告白ー4
ラジオン「じゃあ、ゴン碁くん。
僕らは部屋に戻るよ」
ラジ子「ゴン碁さん。楽しいお話
し、ありがとう」
海斗「ゴン碁くん。一人で帰れる
よね。僕、先に帰るから」
みんなが駐車場から去り、ゴン碁
くんは一人、取り残されました。
ゴン碁くんは告白の言葉が言えな
かった自分が情けなくて、駐車場
に腰を下ろして泣き始めました。
ゴン碁「ンーゴ、ンーゴ、
ンゴー、ゴーンゴー(泣)」
すると、一人の和服姿の老人がど
こからともなく現れ、ゴン碁くん
の前に立ちました。
老人「ゴン碁よ。わしはおまえを
見損なったよ」
ゴン碁「あっ、あなたはいったい
誰ですかンゴ?」
老人「わしか?わしは江戸時代の
碁打ち、本因坊道策じゃ」
ゴン碁「ええっ!史上最強の棋士
と名高い、あの道策先生!」
道策「ゴン碁よ。わしは天上から
お前を見ていて、感心していた
のじゃ。たいしてお金ももらえ
ないのに一生懸命、囲碁の普及
活動をしているお前にな。とこ
ろが、最近のお前はなんじゃ。
恋に目がくらみ、海斗くんの弱
みを握って脅迫し、利用しよう
とするとは何と言う堕落じゃ」
ゴン碁「ンゴー、す、す、すいま
せンゴー(泣)」
道策「そんなお前に腹がたったん
で、わしは告白の言葉を言えな
いように術をかけたのじゃ」
ゴン碁「おゆるし下さいンゴ。」
道策「ゴン碁よ。今こそ、心を入
れかえ初心に戻るのじゃ」
ゴン碁「わかりましたンゴ。道策
先生!」
すると、ゴン碁くんは何を思った
のか、立ち上がってアパートの中
に入って行きました。そして、階
段を駆け上がり、2階のラジオン
ラジ子と書かれた表札のあるドア
の前に立ちました。もう一度、告
白をする気なのでしょうか?
ーつづくー