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魔物

結構な時間が経って、少し薄暗くなってきた

そろそろ城に帰ろうとしてたら


「きゃーっ!!」


遠くで悲鳴が


「アイツ等が来たぞ!!逃げろっ!!」


街の人が避難を呼び掛ける


「何だ、どうした」


逃げ惑う人々の中

栞を見ると、悲鳴が上がった方向をジッと見てる

《リモートネスクレヤボヤンス(遠隔透視)》か


「紫音、蓮、行ってくる」


やっぱりな


「「俺も行く」」


栞は紫音と俺を見て頷く


「ラルフ」


ラルフがグググ…と大きくなり


「2人共乗って」


栞に続いてラルフに跨る

ソルをチラッと見ると


「私は自力で付いていけますので」

「行こう、ラルフ」

〔はっ!〕


ラルフは物凄いスピードで駆け抜け

到着したのは外門に近い田畑がある場所

茶色いゴブリンみたいなのが人を襲ってる…っ

栞は俺達と離れ、ゴブリンへと向かってく


「おい栞っ」

「蓮と紫音はソルと、私が避難させる人達を保護」


金と赤が混ざった《サイコキネシス》が俺達を覆う


「その中にいれば傷も回復するから。皆をお願い」

「「分かった」」

「承知しました」


栞はゴブリンに襲われてる人達に意識を向け、《サイコキネシス》に避難させる

入ってきた人達の傷はみるみる内に治っていく


「傷が…!?」

「もう、大丈夫だ」

「ソル様、レン様とシオン様まで!?」

「シオリ様は!?」

「シオリ様!?この数相手に無茶です!」

「帰ってこられて間も無いのに!!」

「…大丈夫だ」

「レン様?」

「姉さんなら、どんな相手でも大丈夫」

「で、ですが…、今日力を戻されたばかりの筈

 貴方方の世界では必要の無い力だったんですよね?

 魔物だって、存在していなかったんですよね?」

「それも、心配無ぇよ

 俺達の世界の一部で栞は…、その力で制圧してきたんだからな」

「それに変な話

 今まで手加減してきたのが、本来の力を取り戻して

 更に手加減しなくていいって状況なら、今の姉さんなら敵無しだ」

「貴方方がそう言われるのなら、きっと大丈夫ですね」


ソルの言葉で、皆が安堵する



私は蓮と紫音、ソルに人々の保護を頼み

ラルフを連れて、魔物と対峙する

この世界に来て、初めての魔物

今は《サイコキネシス》で阻んでるから来れないけど、唸り声を上げながら手足をバタつかせてる


「ラルフ、あの魔物には知性はあるの?」

〔いえ、ありません。アレは本能のままに行動するのみ

 今追い払ってもいずれ襲いに来ます

 この世で、どんな生き物に対しても唯一不変のモノが《弱肉強食》です

 やらねば、こちらがやられます」

「…」


多くの命を奪ってきた私は、もう人は殺さない

今までそう、決めてきた

でもここでは、ソレは命取りになる


だから…、殺られる前に、殺る


片手に力を纏うと、今までの赤色に金色が少し混ざってる


「…」


……蓮と紫音には見せられない

振り向き、《サイコキネシス》に暗幕を掛ける


「…ごめん」


今まで守ってきた事を破らないと、この国と人々は護れない


「…また、隠し事が出来ちゃったな…」

〔主…〕


ラルフが鼻先を頰に擦り寄せる


「ありがとう」


私は、護りたいモノの為に、この力を使う


…そういえば、ここでの戦い方をまだ知らない

手に力…ここでは魔力か

纏ったけど、直接攻撃は…、少し怖い


〔主、主は帰ってきたばかりです。ここは我が…〕

「いや、ちょっと待って」


試しに

魔物に届く様に、魔力を…飛ばすイメージで

手を振り払うと三日月の形をした魔力の塊が魔物へと向かっていく

ザンッと魔物の首が落ち、肉体は仰向けにドサッと倒れた


「おぉ…出来た」


残りの魔物にも同じ様に魔力を飛ばせた


「あとは…」


どう片付けるか

…火かな

魔物に手を向け、火が燃えるイメージを

すると、魔物が燃え始め、跡形も無くなった

よく見ると畑の野菜とかは無事だ


「何で野菜とかは燃えてないんだろ…」


良い事だけど、…魔法ってそういうモノなのかな?


〔魔物だけが消滅したのは、主が我と魂を繋いでいるからです

 故に主の魔力が自然に影響する事はありません〕

「それってどういう…」

〔詳しい事は後に話します。今は彼方をどうにかした方がいいかと〕

 

そうだ、そろそろ《サイコキネシス》を解かないと

意識を向ければ、パリンッとガラスの様に砕け消える



蓮side

栞が魔物の対峙してると、《サイコキネシス》が黒くなり周りが見えなくなる


「? 何だ?」


とりあえず内側は何とも無ぇから

栞が解いてくれるのを待つしかない


「蓮」

「紫音?」

「姉さん、魔物をどうすると思う?」

「…どうするって」


改めて考えると、…分からない

栞は組の仕事でも、絶対に殺しはしなかった

栞自身も、もう人の命は奪いたくないって

…だが


「この世界では、どうするんだ…」

「どうされたんですか?」

「いや、栞は魔物をどう対処するのかと思って…」

「奴等は、殺してしまった方がいいでしょうね」

「殺す…」

「それ以外の方法は?」

「知性のある魔物であれば、話せば済む場合も時にあります

 ですが、基本奴等は本能で動き、我等を襲います

 この世界では、殺らなければ殺られるんです

 …申し訳ありません、貴方方にとって酷な事を言ってるのは分かっていますが

 この世界では、それが普通なのです」

「「…」」


パリンッ

シールドがガラスの様に砕けていく

栞に視線を向けると、魔物はいなくなってる

去って行ったのか?それとも…

考えてる内に栞が近くまで来てる


「終わったよ」

「栞…」

「ん?」

「魔物は「シオリ様!ありがとうございました!!」」


街の人達が次々と歓声を上げる


「シオリ様、お疲れ様でした。城へ戻りましょう」


ソルの言葉で、街の人達は栞に挨拶して帰っていく

残ってるのは俺達しかいない


「私達も帰ろ」

「栞っ」

「ん?」

「…っ」


俺が言い淀んでると、肩に手がポンと乗る

紫音…


「何でもない、帰ろ」

「? うん」


栞とソルが先に歩いてく


「…紫音」

「分かってる。…でも、姉さんも悩んでるかもしれない

 今は何も聞かないで、姉さんから話してくれるのを待ってみよ」

「そう…だな…」

「2人共早く〜」

「「今行く」」


今回、栞のスムーズな指示で自然と安全な所に居た

俺は、いつも栞に護られてばっかだ

栞を護れる力が欲しい…

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