最終章:出発
この小説を、私に人生のターニングポイントともなるきっかけをくれた最愛なる人に捧げます。
有吉玲
この小説を、僕に人生への勇気と前進をくれた最愛なる人に捧げます。
鄭晋赫
私たちは家族4人、今、ハワイ行きの飛行機に乗っている。
「夫」「私」「娘」「息子」
この飛行機に乗るために、どれだけの別れがあって、苦悩があって、長い時間がかかってきたかを考えた。
反対に、どれだけ楽しいことがあって、幸せなことがあって、お互いを思いやる気持ちがあって、愛があっての方が多かったことに同時に気が付く。
国籍の違う夫婦、父親の違う姉弟、年齢差、置かれている状況、全てを打破して、今ここにスタートをした。
これから何が待ち受けているかはわからない。
でも愛がありお互いを信じれば、何があってもやっていける自信がある。
アメリカ・ハワイ・ホノルル空港に到着した。
強い日差しと、青々とした木々に迎えられ、イミグレーションを通り抜ける。
入国審査官は、私たちのパスポートを見て、首をひねった。4人の国籍がバラバラだ。
「We are family」
夫がそういった。
出会って10年目の夏。想いが実る。