第2章 第1話後編
「いったい何なのよ、あいつ」
霊夢と魔理沙は困惑していた
少女が放つその冷気に圧倒されていた。いくら弾幕を放っても少女の前で凍って砕けてしまう。霊夢たちが着いて攻撃した時から少女は一歩も動いていない。
こんな状況の中、不安そうに魔理沙は口を開いた
「霊夢。こいつ私たちで倒せるのか?ここはいったん引くって手も…」
「何言ってるの、そういう訳にもいかないでしょ!!」
霊夢はこの状況もそうだが、魔理沙の発言で耐えられなくなったのか怒りを露わにする。
「逃げるわけにはいかないでしょ!今はあいつがいないの。だから私たちがここを守らなくてどうするのよ!」
そう、瑛士が外の世界に行く前に一度霊夢と話をしていた。
その時に瑛士は霊夢にこの言葉を残していた
「俺がいない間はお前が幻想郷を守ってくれよ。まぁ、俺が言わなくても分かってるとは思うけどね」
そんな事言われなくてもと霊夢はその時言い返したが、思えばこれが当たり前であって瑛士は関わらなくてもいい。私たちがするべきと。
瑛士が幻想郷の住人になったとしても私がやることは変わらない。
霊夢はかつて瑛士が着けていたネックレスを強く握りしめる
「あいつがいなくたってここは守らないといけないのよ。いいから関わったからにはあんたも手伝いなさいよ!」
「わ、分かった。そうだよな。私らしくないぜ」
魔理沙は霊夢の言葉に目が覚めたのか、真剣な顔つきに戻った。
「さぁ、行くわよ!」「おう!」
二人は改めて戦闘を再開する。
今ので少女には遠距離は効かない事は分かったので、霊夢は近接、魔理沙は後方から牽制攻撃に切り替えた。つまり、魔理沙の弾幕を凍らせる隙をついて叩くという戦法だ。
始めこそは不意を打ち攻撃を当てられたが、そう簡単に上手くいくはずがなく、膠着状態が続く。
さて、どうしたものかと考え始めたその時だった。
「霊夢!魔理沙!」
突然の大声に驚いた二人は振り返るとそこには、瑛士と文だった。
「あいつが持っている本を叩け!それを消せばあいつの暴走は収まるはずだ!」
霊夢は少女の行動に疑問に思った。それは少女が逃げるように攻撃を避けているということ。
右手に本を持っていることから、それを守るためなのかもしれない。
瑛士の言葉に焦ったかのか、少女はこちらに向けて弾幕を打とうとした時
「おっと。少しタイミングが遅すぎましたね~。私の速さをなめないでくださいよ」
文がすぐ目の前に立ち、カメラのシャッターを切る。フラッシュで目が眩んだ隙に文は風を起こし、本を吹き飛ばす。
慌てて取りに行くところに霊夢の鋭い蹴りが少女を吹き飛ばし、ダメ押しで瑛士は蹴りで本を空中にあげた
「あとは任せたぞ、魔理沙!」
「言われなくても分かってるぜ!」
魔理沙は八卦楼を手に準備は万端の様だった。
「マスターーースパーーーーーーク!!!」
落ち始めた本は魔理沙のスペルで消し炭となり跡形もなくなっていた。
少女はその本を消されたのか、大人しくなった。
「さぁ、観念するのね」
霊夢が近づこうとした瞬間だった。
「た、たすけて」
「え?」
「私を…たすけて…」
初めて少女が口を開いた言葉が救いを求めるものだったことに、霊夢は困惑していると、後ろから声が聞こえた。
「結希?」
瑛士の表情は驚きで満ちていた。
信じられない、そんな風に感じた。
今回も読んで頂きありがとうございました!
今回は戦闘シーンを中心になりましたが、いかがでしょうかw
なかなか上手くいかないところもありましたが、これから戦闘シーンはありますので成長できればと思います。
そして最後に「結希」と出ましたが、瑛士と何か関係があるのか。それは次回以降に明らかになるのでお楽しみに(宣伝乙)
それでは、次回までゆっくり待っていただければ幸いです。