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異世界へ(3)

目が覚めると、見知らぬ天井が

……、確か、ゴブリンのソルさんに連れられて違う世界に…


「!?」


バッ!と起き上がり、周囲を警戒する

…この部屋は、街のどこかの一室か

ここでは不審人物に当たるだろうに、こんな整ってる部屋で寝かされるなんて

ふと…

近付いてくる気配…、ソルさんか

ノックの後に扉が開く

ソルさんは目を見開き


「お目覚めになられましたか!良かった!」

「…どれ位経ってる?」

「1時間程です!

 目覚めたらお連れする様にと言われています!さあっ参りましょう!」

「…どこへ?」

「国王の元へです!」


廊下を歩く中、窓を覗けば街が見下ろせる

この高さ…、ここは中心に建ってる城か


「着きました」


目の前には大きな扉が

ソルさんと入れば、大きな部屋の奥で1人座ってる

あれが、国王…


「…?」


何だかソワソワしてる様に見える、今にでも立ち上がってきそう

表情も必死に引き締めている感じが


国王の前に行くと


「久し振りだな、シオリよ

 ワシがこのジュノ国の王…ザキロだ

 シオリ、お前は帰ってきた。言葉通りに…」

「? どういう…」

「お前は最後の時、こう言っていたのだ」


『私がいなくても、皆が安心して暮らせる様に力を残します

 もし、…もし叶うのなら、また皆と…』


「また皆と一緒にいたい

 それが漸く叶い、お前はこうして帰ってきた」

「…待って下さい」

「何だ?」

「この方もそうですが…。何故私が、貴方方の知るシオリだと?」

「…髪や片目の色、雰囲気等は違うが、街での様子を聞いたら間違いない

 お前は怪我人を治していたな?精霊を喚ばなくとも」

「…? はい」

「《ヒール》は光属性の者しか使えないが、少ない訳ではない

 故に特別なスキルとして扱われてはいない

 だが、ある特性があるのだ」

「…特性?」

「魔法発動時には必ず、光属性の精霊を喚ばなければならないのだ

 精霊が祝福してくれる事で魔力の質や量が一時的に上がり、完全に治癒出来るのだ

 無論、精霊を喚ばずとも治癒は出来るが、どうしても傷痕が残ってしまう

 でも、以前からお前がする時は何故か精霊を喚ばずとも完璧に治癒が出来ていたのだ」

「…」

「ソルからの報告では《ヒール》を使っただけでは疲れていなかったと聞いておる

 精霊の祝福を受け、通常よりも多い魔力を使ってしまう為

 一度使っただけで大抵の者は疲れ果てる

 以前のお前も、疲れ果てる様子は見せた事が無かった」

「…国王は、

 様々な者が《ヒール》を使用している際の状況を全て把握してるんですか?」

「いや、そういう訳ではない

 ただ《ジュノ国の姫だけが精霊を喚ばずに完璧に治癒出来る》と

 噂が絶えなくてな」

「…ですが、噂にしか過ぎませんよね?」

「噂は噂でしかないが、それ以外にも判断出来るモノがある。ほれ、来たぞ」

〔我が主!!〕


後ろを振り向けば、目の前に大きな影が


「わっ!」


何かに押し倒される

顔を舐めてる白い…狼?


「…もしかして、夢に出てきた」


狼が舐めるのを止め、私と目を合わせ


〔ラルフです!我が主!!〕

「ラルフ…」


私よりも遥かに大きいけど、シッポをブンッ!ブンッ!と振り回してるのがよく分かる

こんなに、私が来たのを喜んでる

ラルフをそっと退かし、国王に向き直る


「一度死んだお前が…、いつかどこかで、きっと生まれ変わっておる

 そう信じ続け、ソルに様々な所に探しに行ってもらっていた

 そして遂に…、馴染みのある魔力を感じて、お前の前に現れた

 ラルフはお前の魔力を糧に生きておる

 もしも違っておれば、元の所から動かなかっただろう

 ソルとラルフの行動が、証明となる」


なるほど

でも…


「私は元の世界に戻れるのを前提にここに来ました

 それはソルさんから伝わってる筈です

 なのに再会を望んでいた者に安易に機会を設けたのは

 …ここに留まらせるつもりですか?」

「…そうだな。出来れば以前の様に、ここで過ごしてほしい」


国王はどうかな?と視線を向ける


「…お聞きしたい事が」

「何だ?」

「ここに住むとして、元居た世界と行き交うのは、許可してもらえますか?」

「良いぞ。故にあちらで納得のゆくまで検討してくれて構わない」

「…分かりました」

「それとだ、向こうの世界に家族はおるか?」

「…いますが」

「ならば一度、連れてこい」


…?


「何故ですか?」


話し合うだけじゃダメなのか?

国王はニコッと笑顔で


「これまで娘を育ててくれた者達に会いたいと思うのは親として当然

 こちらに移り住んでくれるのも良い」


………


「…………え?」

「ああ、厳密に言えば血は繋がっておらん、ワシは育ての親じゃ

 だが赤ん坊の頃から育てたのだからワシの娘だ

 生まれ変わってもそれは変わらぬ」


つまり、国王の養子って立場だったのか


「そして、正式に戻ってきた時には本来の力を取り戻してほしい

 お前は国を加護するのに全ての魔力を使って、光の粒となって消えた

 …正直に言えば、今のお前に魔力がある事自体驚いているのだ

 この国は、衰退している

 本来の力を持つシオリが居てくれたら、心強い

 それ以前に、死んだ娘が戻るのが一番嬉しい」

「…時間を下さい」

「勿論だとも」



「ソルさん」

「ソルと呼び捨て下さい、敬語も不要です」

「…ソル」

「はいっ」


スッゴイ笑顔で返事をしてくれる


「さっきも言った通り、私は元の世界に戻りま…戻る」


敬語を使いそうになったら、シュン…と表情が曇った


「ソルが使ってた世界を移動する能力は、私にも使えるのか?」

「勿論です

 ですが、本来の魔力が戻られていない状態で使用されれば、お倒れになるかもしれません

 今回は私がやります」

「なら、家族と話す時も一緒にいてくれ

 ソルが直接説明してくれた方がきっと信じてもらえる」

「承知しました」

「じゃあ、行こうか」



桜井家の、さっきまで居た所に戻る

空を見れば、まだ午前中…

てか、数分も経ってないみたい

ホントにこっちでは一瞬の出来事なのか

ソルには来る前に気配を消しておく様言ったから、気配に敏感な蓮も起きてこない


「ソル、いいと言うまで、姿も見えない様に」

「承知しました」

「…さてと」


私自身、まだ困惑してるのに


「信じてもらえるのかな」

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