GOOD BY MEMORY
朝日が昇る頃に目を覚ますと、お前が隣にいる。
そんな繰り返しを、今ではとても懐かしく思うよ。
1月、元旦、 二人で願いを叶えに行った。
2月、節分、 鬼を打つぞ!と豆撒き数回。
3月、花見、 花なんかより、断然お前で。
4月、誕生、 お前の生まれた日があって。
5月、GW、 二人で初めて旅をしたよな。
6月、梅雨、 気分も滅入る長雨の所為で。
7月、七夕、 天に祈るぞ!俺等の願いを。
8月、猛暑、 暑い日々をも忘れる青い海。
9月、残暑、 涼しいけれど、俺等は熱く。
10月、紅葉、 葉と一緒にお前も染まる。
11月、一応、 俺の生まれた日があって。
12月、Xmas、 雪が降っていた二人の夜。
どんな時でも心の中にはお前がいて、今ここで隣にいないことがとても不快に感じるよ。
どこかの街で見たお前は、俺が知っている姿なんかより、ずっと綺麗になっていた。
果たして、俺の知っているお前が本当なのか、俺の知らないお前が本当なのかはわからない。
だけど、“恋をするほど女は綺麗になる”っていうし、実際にその通りかもしれない。
そうなんだ。 俺は確かにお前を愛していたし、お前も俺を愛していた。
けれど、今はお互いに違う誰かを愛し、違う道を進んでいる。
だけど、それでも忘れられないんだ。
お前じゃなきゃ、ダメなんだ。 お前だけを、愛してる。
好きで?嫌いで?愛してる? いいや、大好き、心から。
お前と過ごした記憶さえなければ、こんなにも辛くはないのにな。
けれど、絶対に忘れたくない。 俺はお前を愛しているから。
だから、せめて幸せになれよ。 何もできない、俺の分まで。
今は一人、会いたい気持ちを抑えていられるから、
涙の意味も忘れて、 お前の幸せだけを願うから、
どうか、お前のことを少しだけでいい、 想わせてくれないか?
そうすれば、多分お前を愛さないで済むから。
今を過去に戻すから、少しだけでも過去を今に―――。
大好きだったお前のために、俺はお前に全てを捧げる。
それは、女だからじゃなく、たった一つの存在だから。
俺のたった一つだけの宝物―――。
昔も今も変わらずに、 ずっとずっと愛していたよ。
多分きっと、これからも、 何かをすればお前を想う。
それは、二人で過ごした記憶。 今は、悲しい一つの追憶。
さよなら恋よ、 さよなら愛よ。 ほんとにほんとに、ありがとう。
儚い出会い、 嬉しい涙、 終わりの恋と、 始まりの鐘。
それは、俺等を紡ぎ逢わせて―――。
二人で過ごした記憶と共に、俺の全ては過去に眠る―――。




