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異世界へ(4)

蓮side

まだ日が明けない時間

栞が俺の腕から抜け出し、庭で鍛練するのは日課だ

俺が目覚める頃合いに戻ってきて


「おはよ」


微笑みながら挨拶する栞を見て


「はよ」


挨拶を返す

栞は組から抜けた今、これからどうするのか悩んでる

結婚した今、母さんに家事を教わってるが

俺的には専業主婦でも良いなって思ってる



今日もまた、目を覚ますと


「おはよ」


鍛練を終えた栞が戻ってる


「はよ。…?」


何だ?

様子がいつもと違う

…つうか、服が違う


「栞?」

「ん?」

「何かあったのか?」

「…、」


戸惑ってる

起き上がって栞の頰を撫でる


「何があった」

「…、話すから。支度したら、広間に来て」

「…分かった」


栞は立ち上がり、部屋を出て行った

戸惑った表情、でも嫌な感じはしなかった

…今ここで考えても仕方ない


「さっさと行くか」



紫音side

俺は姉さんと同様に組から抜けた

今後どうするか…

姉さんが蓮と結婚したから離れないとって考えたけど

2人は一緒にって言ってくれた

とりあえず、それぞれのやりたい事が見つかるまでは、まだ桜井家にいる


姉さんが朝の鍛練を終えたら俺に会いに来るのが毎朝の日課

いつもの様に、目覚める頃に姉さんが襖の前に


「紫音」

「起きてるよ」


スッと襖が開くと


「おはよ、紫音」

「はよ」


…あれ


「姉さん?」

「ん?」

「何かあった?」


何か、いつもと雰囲気が違う

それに服が違う


「支度したら、広間に来て」

「え、…うん」


何だろ、戸惑ってはいたけど…、嫌な感じはしなかった


「さっさと支度しよ」



蓮と紫音に挨拶を済ませ、楼の部屋へ


「楼」

「栞、こんな朝早くにどうした」

「皆に話がある、広間に集めてほしい」


スッと襖が開き


「何だ?」

「皆の前で話す」

「…分かった」



広間に全員集まったのを確認し


「まず、急な召集を掛けてごめんなさい」

「それはいいが、どうした?」


お父さんを始め、皆が聞く姿勢をとってくれてる


「…あの、これから話すのは、全てホントの事だから

 聞きたい事とか思う事が多々あると思うけど、まずは聞いててほしい」


皆が頷き、了承の意を示す


「ありがと

 それと、これからある人に出てきてもらう」

「ある人?」

「…ソル」

「はい」


ソルが本来の姿で隣にスッと現れる


「「「!?」」」

「皆さん、初めまして。ソルと申します」


皆、目を見開いて呆然としてる


「…栞」


最初に口を開いたのはお父さん


「その人?…は、もしかして、栞と同じ力を持ってるのか?」

「そう、みたい」

「そうか…。で、話したい事は何だ?」

「…何から話せばいいのか

 私もまだよく分かってないんだけど、…異世界が存在するって言えばいいかな」

「……異世界?」

「うん」


楼がソルを見る


「っつう事は…。その人?は、異世界の人なのか?」

「うん」

「じゃあ何で、異世界の人がここに、栞と居るんだ」

「んとね、異世界の国の王…国王が言ってたんだけど

 私は、異世界で亡くなった国王の養子の生まれ変わりなんだって」

「「「……………は?」」」

「ソルは、私の従者なんだって」

「「「……………へ?」」」

「朝の鍛練してる最中にソルが現れて、突然異世界に連れられて

 国王と少し話して、戻ってきた」

「「「…………」」」

「とりあえず、これが朝の出来事」

「「「はぁああああああああ!?!?!?」」」


皆が叫び混乱し、落ち着くまで何分掛かったか

とりあえず静かになり、改めて皆はソルを凝視する


「あ、あの…、ソル…さん?」


しどろもどろに楼が声を掛ける


「はい、何でしょう」

「その、異世界の栞の従者ってのは…」

「本当ですよ。私はシオリ様の従者、ソルです」

「じゃ、じゃあ国王の養子の生まれ変わりっつうのは?」

「事実です

 国王はその昔、捨てられていた赤子のシオリ様を養子にし大事に育てられました

 シオリ様は我が国や人々にとって癒しの存在で

 多大なる平和を齎して下さっていたのですが

 ある時、力を酷使し過ぎて亡くなられてしまいました

 ですがその最後の時に言われたのです

 もし叶うなら、また皆の元に…と

 そしてシオリ様は、この世界に転生されました

 その証拠に

 私が知るシオリ様同様に左目が赤く、皆様が思う…特別な力を持ってるという事です

 皆様の反応を見る限り、こちらではシオリ様の力は異能の様ですからね

 最も、以前は両目とも赤かったですが」

「「「…」」」


皆が口を閉ざす中


「あ、あの…」


紫音…


「俺は紫音、栞姉さんと血の繋がった弟です

 でも姉さんみたいな力は持ってない、でも見ての通り左目は青色です

 これは、姉さんの転生?に関係してるんでしょうか…」

「シオンさん、…確かに貴方には特別な力は無い様です

 左目は、シオリ様が転生された際の影響によるモノかと

 簡単に言えば、色が他の方と違うだけです」

「じゃあ、何で赤色じゃなく、青色なんでしょう」

「さあ?」

「…」


皆がおいっ!的なリアクションをしてる


「でも、その色がお気に召さないのでしたら

 私の力で他の方と同じに出来ますが…?」

「…」


紫音は視線を下げ、考えてる

でもすぐに顔を上げ


「いえ、大丈夫です」

「紫音…」


蓮や楼が心配そうに見つめてる


「…いいの?」

「うん、今まで色んな事はあったけど…。もう大丈夫」


ソルが咳払いし


「話を戻しても?」

「あ、すみません。お願いします」

「シオリ様については理解頂けた様なので、本題を申し上げます。

 シオリ様には以後、我が国…ジュノで暮して頂きたいと考えております」

「「「………は?」」」


皆、口をポカーンと開けて茫然としてる


「ちょ、ちょっと待て…下さい」


蓮が辛うじて敬語


「それはつまり、この世界から居なくなるって事ですか?」

「左様です」


蓮から軽い殺気が


「…俺から栞を奪うつもりなら、連れて行かせねぇ」

「俺も、姉さんと離れるつもりは無い」


紫音まで

いや、楼や春まで警戒し始めちゃった

そんな雰囲気の中、ソルは笑顔で


「では皆さん、一度いらして下さい」

「「「……は?」」」

「シオリ様にも話されましたが

 国王はシオリ様のご家族がいれば連れて来る様にと仰せられました。

 良ければこちらに住んではどうかという話も」

「「「………」」」

「栞、ホントか?」


蓮が不安な表情で聞いてくる


「うん」

「栞は、どう…考えてるんだ」

「二度とこっちに戻れない訳じゃないし…、それにね?」

「?」

「少し行ってきただけで分かった

 あっちの世界では、私の力は普通なの

 それに、私の力が必要とされてるみたいだから」

「シオリ様が、必要なのです」

「…」

「正直に言うとね、嬉しかったんだ

 ここ(桜井組)で私は鷹として動いてた、そうするしか出来なかった

 でも必要無くなって、これからどうしよって思ってた

 ソルが現れて、急に異世界に連れられて困ったけど

 私を必要としてくれる人達が大勢いたの

 その人達の為に、私は…自分の意思で力を使いたい」

「…」

「俺は姉さんに付いていく」

「紫音…」

「姉さんが自分で決めたんなら…、何も言わない

 それに話を聞く限り、離れずに済むんだよね? なら俺は良いよ」

「ありがと、紫音」

「…栞」

「楼…」

「不定期でもいいから戻ってこい。それが無理なら《テレパシー》でも使って連絡しろ」

「うん、ありがと」


自然と皆の視線は蓮に

蓮は溜息を吐き、口角を上げ


「栞と離れなくていんなら、いいさ」

「蓮…」

「話は纏まりましたね。では一度、王に会って頂きます」


皆がえっ!?と驚く


「ちょっと待って下さい、急過ぎます。そちらの世界に行くとなると、準備が…」


楼が珍しく少し慌てる


「ああ、では服装のみ正装をお願い致します」

「いや、服もそうですが…、ここを離れる訳には…」

「それもご心配無く。私の力で時間は進まぬ様に致しますので

 どれだけ居ても、この世界では一瞬です」

「…なら、問題無ぇか」

「では、王に会われる方のみ、服装を整えて再度集まって頂けますか?」


国王に会うのは、蓮と紫音は勿論、楼とお父さんとお母さん

この世界では一瞬らしいけど、念の為春に組を任せるらしい


「じゃあ、頼んだぞ。酒向」

「はい、お任せ下さい」

「では行きます」


また、足元が光り始める

その光が一層強くなり、皆が目を瞑った瞬間


「着きました」

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