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新生女神様の人類お忍び物語ツアー  作者: 上野 たびじ。
第三章 俺TUEEEE系主人公編
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(1話) 実況!パワフル俺TUEEEE!



今日は平民総合試験当日。私はある方を首都に招き入れた。


「三週間ぶりですね、シーナさんにレイナさん。」


「どうでしょう、私のプレゼントは、調子がよろしいのでは?」


「ええ。見た目通り死ぬ気がしません。そしてレイナさんも元気にしてましたか?」


「ええ。でも私は今日が楽しみすぎて寝不足ですわ。()()()


そう。今回ご招待したのは一か月前まで監獄に入っていたリーナだ。まあ捕まった当日にはすでに人が変わっていたんだけど。


彼女は今元第一王子ライルと仲良く辺境の地を治めている。そして何より出所祝いとして私がかけた心術によってリーナとライルは不老不死であるハイエルフになった。名目上は『そんなにいちゃつきたいなら永遠にイチャついてろ!』という女神の制裁ということになっているけど、これは単にその辺境の地を治める2人への私からのプレゼントだ。


その辺境の地、スパシア領は隣りにエルフの集落があることで知られている。しかし人間を毛嫌いしているエルフ達は人間の領主を拒み、税を払わないのに対して領民が育てた食物は勝手に取っていくので困っていた。それで問題を起こしたライル王子を王位継承権を破棄してそこに飛ばしたのだ。


そして私は断罪の際にリーナとライルの婚約を言い渡したのでリーナもその地に向かうことになる。すると、反省したのにさらに追い打ちをかけるかのごとくエルフたちが攻撃してくることが予想されたので、エルフたちを黙らせるべく、リーナとライルをエルフの上位、ハイエルフにしてあげたのだ。


ちなみにハイエルフは妖精と同格の存在である。なので魔法なんて呼吸をするように扱えるようになる。


まあそんなこんなで一ヶ月ほど前に領へと旅立った転生者リーナを、新たな転生者を見届けてもらう為に今回お呼びしたのだ。


「にしても俺TUEEEE系主人公とは、私も地球ではよく見ました。まさかのその現場に居合わせることができるとは、感動です。」


昔のリーナしか知らないものなら『この人誰?』ってレベルでリーナは人が変わっている。髪もロングになり耳も尖っているので尚更だ。


「そろそろ学科試験も終わる時間帯ですし、試験会場に向かいましょうか。」


私は真上に上がる太陽を見て二人に移動を促した。


『さて、どんなやつかな。』


私はめんどくさいと言いつつも、俺TUEEEEが実際どのくらいTUEEEEのか気になっていた。


私は二人の手を取り、彼がいるPIAの校舎に転移するのであった。



-------------------------



試験が行われる魔法実践訓練所は校舎と校舎の間に挟まれている。そしてそれは廊下から見学することが出来るのだ。現にちらほらと部活をしに来たであろう生徒たちがその試験を廊下から見学している。


現在受験生たちは実技試験の説明を受けてる途中で、試験監督の教員は受験生達全員に「向こうに見える的に全力で得意魔法をぶつけてください。」という説明をする。ここは攻撃魔法系の会場なので攻撃に向かない補助系魔法である光魔法の使い手等は違う会場で受験しているはずだ。


でもそもそも私達ですら初めて魔法を使わせて貰えたのが中等部一年生の入学一ヶ月後だからそれを考えるとかなり入試のレベルが高い事は一目瞭然であった。


先生の説明を聞いたレイナは「ふふっ」と笑い、


「あの先生の説明、俺TUEEEE系主人公あるあるですわね。」


それを聞いたリーナも「あ〜」と納得し、


「それで本気で魔法を出して建物を消し炭にしてしまって、言葉を失った教師と受験生達に『あれ?もしかして僕、何かやっちゃいました?』という決まり文句を吐く訳ですね!」


「それですわそれですわ!」


キャッキャウフフと騒ぐ二人を見て私は連れてきてよかった〜と思った。理由はとても善いものを拝ませてもらったからだ。正面で両手で手を繋いでぴょんぴょん跳ねている。なんて可愛いんだっ...!!


尊いっ...!!


私は二人に背を向けて、下唇を噛みながら小さくガッツポーズをした。


すると訓練場から一人の男の子の声が聞こえてきた。そしてそれもよく使う有名なフレーズ。


「あの、本気で魔法を打っていいんだよね?」


おっ!?来た!!こいつだ!!


リーナ達も「今の聞きました!?」「本当に言ってるんですのね!?」と見て聞いて喜んでいる。


そして...


「なっ...無詠唱!?」


来ました!!無詠唱魔法に驚く生徒と先生!!

「来ましたわ!『なっ!?無詠唱だとっ!?』ですわ!?」

「来ましたね!『何っ!?無詠唱魔法!?』」


3人同時に同じことを考えるとは、さてはあなた達も相当なヲタクでしたね?


そしてとうとう魔法が現れる。正面に向けられた手の平には、来ました!青い炎。


「なっ!?青い火だとっ!?」

「来ましたわ!『なっ!?青い火!?』ですわ!」

「来ましたね!『何っ!?青い火だと!?』」



いや本当に二人仲良いね。これから()()()付き合いだから私としても本当に良かったよ。


さあ、クライマックスだ!


少年は手から炎の玉を放ち、的に着弾!すると炎が的から膨れ上がるように爆発!


ドゴーンッ!!!ガラガラガラ...パラパラパラ...


そしてシーンとする生徒教師陣。少年は振り返って...


「あの、俺、何かやっちゃいました?」


決まったーーーーー!!完璧な流れ!!完璧なコンビネーションでしたー!


「オッホーーーー!!凄い威力でしたわね!!見れて良かったですわ!!わたくし感動しましたわ!」

「ええ!これが俺TUEEEEですか!!凄かったです!!私も見れて良かったです!!本当に良かったです!!」


私も感動。


涙を見せながら抱きしめ合うふたりを見れて。そしてむにっむにっと押し潰し合う二人の果実を見れて。


するとリーナとレイナが私に向かっても抱きついてきた。


むぎゅ〜


「本当に感謝申し上げますわ!シーナ!あなたのおかげで私とても幸せですわ!!」

「ありがとうございますシーナさん!私もこんなに感動できたのはシーナさんが呼んでくださったおかげです!!」


二人の柔らかく大きい果実が私の特大の果実に当たる。女の子の甘い香りが二人の髪の毛から香ってくる。


「二人とも(いいもの見せていただいた上にこんなサービスまで本当に)ありがとうございます。私もあなたたちに来てもらえて心強かったです。」


私達はこうやって抱き合っていると、男共がどこからか百合の香りを嗅ぎつけてここに集まって来たのですが、突然ドゴーンッ!!という二度目の爆発によって注意がそちらに向きました。


私達は直ぐに訓練場を見ました。するとそこにはショートカットでセルリルと同じ髪色、瞳をした美少女が自信満々に立っていました。そして少年の元に一歩一歩歩み寄り、


「大丈夫、あなたのした事は普通の事よ!」


そういうと少年はポカーンとした顔になり、少女は会場から去っていきました。


見覚えのある顔だと思いましたが...まさか...ね?


私はこれから惨事が起こることを確信し、頭を抱えたくなるような所を何とか抑えて、リーナとレイナをお茶に誘ったのであった。



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