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精霊

紫音side

翌日

俺達は今日も謁見室に来てる

ラルフも姉さんの肩に乗ってる


「昨晩、魔物が来たようだが大事なかったか?」

「はい。姉さんがすぐに対応して、俺達は《サイコキネシス》に護られてたので…」

「そうか。…シオリ」

「はい」

「ソルの報告だと、ソレが解かれた時には既に魔物はいなかったと聞いておるが

 魔物は、どうしたのだ?」

「「…っ」」


俺と蓮が昨日考えてた事だ


「…」


姉さんが言い淀んでる


「実はなシオリ、お前がやった事は既にソルから聞いておる」

「「「!?」」」


ソルはあの時、俺達と《サイコキネシス》内に居た

なのに


「ソルはな、魔力を使った跡を見れるのだ

 ソレが消えた後、魔物がいた所には火属性の痕跡があったそうだ」


…つまり、姉さんは


「シオリ、レンとシオンも…

 ソルからお主達が生きてきた世界の事は聞いておる

 魔物、ましてや魔力など無縁の世界なのだろう?

 それを考えれば、2人が悩んでおるのも容易に推測出来る

 …それにレンとシオンは分かりやすい」

「「え…?」」

「ふっ、ワシはこれまで様々な者達に会ってきた

 するとな、他人の顔色も自然と分かる様になったのだ

 特に、何か思い詰めておる者は顔や態度に出やすい」

「「…」」

「シオリ、言ってみなさい」


姉さんは一瞬俺達を見て、国王を見る


「首を…はねました」

「「!」」

「ふむ シオリ」

「はい」

「それ以外に方法があったと思うか?」

「…ラルフにあの魔物は知性が無いと聞きました

 本能で動き、追い払ってもいずれ襲ってくる

 殺らなければ…殺られると」

「そうか。シオリ…、よくやった」

「…っ」

「あの魔物は確かに知性が無い

 しかしだ、彼奴等は群れで襲ってくる

 怪我を負わせられ、作物を食い荒らされ…、様々な被害があったのだ

 シオリ、前にも言ったが…今のお前は性格や雰囲気が以前とは違う

 育ってきた環境も平穏とは言い難いモノだったんだろう」

「…、」

「勿論、生まれ変わってきた事は嬉しい

 だが、少しの間だけでも…ワシから見た今のシオリは

 やはり愛おしい愛娘に変わりは無いのだ

 改めて言うぞ

 よくぞ対処してみせた

 よくやったな。シオリ」

「…っ」


姉さんは何かを堪える様な表情で俯く


「大半の魔物は我等に害を与えるモノ、敵なのだ

 昨晩の事は、皆が感謝している

 シオリ、皆が安心して幸せに暮らしていける様に、今後もその力を貸してはくれぬか?」

「…私は自分の持ってる力が当たり前のこの世界を知って、嬉しかった

 生まれ変わりと言っても、以前とは違う筈の私を皆は受け入れてくれた

 私は、皆を護りたい

 皆を護る為に、私に出来る事をやりたいです」

「うむ、その決断に感謝する。レンとシオンも良いか?」


俺は姉さんを見る

姉さんは俺の視線に気付き、真っすぐな目で微笑む

姉さんが辛くなければ、俺はいい

蓮もきっと同じ思いだ


俺は王に向き


「姉さんが自分で決めたんなら、何も言いません」

「俺も、栞が辛くなければ…いい」

「紫音、蓮、…ありがとう」


ただ…気になってる事がもう1つ


「あの…」

「? 何だ?」

「今回、俺と蓮は姉さんに護られるだけでした

 …だから俺達にも、護れる力が欲しいんです

 どうにか出来ませんか?」

「…レンも同じ考えか?」

「はい、力が欲しいです。栞を護れる力が」

「ふむ …実はの、2人にやってもらいたい事があるのだ」

「「?」」

「お主達の身に、精霊を宿させる」

「「!?」」

「ソルにお主等を観察してもらったところ、肉体がこの世界に対応しきれぬかもしれぬのだ

 …つまり、このままだと命が危うい」

「「…っ、」」

「だが、生命力に満ち溢れている精霊を宿せば防げる。しかも、魔力が生み出せるのだ」

「俺達が…」

「魔力を、…ですか?」

「うむ 但し、精霊を宿すと普通の人間ではいられぬ」

「…え」

「それは、…どういう…」

「ああ、すまんすまん。決して悪い意味では無い

 精霊を宿す事はつまり、精霊と共に生きるという事だ

 少しの傷ならすぐに癒え、肉体も強化する

 精霊の力を使える者を、ただの人間とは言わぬだろう?

 シオリはラルフと既に魂を繋いでおる故、心配は無いそうだ」

「…あの、お父様」

「何だ?」

「私がラルフと魂を繋いでるのは確かな様ですが、私はあくまで生まれ変わりです

 何故、繋がりが切れてないんでしょうか…」

「うむ、それはな…

 魂を繋ぐというのは、謂わば…一心同体だ

 生まれ変わった肉体でも、魂は同じ

 故にお前が最初に来た時、ラルフが反応したのだ

 言ったであろう?

 ラルフが動いた事が証明になると」

「…」


姉さんはラルフを抱える


「だから…、だからラルフとだけは自然と会話が出来たんだ」

〔主…〕


ラルフはペロ…と姉さんの鼻を舐める

…そういえば、街に行く時

姉さんは躊躇無くラルフに小さくなってって

魔物を退治しに行く時も

名前を呼ぶだけでラルフは体を大きくして、姉さんが乗れる様に動いた

姉さんはラルフを優しくギュッと抱く


「本当に、長い間…、待っててくれたんだね」


姉さんの目には涙が、ラルフは姉さんの頰を愛おしそうに舐めてる


ラルフは肩に戻り、姉さんの頰にグルグルと頭を擦ってる


「さて、本題に戻ろうかの

 レン、シオン…、どうじゃ?

 精霊を受け入れるか?」


俺は蓮と見合わせ、頷く


「「お願いします」」

「よし、すぐにでも取り掛かろう」



蓮side

王に付いていく事…数分

ある部屋まで来た


「ここだ」


部屋に入り見渡すと

壁や床の至る所に不思議な紋様があり、天井には一番デカいのが

王は栞を見る


「シオリ、ここがどんな場所か分かるか?」

「…」


栞は部屋を見渡し


「部屋の不思議な紋様と、不思議な…神獣と近い様な気配を感じます」

「それを感じておれば大丈夫だろう

 シオリ、精霊を呼び出すのだ」

「「!」」

「…、私が…、ですか?」

「きっと中心に立てば…、恐らく体が自然と動く

 何故だろうな…、シオリなら出来ると感じるのだ」

「…分かりました」

「シオン、レン、お主達は中心でじっとしておれば良い」

「…それだけ、ですか?」

「そうだ」


紫音と目を合わせる

お互いに目を瞬かせ、戸惑う


「大丈夫」


栞が俺達の前で微笑む


「「栞(姉さん)」」

「2人は楽にしてて、何となく出来るって思う」

「…分かった」

「よろしく」

「ん、まずは紫音ね」


栞が紫音と手を繋ぎ、部屋の中心に

俺は王に誘導され、紋様の外側に


「楽にしててね」


栞は紫音の目の前に立つと、おずおずと片手を紫音の胸に、もう片手は上に向け

目を瞑る

すると、天井の紋様が白く光り始めグルグルと周り、形が崩れていく

数秒後、淡い緑色に光る球が紋様のとこから出てきて栞の手に

光の球はそのまま栞に吸収され、栞が光る

やがて光は紫音の胸に移動し、今度は紫音が光り始める

光が収まると


「いいよ」


無事に終わったのか?


「説明は後からするから、蓮と交代ね」


紫音がこっちに歩いてくる


「次は蓮だ」


…髪が

栞と同じ様に…、緑のメッシュが入ったみてぇになってる


「…おう」


俺は栞の元に歩み寄る


「蓮も、楽にしててね」

「おう」


胸に手を当てられ、栞が目を瞑る

さっきと同様に光の球…今度は淡い赤色だ

ソレが俺の中に入り、次第に馴染んでいく


「いいよ」


俺も終わった


「ありがとな」

「ん、戻ろ」


手を繋ぎ、王と紫音の元へ

…なんか紫音が俺の髪を見てる


「…俺も髪の色が変わってんのか?」

「うん、赤が入ってる。…ってか、俺もって…」

「ああ、紫音も緑が入ってる」

「へ〜」


お互い、髪を触ってると


「それにしても驚いたな…

 まさか上位の…四大精霊を呼び出すとは…」

「「よんだい精霊?」」

「うむ 四大精霊とは地、水、風、火の四大元素の精霊

 基本呼び出せるとしても、下位精霊が精々なのだが…

 シオンは風、レンは火の精霊が宿っておるな

 その影響が髪に出ておるのだ」

「「…」」

「どうだ?この機に剣術等も習ってはどうだ?

 精霊と意思を交わし、上手く力が使える様になれば

 いざという時に、心強かろう」


お互いに目を合わせ、頷く


「「ぜひ、お願いします」」


栞を護れるんだったら、何だってやってやる

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