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東方現創録  作者: RyoZ
第1章 秘密を暴く者
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第1章 第3話

瑛士が外の世界に行ってから三日が経過した。



ここで説明するが瑛士がいる外の世界と幻想郷の時間軸は異なっている。

現在の瑛士がいる時間帯夕方ごろだが幻想郷は昼前となる。



いつものように霊夢は縁側でお茶を飲んでいた。

最近は結界を直すために毎日のように動いていたが一週間の経過観察のため休んではいるところだが警戒は解くなと紫に言われている。


紫に瑛士を外の世界に向かわせたと聞いた時には、こんなので何とかなるのかと疑問に思っていた。しかし現状は何も解決していない。

外の世界の境界を直すのかと思っていたが、切り札を探すというのを風の噂で聞いたから最悪の場合一人で行動することも霊夢は密かに考えている。


二杯目のお茶を注いでいると魔理沙がやってきた。

「暇してるな、霊夢」

「暇じゃない、経過観察よ」

「じゃあ何で縁側でお茶飲んでるんだよ」

「時間潰し」

「結局暇じゃないかよ」

「うるさいわね…」


魔理沙も霊夢同様に経過観察に回っているが何かしているわけでもない。どちらかというと魔理沙の方が暇である。

来ることが分かっていた霊夢はもうすでに魔理沙の分のお茶も用意している。


「それにしてもあいつ、どうしてんだろうな」

「瑛士のこと。別に。どうせあいつはあいつなりに動いているんでしょ、気にする必要はないわよ」

「相変わらず冷たい奴だな、霊夢は。何か思う事とかないのかよ」

「うーん」


よくよく考えてみると瑛士が幻想郷に来てからいなくなるのは初めてのことだ。

でも、実際は…


「静かになった。そんなところかしら」

霊夢の返答に魔理沙は意外そうな表情をしている。

「へー、霊夢もか。私も同じことを考えてたぜ」

「何故かは知らないけど、あいつがここにいる感じはなんか賑やかって感じかしら」

「そうなんだよな。なんか平和って感じる」

「でも私は少し安堵してる部分もあるわね」

「もしかして、人里での噂か?」


そう、瑛士は先の異変を解決したことから幻想郷の英雄と呼ばれ、一時期は人里で噂になったこともある。


「幻想郷の守護神」と


「彼がいれば安全だ」とか「巫女を手中に置いている」など多くの噂が行き交い、落ち着いた今でもこのことを信じている人も少なくはない。


「私から言わせてもらうと大迷惑よ。余計に参拝者が減るきっかけにもなりかねないから」

「分かる、異変は私たちも解決したっていうのに…ひどいよな」

「考えてもみてよ、もしあいつがここに来なかったして、異変解決は私たちがする事でしょ」

「そうだな、でもあいつが来てなかったらあの異変は解決してないぜ」

「それは分かってる。でも私はあいつに少し嫉妬してる」


あんな風に言われて、霊夢が何も思わないわけがない。今までの異変は私たちが解決してきたというのに…


「だから思うのよ、あいつがいないからこそここは私が守るって」

「どういうことだ」

「もともとは私たちが幻想郷の異変を解決しているのよ。確かにあいつが来てから私たちの重みは下がった。けどそれでいいのかしら。私も博霊の巫女としてのプライドがある。だからあいつがいない間に異変が起こってもあいつがしたように私が幻想郷を守るわ」


そう、少しではあるが霊夢は瑛士に感化されているのかもしれない。彼の守る意思が霊夢の考えを少し変えつつあるのだ。



「私も忘れてもらったら困るぜ」

魔理沙も賛同するように呟いた。

「それは私も他の奴らも同じだぜ。私たち全員で幻想郷を守ろうぜ。そして奴にギャフンと言わしてやるんだ」


二人が改めて決意を固めたところに来客がやってきた。


「その心構え、私好きですよ。どうも、清く正しい射名丸です」


妖怪の山に住む鴉天狗、射名丸文。一時期は人里の噂に関することなどで神社にくることはあったが、その噂が落ち着いてから来たのは初めてのことである。


「お、珍しい来客じゃないか」

「何なの、あなたの仕事は一通り済んだんじゃないの」

「いえいえ、むしろ二人に少し耳に入れておいてほしい情報を持ってきたんですよ」

文は小声でさらに続ける。


「もしかしたら、近日中にも異変が起こるかもしれないんです。」


霊夢はそれを聞いた瞬間に顔が変わった。魔理沙はすぐに反応した。

「それは本当なのか」

「えぇ、ちゃんと証拠の写真を持ってきましたよ。」

そう言うと文は手帳から一枚の写真を取り出した。二人は食い入るように写真を見る。


そこに映っていたのは隙間のような物から出てきた一人の少女だった

場所は妖怪の山の森の中だろうか、周りは木々だらけである。

その少女は薄暗い森の中でもわかる白に近い銀髪で目が青色。手には何か辞書のような大きい本を持っている。


霊夢は文に尋ねる。

「これはいったいどういうこと?」

「残念ですけど、私は写真を撮っただけでその人に直接接触したわけではありませんよ、危うくシャッター音に気付かれるところでした。でも、こうして結界を割って出てきたってことは」

「瑛士と同じか、不安定な結界に迷い込んできてしまったか。それしかないわね」


魔理沙がここで何かを見つけたようだ。

「なぁ、この本私どこかで見たことがある気がするんだよな」

文も頷いた。

「確かにそうですね。この本に似た本を瑛士さんが持っていたような気がするんですよね。」

「とにかく、一刻も早くその女の子を見つけて事情を聞き出す。それでいいわね」

霊夢はまとめ、魔理沙も文も頷く。



その後、三人は夕方まで妖怪の山近辺を中心に少女を探した


しかしいくら探しても見つかなかった。





そう

幻想郷で再び異変が起こり始めていたのだ


先の異変で終わりではない



そう

これは悪夢の始まりでしかないのだから…




今回も読んで頂きありがとうございました!

時間があるので最近はいつもより早く投稿しています。普段はそんな事はありませんのであしからず。


さて、今回は久々の幻想郷編でした。そして忍び寄る悪夢の始まり…


あの少女は何者なのか。気になる部分はたくさんですね。


さて、次回は再び瑛士側に戻ります。そろそろ第1章も終わりが近づいてきました。

次回までゆっくり待っていただければ幸いです。


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