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だいすきっ!間章 その2
「この調子では小娘の方は相手にもならなそうですねェ」
くすねは森で後始末をしながら笑った。
「あの女は知りすぎていた……まほろ様の記憶を私が催眠で混濁させなければどうなっていたか」
箒で破片を掃き取りながらくすねは晩御飯のメニューを考えていた。
みそ汁。いや、コンソメスープ。
イカとブロッコリーのサラダ。
「このままではまほろ様の穢れが溜まってしまっています。私の血液で浄化しなくては」
今日のメニューはハンバーグのトマト煮込みにしましょう、とくすねは付け足す。
「この世界はまほろ様……私の聖女様を汚す不届き者達ばかり。私があの気高き魂をお守りしないと……」
低い声をだすとそのままバキッと箒をへし折り、慌てる。
「た、大変。箒が壊れてしまいました!どうしよう」
それはまほろにずっと前に買ってもらった箒だった。
「まほろ様の魔法で直るかな。後でお願いしてみましょう」
ぎゅっとくすねは箒を抱きしめる。
「大丈夫ですよまほろ様……貴方の夢に巣食うあのクソアマも、私がきちんと排除して差し上げますからね」
つづく