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東方現創録  作者: RyoZ
第1章 秘密を暴く者
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第1章 第1話後編

この話は第1話前編の続きです。

読まれてない方は先に見ることをおすすめします。

「いやー、私も貴方を探していたんですよー。良かった良かった」

彼の言葉に反応したのは蓮子だった。

「さっきの講義にいた人でしょ。私の記憶の中には貴方に会ったことがないのよね。だから貴方のことを教えてくれない?」


初対面のしかも男子にこんな事を聞くなんて私には到底出来ない。

でもこの口調…。


大体蓮子がこの口調で話す時は何かを考えている…

彼から何かを感じたのだろうか…


すると目の前の学生はこう言った。

「いいぜ、その代わりだけど君たちのことを教えてくれないかい。」

「いいわよ」

「ちょっと蓮子」

勝手に話が進んでいく状況に私はストップをかけた。

「そんなことしていいの?もしものことがあったらどうするつもり」

「大丈夫だよ、彼は誰も言わないわよ」

「どうして分かるの」

「勘ってやつよ」

呆れた…

こうなってはもうどうしようもない、私は渋々頷いた。

「決まりね」

でもこれで彼の謎が分かる。さっき感じた違和感が消えるかもしれない。

「私は秘封倶楽部の会長、宇佐見蓮子。こっちは」

「マエリベリー・ハーンです。メリーと呼んでください。よろしくお願いします」

彼は頷いてこう答えた。

「蓮子にメリーか…、俺は神夜瑛士。よろしく。まぁ、座りなよ。」

勧められてようやく私たちは腰を下ろした。




座ってからしばらくは会話せず、お互いを観察するような感じだった。

やはり初対面だからだろう。

そんな状況が10分続いた。

その沈黙を破ったのは蓮子だった。しかもいきなり核心へと近づく話だった。

「貴方はここの学生?やっぱり見たことが無いから気になるのよね」

事実、私も神夜瑛士という名前の学生は聞いたことがない。稀に学生が集まる会があったりするがもし彼がいたら絶対に会っているはずである。

瑛士は苦笑いでこう言った。

「正直に言うとここの学生ではないよ、そもそも俺は別の目的でここに来たからね」

そして続けて

「あの講義で君たちを見つけて真っ先に感じたことは二人には何かしらの能力を持っていること」

私は驚いた。蓮子も同じような反応を見せる。

恐る恐る私は聞いてみた。

「何で知っているんですか?私たちは何も言っていないのに」

「それはそうだろうね。だって俺は他人が持っている能力を見抜くことが出来るからね」

「じゃあ全部…」

「そうだね。特にメリーの能力は非常に興味深い。俺の友人に近い能力をしているから」

私の能力に興味がある?

結界の境目が見える能力を持つ者が他にいるというの?

「じゃあ、あなたは何のために私たちを探していたんですか?」

そういうと瑛士は困った顔をしながら言った。

「別に言っても困ることはないけど…。君たちが今から話す事を信じるかどうか…」

「信じますよ」

真っ先に蓮子が答えた。

「私たちは秘密を暴くサークル「秘封倶楽部」だからね。不思議な事は何でも調べるし協力出来るなら出来る範囲で手伝うよ」

ここは話の流れで同意した方がいいだろう。

「私もです、だから教えてください。」

瑛士はほっとするような顔をした。わずかだが笑みも浮かべている。

「ありがとう。じゃあ早速話を


その時


ドーンという鈍い音が校舎の奥から聞こえた。

すると瑛士は先ほどまでの表情とは違う真剣な顔を浮かべていた。

「おい、今の爆発音のした場所って分かるか?」

「え、たぶん講義錬の校舎だと思うけど、どうしたの」

「そこに案内してくれないか」

瑛士の言葉から何かが起きたことが分かった。私たちは彼を案内する形で講義錬へ向けて走り出した。


現場についてすぐにおかしな事に気付いた。

誰一人として野次馬がいないこと

それどころかこの校舎自体に誰も人が入っていないことである。

この感じだと爆発音に気付いたのは私たちだけのようだ。

「蓮子、メリー。お前たちはここに残っておいてくれ」

「え、何で」

「危険だからだよ、俺たち以外がこれに気づいてないってことは誰かが俺たちを誘っている可能性がある。たぶん二人も対象に入ってる」

今の発言は真剣そのものであり私たちに危険な目にあってほしくないことが読み取れる。

彼の言葉に私たちは頷いた。

「分かったわ。待ってればいいのね」

「終わったらさっきの続き聞かせてね」


校舎に向かう彼に向かってそう言うと瑛士は振り返りこう言った。

「安心しろ、終わったら話すから、な」


私は笑顔で答えた瑛士の目を見ていた。そしてほんの一瞬だが見てしまった。


彼の瞳が燃えるような真紅の赤に変わる瞬間を…



今回も小説を見て頂きありがとうございました!

途中で前後編に変えて書きましたが楽しんで頂けたでしょうか?


ついに出会った蓮子とメリーと瑛士

そして早速起こった異変

是非次回をお楽しみください。初の戦闘シーンも書くので次回の投稿に時間がかかるかもしれませんので待っていただければ嬉しいです。


暦では今日から春です。早く暖かくなってほしいと思う私です。

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