お兄ちゃんを助ける
待合室でお兄ちゃんが小さい声で話しかけてきた。
「俺は信じるよ。だから…その…。実は学校でいじめられていて、そいつらに不幸が起きるようにして欲しい」
お兄ちゃんがいじめられているなんて知らなかった…。驚いたけど、お兄ちゃんのためになるなら、そう思った。
「お兄ちゃんをいじめてくる子たちの上履きが体育館に隠されればいい!!」
そう願った。お兄ちゃんと私は明日を楽しみにしていた。
翌日、お兄ちゃんが学校から帰ってきた。お兄ちゃんの顔を見てすぐにわかった。目も合わせてくれず下を向いていた。何も起きなかったんだ…。
絶対私には力があるのにどうして?何がいけなかったんだろう?
「もっと強く願ってみるから!!」
そう言ってもう一度願った。
お兄ちゃんはもう信じてくれていないんだと思う。誰も私の力を信じてくれないんだ…。
翌日も何も起きていなかった。
なんで?どうして?絶対私には力があるのに!!
ある日、お兄ちゃんと公園に行った。2人で滑り台で遊んでいると、お兄ちゃんに話しかけながら5人の男の子が公園に入ってきた。お友達かな?と思ってお兄ちゃんの顔を見ると下唇を噛んで、手がグーになっていた。この子たちがお兄ちゃんをいじめてるんだ!
「俺らが滑り台やるんだからどけよ!」
お兄ちゃんが突き飛ばされた。
「みんなで滑り台やればいいじゃん」
と私が言うと
「お前の妹?黙らせろよ」
とお兄ちゃんに砂をかけた。
「大人の人が来ていじめている子を叱って2度とお兄ちゃんをいじめないって約束させろ」と強く願った。
すると、ちょっと強面のお兄さんが公園に入ってきた。
「お前ら何やってるんだ!人をいじめるなんて一番かっこ悪い弱い奴がすることだ」
「たけしじゃないか!何してるんだ!まず2人に謝れ!お前のお父さん、お母さんにもちゃんと伝えるからな」
いじめてるグループのリーダーらしき子の知り合いだったようだ。5人はお兄ちゃんと私に謝った。
「2度といじめなんてするなよ。今ここで誓いなさい。この子達だけじゃなく、金輪際どんな相手もいじめないと!」
いじめてるグループの子の名前を全部メモして、親御さん・学校にも伝えると言っていた。私たちも名前を聞かれた。
やっぱり願えば叶うんだ!お兄ちゃんもこの一件で信じてくれるようになった。
後日、いじめてたグループの親御さんが1人ずつ子どもを連れて謝りに来た。お兄ちゃんはお母さんに
「願ってくれたから叶ったんだ!すごいんだよ」と話したがお母さんは相変わらず信じていない。
お兄ちゃんと私は2人だけの秘密にすることにした。




