてキスしちゃうんだ。そ
うすると彼女は、まあ、うれし
い、と喜んでくれるのさ」
ラジ子「呆れて、返す言葉もあり
ません」
ラジオン「さらに、特に気に入っ
た女性については、勝手に家に
連れて行ってもいいんだよ」
ラジ子「これは重大な犯罪よ」
ラジオン「現実世界ではね。でも
この妄想世界では、すごく喜ば
れる行為で、周囲の人もほめて
くれるんだよ」
ラジ子「そう言えば、昔、似たよ
うな話を書いた作家がいたわ」
ラジオン「ふーん、誰、それ?」
ーつづくー