表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方現創録  作者: RyoZ
第1章 秘密を暴く者
7/15

第1章 第2話後編

カフェテラスの空気は気まずい雰囲気が漂っている。


それも当然だ…

私と蓮子は先ほどまで起こっていた状況にひどく混乱していた

訳が分からないまま講義室にテレポートされ、銃で脅され、最後には分からないまま連れていかれた研究員たちが倒れて最後には姿を消した


そしてカフェテラスに向かう道中の瑛士の表情である。

何かを思い詰めるような真剣な表情で一言も喋らなかった。

こんな表情の彼にさすがの蓮子も言葉が出てこない様子である。


私はそんな蓮子の隣でこんな事を思っていた。


研究員が瑛士に残した言葉…


「闇坂亨もとい神夜瑛士君」


彼の昔の名前だろうか。そして研究員の胸に刺繡されていたエンブレムマーク

気のせいでなければあの異空間でみた研究所のマークに酷似している。

少しずつではあるが何かしらの形が完成しつつある。

それはたぶん蓮子も同じだろう。


「少しいいか」

どれくらい時間が経ったか分からなくなったころ、瑛士はその重い口を開いた。

「お前たちはこの件の事をどこまで知っている」

「えっ」

「さっきまで気になってたんだよ。どうして二人が捕らえられていたのかを。本当ならお前たちはあの爆音は絶対に聞こえないはず。聞こえたって事はあいつらにとって二人も対象に入ることになるってことだろう。てことは何かあいつらについての情報を持っているって思ってな。」


どうやら全てお見通しのような口調だ。


だとすると私たちが経験したあれは…


どうやらこのことは正直に話した方が良いのではないかと思い始めた。

「蓮子…」

「たぶんメリーと同じ事を考えていると思う、私が説明するけどいい?」

私は頷く。

それを確認して蓮子は全てを話し始めた。


事の発端のこと

現場に行きそこで経験した異世界での出来事

その後にあの事件について調べ始めていたこと


その他にも今回の事に関連する出来事の全てを蓮子は語った。


全てを聞き終えた瑛士は複雑な表情を浮かべながらこう呟いた。

「なるほど…。そういう事だったのか…。うん、大体結論が出たよ」

そして瑛士は真剣な表情で語りあう。

「まず先に言っておく。これ以上あいつらについて調べるのはやめろ。これ以上行くとお前らが危険な目に合う、というよりもう遭ったばかりだろ」

「うん、本当に死ぬと思った」

「だから先に言っておく。この件にはもう関わるな。俺の起こした事のせいでお前達に死んでほしくはない…」

「じゃあ、あなたは…」

「もうはっきり言った方がいいな…」

決心がついたのか改まった顔をしてはっきりこう言った。


「お前たちが見たあの少年は、間違いなく俺だよ。かつて絶望の淵に堕ちて完全に悪に染まった闇坂亨の姿だよ」

「じゃあ、私たちを助けたのは」

「残念だけど、それに関しては覚えていない。知っていればきっとお前たち声をかけたはずだ。もしかしたら異世界で起こったことだけの事だと思う」


そうかもしれない。もしあれが本当の事だったとしたら間違いなく殺されていたかもしれない。あの姿をし闇に堕ちていた彼ならきっとそうするだろう。


あの異世界を出る時に見た彼の表情

あの安堵する感じ…


私はこのように考えた。

もしかしたら私たちが会ったのは今目の前にいる瑛士の姿だったのかもしれない

そしてこうして瑛士と出会ったのも偶然ではなく必然だったのかもしれない

たぶん私たちは知らないうちに彼の手の平の上に踊らされていたのかも…

そんな風に思える…、きっと蓮子のように頭脳派なのだろう。



「じゃあ、さっき言ってた私たちを探していたのってまさか」

「それは違う。むしろそれは起こってしまったからであって実際には理由はちゃんとある。詳しいことは言えないがな」

「それは私たちにも関係がある」

「あぁ。だからお前たちに一つ頼みがある」

すると瑛士は蓮子のほうを向きこう言った。


「俺をお前たちのサークルにいれてくれないか」


「えっ」

私は驚きのあまりに声が出てしまった

蓮子はというとその言葉に面食らっている。

「お前たちは不思議を暴いたりしてるんだろ。何だったらこっちにはネタがある。その気なら一緒にその謎を暴いてほしい。もちろん協力は惜しまないつもりだ。どうだ」


この発言は私がどうこう言える立場ではない。これは蓮子に権限がある。さすがの蓮子もバカみたいに無鉄砲じゃないはずだし、大体は彼女の選択は正しい方向に進むことは知っている。


「いいわよ、歓迎するわ。ようこそ秘封倶楽部へ」

きっとそう言うと思っていた。

「よろしく、瑛士」

私は笑顔で語りかけた。彼も軽く返事を返す。



そう、これが一時的ではあるが秘封倶楽部が三人になった瞬間だった。





しかし、私たち三人はまだ知らない


瑛士がいる世界、幻想郷で新たな異変の一端が起こり始めようとしていることに…



今回も小説を読んで頂きありがとうございました!

前編をあげてから二日経っての投稿ですw


後編で瑛士の過去の一部が分かって頂けたと思います。

そして秘封倶楽部と瑛士がついに共に行動することにもなります。

今後も三人の行動に注目してもらいたいですね


そして最後の文章を読んで分かるように次回は幻想郷に物語を移します。

瑛士がいなくなった霊夢たちはどうしているのでしょうか。


次回もゆっくり待っていただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ