異世界へ
今まで執筆した小説の続編となります
最近、毎日同じ夢をみる
大きな城が中心にある街、そこの市場を毎回歩いてる
何も買わずにフラフラ歩いてるだけだけど…
夢を見始めた時に気になったのは
周りを行き交う人が、…人間じゃない
人間みたいに2本足で歩く動物だったり、人でも動物でもないのも
今ではどんな生き物と出会おうが、夢だしって片付けてる
そして…、夢の中で私と常に一緒にいる人?と動物がいる
ゴブリン的なのと白い狼だ
何度か声を掛けようと口は開いたけど、何故か声が出ない
喉に手を当ててると、狼が見上げて鼻を擦り寄せる
心配してくれてる?
ありがとって思いながら頭を撫でると、嬉しそうに目を瞑る
暫く歩くと、最後には周りに霞が掛かる
そして、ゴブリンが必ず
『会える時を待っています。…シオリ様』
この言葉を聞いて、夢から覚める
「…何で」
何で、そんな悲しい表情で私を見るの?
目が覚め、顔を上げると蓮の寝顔が
外はまだ薄暗い
私は桜井組から抜け、蓮と結婚した
したけど…、これからどうするかをずっと考えてる
正直…、何をしたらいいのか
私は生まれてこのかた、何をしてみたいとか、何になりたいとか
子供が一度は思った事を、思った事が無い
このままじゃ、楼の…春の折角の好意を無駄にする
とりあえず体が鈍るのは嫌だから
毎朝蓮の腕から抜け出してトレーニングをする
誰も起きない様に、自分の周りだけ《サイコキネシス》を張り
いつもの様にトレーニングする
数分経って、汗をかき始めた頃
「…、?」
桜井家の人間じゃない気配を感じる
でも…、妙な気配
「…誰だ」
《サイコメトリー》で周囲を探る
「やっと…、見つけました」
「!」
誰もいないのに目の前から声が
バッ!と後ろに距離を取ると、男が空間から突然姿を現す
見た目は普通の男だが、あんな出方…人間じゃない
…でも、顔はどっかで見た事ある様な…
「…何者だ」
「シオリ様、お久し振りです」
「…何故、私の名を」
「知っていて当然です、私は貴女様の従者ですから」
「? じゅう…しゃ?」
「私はソル、夢でお会いしたのを覚えてらっしゃいませんか?」
男が目を瞑ると、耳や…体の色が変わっていく
「! その姿…っ」
…これは夢か?
それともミスで自分自身に幻覚をかけてるのか?
「気持ち、お察し致します。ですが、これは現実です。触れてみますか?」
緑色の手を差し出される
「…」
恐る恐る触れてみると、ちゃんと手の感触が
「…夢じゃないのは信じる。でも何故、私の前に現れた?」
ソル…さんは優しい表情のまま跪き
「貴女様を御迎えに上がりました。我が主…シオリ様」
「…?」
さっきも、従者って言ってたけど、主?
「何を、言ってる」
「…記憶が無いのは些か不便ですな。ですがもう暫くの辛抱…、シオリ様」
ソルさんは再び私に手を差し出し
「こちらの世界に一度、いらして頂けませんか?」
こちらの世界…
「要は、違う次元から来たって事か」
「左様です」
悪意は感じない
家族にも一切それらしい意識を向けてない
得体の知れない奴、断ったら何をするか検討がつかない
「……戻ってこれるのか?」
「勿論です
それに、どれだけ時間が経とうと
私の力でこの世界では一瞬の事になります。ここに住う方々には気付かれません」
「…」
仕方ないな
「……分かった」
ソルさんは笑顔になり
「ありがとうございます」
「でも…」
「?」
「行く前に、着替えてきてもいいか?」
流石にこの格好はラフ過ぎる
汗もかいてるし…
「承知しました」
誰にも気付かれない様に自室に行き、クローゼットを開ける
…が、あの男の服装からして、どれも違和感がありそうだ
どこに連れてかれるかも分からない以上、鷹で使ってたローブが妥当か
動ける服装でローブを羽織り、ソルさんの元に
「では、参りましょうか」
すると、足元が光り始める
「!?」
光が一層強くなり、眩しくて目を瞑った瞬間
「シオリ様、着きました」
恐る恐る目を開くと、大きな街と城が
夢で見たのと同じ…
「ここは…」
「我が国、ジュノです。さあ、行きましょう」




