これから。
「私たち結婚しましょう! この地で国を作るの。貴方が王様で、あたしがお姫様。そして、あたしたちの子供が王子様で、プリンセス」
「…………」
「どうしたの、浮かない顔して?」
「独裁は良くない。王政もダメだ」
「なんで? どの国もみんなそうしてるのに」
「よしんばそれで覇権を手にしたところで、独裁も王政もいつかは打倒される。僕も君も、あるいは僕らの子供か孫たちが打倒される。打倒して打倒される、その繰り返しだ。悲劇の繰り返しだ」
「確かに……、それであたしたちも逃げてきたものね……」
だから、国は民主主義でなければならない。
民主主義は僕らが自由である限り打倒されない。
民主主義の中でマイノリティがマジョリティに打倒されこそするかもしれないが、それが民主主義だ。
けれど、たった1人の自由にその他大勢の自由が黙殺されるよりかはマシだろう」
「うん。そうね」
「だから、僕らの国は民主主義にしよう。自由で拓けた国にしよう」
「わかったわ、王様……、ああ、王様じゃいけないのね」
「そうだね」
「じゃあ、どうしましょう?」
「まあ、どうでもいいじゃないか。僕らは夫婦なのだから」
「そうね、あなた! 幸せならそれでいいもの」
「ああ。幸せだから、これでいいんだよ」
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