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新生女神様の人類お忍び物語ツアー  作者: 上野 たびじ。
第一章 悲劇の悪役令嬢救済編
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(閑話) l ・ リーナの監獄日記

題名通り、リーナの独房での日記を載せたものです。本来のリーナ、素の姿をどうぞご覧あれ。




(一日目) 初めての監獄、ゲームやアニメで見た物よりも実物で見て、実際に入れられると案外暗いし音もしないし怖い。でも女神様に暴行未遂した時点で即死間違いなしのはずなのに生かしてくれただけでなく、拷問も無しでライル様との婚約も取り付けてくれてたった一年牢屋に入れられるだけ、女神様に感謝しきれない。



(十日目) 案外辛い。まだ十日目という事に絶望を感じる。前言撤回して女神様なんて大っ嫌いだ!と叫びたいところだが悪いことをしたのは自分なのでここは受け入れるしかない。



(三十日目) 一ヶ月が経った。独房での生活のおかげで健康な生活リズムを手に入れた。ご飯も栄養バランスの整った給食みたいのが配給されるので監獄の中なのに頗る調子がいい。



(六十日目) 私はあることに気がついた。女神様の制裁の本当の恐ろしい所を。それは何か、それは言えない。なぜ?ネタは少しでも取っておいて日記に書く事が本当になくなった時に使えるからです!



(九十日目) 今日はライル殿下が面会に来てくれた。雰囲気の変わった私に「雰囲気変わったね!今の君の方が僕は断然好きだよ!」と笑顔で言ってくれた。この時魅了は使ってませんからね!女神に誓って!



(百二十日目) 今日で三分の一が終わりです。肩までだったピンクの髪は、今や背中の真ん中くらいにまで伸びました。あまり気にしていませんでしたが、私、ゲームではヒロインなだけあってとても綺麗なピンクの髪をしてるんですよね。前世ではありえない地毛ですね。



(百五十日目) 今日はレイナさんが面会に来てくれました。しっかり謝ったら『こちらこそあなたにこんな思いをさせてしまって申し訳ありませんわ。』と謝ってきた。悪いのは私なのに、こんないい人をいじめてきたのかと思うと少し前までの私のとった行動が恥ずかしくてしょうがない。



(百八十一日目) レイナさんに謝罪し、仲良くなったことで女神様がご褒美に夢の中で私を空の旅に連れて行ってもらいました。空の旅と言っても飛行機じゃなくて女神様の両手を握ってぶら下がる空中ブランコ方式でした。なんで空の旅なんですか?と聞いたら、壁に囚われた人は皆自由の翼を求めているんじゃないの?と真面目な顔で言われました。神様たちの間で前世の世界のアニメが流行ってでもいるのでしょうか...



(百八十日目) 今日もレイナさんが面会に来てくれました。前世の記憶について語り合いました。レイナさんは東京の出身のようで話の一つ一つに華がありました。田舎民の私としては羨ましい限りです。



(三百日目) 今更思い出しました。女神様の制裁の最も怖いところ、そろそろ終わりも近いですし六十日目から50回くらい続けたじらしプレイも終わりにして三十日後に発表しようと思います。



(三百三十日目) 気がつけばあと一ヶ月ですね。私の髪の毛はお尻の上くらいまで伸びました。この髪を見たレイナさんとライル様は『長い髪、よくにあってるわ!』『僕はリーナの長い髪、綺麗だと思うよ。』と、褒めてくれました。



(三百六十日目) 残り五日となりました。言い忘れてました。この制裁の怖いところ。それは禁錮一年のあとです。この後ライル様と婚約してどこかの領地を与えられるそうです。そして一番の怖いところは、周りの目と、今まで私がいじめてきてしまった目上の人たちの命令を断れないということです。首都から遠い領地を貰えることだけが唯一の救いでしょうか、これから首都に来るのは少し怖いです。でもレイナさんは何時でも郊外に誘って欲しいと言ってくれました。隣国の大国王女のセルシア様とシーナさんも連れてきてくれるそうです。シーナ様はちょっと...いえ、そういう今も見てるかもしれませんのでやめておきます。



(三百六十五日目) 一年ぶりに陽の光を浴びました。とても眩しくて十数分程目を開けていられませんでした。気づけば身長も伸びて今まで見えていた景色と少し違った景色がそこには拡がっていました。レイナさんとシアさん、ライル様とザック様、ゲイル様、コレル様、そして女神のシェイアスエルナ様ことシーナ様が私の出所祝いのささやかなパーティを開いてくれました。あまりの感動に数十分は号泣してました。ライル様とレイナ様が背中を摩ってくれたり頭を撫でてくれたり胸を貸してくれました。人の温もりに触れるのも一年ぶりです。とてもとても嬉しかったです。もう二度とあんな空間に帰ってやるかと心から思いました。


(出所一日目) 私とライル様は服や装飾品、金品、資料を纏めて長距離魔道列車に乗り込みました。駅では昨日のパーティのメンバーが見送りに来てくれました。シーナ様以外は一人一つプレゼントをくれました。まあ、シーナ様は女神様ですからね。この目にかかれただけでこの世界中の誰よりも幸せな事でしょうからそれがプレゼントとして貰っておきます。そして出発の鐘の音がなって私達()()の専用車両も扉が閉まって発車していくと段々とみんなが遠くなって見えました。何故かとても悲しくて涙が止まりませんでした。そんな私をライル様は優しく抱きしめてくれてとても嬉しかったです。そして私は涙を手のひらで拭うと涙の触れた場所が光初めて文字になりました。そこには『帰ってから鏡を見るといいわ。これが私からのプレゼントよ。シェイアスエルナより。』と書かれていました。どういうことなのでしょう。私はライル様に聞いてもそっぽ向いて口笛を吹き始めました。わかりやすいとぼけ方についつい私は笑ってしまい、私の涙も止まっていたのでした。



(S三日目) 私達は自分たちがこれから住む家に着き、私はすぐさま鏡を見に行ってきました。すると私の耳が何と横に鋭く尖っていたのです。まるでエルフです。驚く私にライル様がシーナ様から預かった手紙を渡してくれました。そこには『永遠の寿命と愛をプレゼントします。(そんなに甘々イチャイチャしたいなら永遠にやってなさい!)という天罰という扱いで処理してもらいました。ハイエルフになった気分はどうですか?シェイアスエルナより』と書かれていました。どうやら私は毎日地道に身体を変えられていたようです。そりゃ気づきませんって...でも耳が長いのは私だけって思ってたのですが、ライルが指をパチンと鳴らすと、ライルの耳も私と同じように横に長く伸びました。ライルの話によると、どうやらこの領地はエルフの森と接していて、そこの住民は人間を受け付けないからエルフの頂点、永遠の寿命を持つハイエルフになってもらったって事だそうです。『ハイエルフならそこらのノーマルエルフは話を聞かない訳には行かないでしょ。』と、なんというかさすが女神様、発送がひとつやふたつ所ではなくぶっ飛んでいます。でも、私はこれで永遠にライルと二人で幸せな時間を過ごせるわけです。この事には女神様に感謝しなければなとおもった。私はこの日、初めての領地内の建築は、教会を最優先させたのでした。





リーナは今後のストーリーにも幾度か登場します。元々今後登場予定はなく、あらかたストーリー構成は決まってたのですが、この日記を書いてるうちに情が移ってしまったので、と言うよりキャラを気に入ってしまったので...

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