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第五章 報酬なき結末


翌朝、

レインはギルドにいた。


掲示板の前は、

いつもと同じ騒がしさだ。


誰も、

昨夜の出来事を知らない。


「薬草採取、どうでした?」


マルコが、

書類をめくりながら聞く。


「……採れませんでした」


一瞬だけ、

ペンが止まる。


「失敗、ですね」


淡々とした声。


責めるでも、

驚くでもない。


「期限切れです。

 報酬は出ません」


それで終わりだった。


レインは頷き、

木札を返す。


冒険者として、

何も成していない。


それが、

事実だった。


ギルドを出ると、

街の外がざわついていた。


「水が、

 増えてないか?」


「畑の土が、

 黒くなってる」


誰も理由を知らない。


ロウグ平原では、

小さな変化が

確かに始まっていた。


だが、

それをレインが

語ることはない。


彼は、

何もしていないのだから。


夕暮れ、

例の場所を遠くから見る。


薬草は、

変わらずそこにある。


ただ、

周囲の草が

少しだけ伸びていた。


それを見て、

レインは踵を返す。


名も、

称賛も、

報酬もない。


それでいい。


世界は、

今日も静かだ。


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