あなたを不幸に導きます
幼稚園で塗り絵をしていたら、尚人くんが私の色鉛筆を奪い走って行った。
「何でそんなことするの!転んじゃえばいいのに!」
そう思った瞬間。。
バタン!!…えーん、えーん
尚人くんが転んだ。
偶然だと思っていた。
別の日、スーパーでお母さんとお買い物中、お菓子をおねだりしたけど断られた。
「ケチ!泥団子でお洋服が汚れちゃえばいいんだ!」
そう思っていたら、帰り道公園の前を歩いていると泥団子を持った子どもが近づいてきて、お母さんに向かって投げつけた。
偶然?もしかして私が願えば叶うのかな?
「美味しいチョコレートがたくさんもらえますように」
「家に帰ったら欲しかったオモチャがもらえるんだ!」
強く思っても叶わなかった。やっぱり願えば叶うことなんてないのか。
お兄ちゃんとケンカしていた時、
「お父さんに叩かれればいい」
そう思ったら、本当にお兄ちゃんだけお父さんに怒られて頭を叩かれた。
ん?不幸なことが起きるように願うと叶う…?
そんなわけないか。
でも来る日も来る日も不幸なことが起きるように願うと現実になった。お母さんに話してみた。
「私が願うと叶うんだよ!すごいでしょ!この前もお兄ちゃんだけお父さんから怒られればいいって思ったら本当にそうなったんだ」
「はい、はい、すごいね〜」
全く信じていない。
「話を聞いてくれないお母さんはお料理中にヤケドすればいい!」
そう思ったら、本当にヤケドした。その事をお母さんに言ったら
「他人に不幸が起こるようなこと願うんじゃありません!」
とこっぴどく怒られた。もう2度とこの話はお母さんにしない。そう決めた。
2週間後、またお兄ちゃんとケンカしていた時、お兄ちゃんに棚の上のオモチャが落ちてくればいいと願った。本当に棚からオモチャが落ちお兄ちゃん当たった。思わずお兄ちゃんを見て頬が緩む。その顔を見たお母さんが
「今、お兄ちゃんにオモチャが降ってくればいいって願ったんでしょ!」
と言い当てられた。お母さんはあの日から私を観察していたようだ。翌日、小児精神科に連れて行かれた。病院の先生は今までどんな事を願ってそれが叶ったのか、叶わなかったことはないか聞いてきた。
「願ったら叶わなかったことなんてないよ」
そう答えた私に
「本当にそうかな?叶わなかった時のことは忘れているだけじゃないかな?」
と言ってきた。この人も信じてくれないんだ。誰も信じてくれる人はいないと思った。
先生はお母さんとお話しするから、お兄ちゃんと私に待合室へ行くように言った。




