第2章 第3話
一方、瑛士に待機を告げられた蓮子とメリーは瑛士の家で待機することになった。
確かに瑛士が言っていたように生活に必要なものが揃えてある。ひとまず安心は出来たものの二人にはいくつかの疑問が生まれた。
まずここはどこなのか。瑛士にはなじみ深くさらに家がここにあるということは彼はここで生活しているのだろうか…。だとすると、瑛士はいったい何者だろうか。メリーの頭の中はすでに混乱している。今の状況についていけないのと同時に元いた場所に帰れるかという不安。なんとかそれを抑えて状況を見ている。そんな感じだ。
それとは対照的に蓮子はかなり落ち着いている。それどころか勝手にお茶を作り、メリーのところへ持ってきているのだから。
「どうしてそんなに冷静でいられるのかしら」
「え、どうして?」蓮子は不思議そうに聞き返した。
「今の状況が分からないのに、不安に思ったりしないの?」
「確かに不安がないと言えば嘘になるけどね。でも瑛士が何とかしてくれる。そうでしょ」
蓮子は笑っていた。
確かに今の状況を解決できるのは瑛士しかいない。
「そうね、今は彼を信じるしかなさそうね」
「もしかして信じてない?」
「今の状況で瑛士君がどういう人なのか分からなくなってきているのも事実よ。彼が帰ってきて落ち着いたら聞いてみる?」
「そうね。うやむやな状態じゃなんか嫌だしね」
蓮子も賛同した。今後の方針も定まった時、外の方から足音が聞こえてきた。
二人は窓からその様子を窺う。すると誰かが走って森の奥へと入っていった。白髪に服装が白のワンピースに黒の羽織を被っている。
彼女は疲弊したように息も絶え絶えに走っているのが分かった。誰かに逃げているような様子で…。
「今の子誰だろう。何かに逃げてるみたいだけど」
「追ったらダメよ蓮子。確かに私も気になるけど状況が状況だし動かないのがいいわ」
蓮子も渋々同意した。
しかし、ここで蓮子に異変が起こり始める
「蓮子…、あなた…目が…」
「え、どうしたの」
蓮子は気づいていない。その目は赤く染まっていた。
それと突然、蓮子は目を抑え、しゃがみこんでしまった。
「ちょっと、大丈夫なの蓮子!!」
「うわぁーーーー!!!」
いきなり蓮子は叫び始めた。もうメリーの声が聞こえないのかずっと叫んでいる。
落ち着かせようと蓮子に寄り添おうとした時、蓮子は床に倒れこんでしまった。しかし彼女は息をしているが何かに憑かれている。そんな印象を受けた。
メリーはもうどうにかなりそうだった。蓮子が倒れてしまい、支えがなくなった彼女は平静ではいられない。
するとドアが開き瑛士が戻ってきた。
しかし、この状況に瑛士は驚愕した。
「もしかして、蓮子も…」
瑛士はそう呟くのをメリーは聞いていた。
今回も読んで頂きありがとうございました!
今回読んでる皆さんにはいきなりの展開に驚いてる方もいるでしょう。
まあ、この流れは考えてやっています。蓮子さんには頑張ってもらう予定です。
とまあ、蓮子の突然の異変はどうして起こったのか、それは勘のいい人には分かるかもしれませんね。
次回明らかになりますよ。
それとたぶん次回は第2章最後だと思います。
それでは次回までゆっくり待っていただければ幸いです。