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32.泉龍の無垢なる娘たち ◆★

31話「俺はお前を殴らなくちゃいけねえ」の別視点

 使命の旅の行き着く先は、私の予想を遥かに超えるものとなった。


 導きに従い、魔樹を滅ぼして終わり――そんな結末を、私はどこかで信じていた。

 だが女神の御力を借りた行いは人の耳目を集め、救いを求める者が私の背に連なった。

 見捨てられなかった。


 救いを分かち合えるかを、あの御方に試されているのだと感じた。


 女神の元へ帰るまでには、多くの時間を要し、その間に私の知らぬところで状況は大きく変化していた。


 あの御方の住まう森に辿り着いた時、それを目の当たりにした。

 森の入り口は人の手で切り拓かれ、村が生まれ、森の奥へと続く道が出来ていた。


 そこに集う人々が女神の御名を唱え、祈り、敬っているという事実は私にとって衝撃だった。

 いずれそのような日が来るとは思っていた。だが、あまりにも早過ぎる。 


 私とは別に、女神の存在と御名を広めている者がいる。

 そうでなければ説明が付かない。


 開拓を主導した者は、商人ペッシヌス。

 対面して油断ならない男だとすぐに理解した。


 彼は私を女神イズミールの代行者、聖者だと讃えた。

 女神の慈悲深さ、奇跡の御業を讃えた。


 言葉や態度はすべて正しい形をしていて、だからこそ、裏側の意図が透けてみえる。

 正しさを武器にして、こちらの首に縄を掛ける手管だ。

 正しさを盾にして、女神イズミールの名を“手段”にしようとしている。

 利用する、という言葉を選ぶことすら、私の中では不敬だ。


 彼の目は、人も物も、女神さえも秤に載せる。

 黄金と錘の重さで、こちらの価値を測る目だ。

 神秘への畏れが皆無ではない。だが畏れすらも、最後には値札へと畳み込む。


 だが、それでも――彼が築いたこの開拓村の人々の信仰は、嘘に見えなかった。


 泥の匂い、汗の匂い、切り拓いた木の樹液の匂い。

 暮らしが立ち上がっていく匂いの中に、祈りの声が混じっている。

 飾り立てられた物語によって作られた熱狂――その可能性もある。


 だが、そこには救いを求める心が確かにあり、祈りへと収束している。

 泉を穢さないという規律を、畏怖と崇敬、誠実さによって保っている。


 神秘の泉に近付こうとする行いが、女神の御心に沿うものであるならば、私が裁くべきではない。


 黄金の種が、ペッシヌスの掌中にあることも同じだ。

 女神が授けたのだと彼は言った。真偽を測る術はない。

 女神の御心と御業は、私の理解の外にある。

 恩寵。試練。慈悲。警句。何を意味するものか。

 また、その対象も、あの男か、私か、それとも――人全体なのか。


 ペッシヌスは私に言った。


「私はオルセイスの出だ」と。


 その名は、私の臓腑を掴んで揺さぶった。

 燃え落ちた城壁と旗。崩れた門。父から託された言葉。

 黒禍に呑まれた叫び。救えなかった者たち。生き残ったことの恥。

 私が背負うべき重みを、彼は言葉一つで私に突き付けてきた。


 あれは怨嗟か、試しの一手か。

 いずれにせよ、その名は鎖になると彼は知っている――そう感じた。


 私は拒めなかった。


 拒めば、同郷の生き残りを切り捨てることになる。

 拒めば、この村の真摯な祈りを踏みつけることになる。

 拒めば、御方の導きを否定することになる――そう思ってしまう時点で、既に縛られている証拠だった。


※※※※※


 私は村に留まり、女神の名を口にし、祈りの仕方を示し、問われるままに答えた。


 大工たち――祠を建てた者たちは、特に熱心だった。

 祠を建てた折に、あの御方の奇跡に触れたのだと言う。

 村に根付いている規律は、彼らの崇敬が伝播したものだった。


 畏れ多くも女神の代行者、聖者などと称されているが、私も一介の奇跡の体験者に過ぎない。

 同じ体験者である彼らとの語らいは有意義だった。


 彼らは私に女神の御心を問うた。

 如何なる御業を為されるかを問うた。

 如何なる救いをお与えになるかを問うた。


 私に答えられることは多くはない。

 だからこそ、一つずつ、言葉を選んで伝えた。


 言葉には限りがある。そして、心に生じた熱は時に言葉を飛び越えて人を走らせる。

 人は、救いを信じるほど、救いに急ぐ。

 行く先に光明が見えた時こそ、道を踏み誤ることに気を付けなければいけない。


 私は思い出していた。

 旅の道すがら、"深淵殺し"たちの視線が変わっていったことを。

 黒い筋が皮膚の奥で脈打つ者たちが、瓶に向かって額を垂れたあの夜を。

 あの者たちは、私が救われた瞬間を見ていない。

 それでも、私の身体から黒が薄れた事実を見ている。

 彼らの中で、既に“救い”は現実になってしまった。


 現実に存在する”救い”は、渇きを呼ぶ。妬みを呼ぶ。

 救われていない自分の不運を自覚させる。


 私は彼らに約束をしていた。

 泉へ導き、御方の裁定を仰ぐことを。その約束は果たさねばならなかった。


※※※※※


 "深淵殺し"たちを伴って泉へ向かうとき、私は彼らに武器を取り上げなかった。

 聖地に赴くには不遜で礼を失した行いだと思う。


 私が救いを得たとき、斧も浄化され、私は"深淵殺し"ではなくなった。

 その私が、彼らに「置いていけ」と言えるはずがない。

 あれは"深淵殺し"にとってただの道具ではなく、深淵に立つ覚悟と恐れの根源なのだ。


 私は彼らに規律を説いた。


 救いを求めるあまり、我を忘れて祈りを乱すな、と。

 与えられることを当然だなどと思うべきではない。

 応えが得られずとも、その沈黙が拒絶とは限らないのだと。


 彼らに語りながら、私は気づいていた。これは自身への戒めだ。


 私とて確信はないのだ。御方が彼らに浄化を授けられるかどうか。

 私に授けられた慈悲が、ただ一度の奇跡だったのではないかという恐れ。

 もしそうなら、私はただの偶然で救われただけで、彼らを希望に誘ってしまったことになる。


 それでも縋るしかなかった。

 縋るしかない自分の不甲斐なさが、顎の奥を痛ませ、顔に強張りを持たせる。


 森を抜けて、泉に近づいたとき、私は足を止めた。


 空気が、以前とは違う。


 泉が明らかに広がっている。

 話には聞いていたが、目で見て実感が追い付いてくる。


 泉は世界に根を張るように広がっていた。

 溢れ出した水は、大地や草木をただ呑み込んだのではなく、森と一つになっている。

 清浄な水の匂いが森の中に満ちていた。


 あの御方の御傍に戻ってきたことを実感させ、背筋が伸びる。


 畔には、小さな社が立っていた。

 ペッシヌスが建てさせたものだと言うが、その佇まいは華美ではなかった。

 石も金も飾りもない。木の肌と、屋根の線には慎みがある。

 この場を乱すことのない、相応しいものだと思えた。


 だが、社の中の祭壇に供えられたものを見て、私は内心で眉をひそめた。


 華美な皿に山のように盛り付けられた、プルヌスの実。

 赤く、黒く、熟れた果実が、皿の上で声高に存在を主張していた。


 私は、その飾り立て、見せつけるような様に警戒心を抱いた。

 私が供えたプルヌスの実の種が黄金に転じたことは、口外していない。


 ――だからこそ、あの男の嗅覚が怖かった。

 あれもまた女神の示された奇跡に他ならないが、あれは人を欲望に駆り立てさせかねない。


 私は、その供物がペッシヌスの手によるものだと察した。

 あの男は、黄金の種が女神の御業だと気付いたのだろう。

 そして、その奇跡の再臨を”要求”しているのだ。


 なんと恐れ多く浅ましい――そう思う一方で、自覚させられたことがある。


 かつて、自分が得た救いと同じ奇跡の再臨を求めに来たのは誰だ?

 "深淵殺し"たちへの救いを得るため、女神の慈悲に縋るしかない者は誰だ?


 あの供物から発せられる我欲の臭気は、私の内側にある醜さと変わらない。

 私は己を恥じるしかなく、社から視線を逸らした。


※※※※※


 自省から決意へ、私は心の内を整えて泉へ向かった。


 畔に膝をつき、まず、銀の斧を置いた。刃を己の方に向ける。

 次に泉の水で満たされた瓶を置く。


 私はこれらを、お返しするために戻ってきたのだ。


 この”一瓶の泉”は、紛れもなく私と御方を繋ぐ線だった。

 御名を唱え、祈りを捧げれば、黒禍を浄化し、魔樹を断ち、深淵を退ける加護を与えてくださった。

 それ以上に、あの御方が私の祈りに応えてくださるという事実が、私の胸を熱くした。


 この繋がりを自分だけのものにしたいという欲望が私の中には確かにある。

 誰にも渡したくない、お返ししたくないと――そう、思ってしまっていた。


 私はその妄執を断ちたかった。

 私の妄執があの御方を穢すなどあってはならない。


 慈悲深きあの御方は、これから多くの者をお救いになるだろう。

 私もまた、数多の縋る者たちの一人にすぎない。


 だからお返しする。

 瓶も、斧も、名の繋がりも、私だけのものではないと自分に刻むために。


 額を土に近づけ、祈り、旅路を語る。


 魔樹を討ったこと。

 道すがら救いを求める者を救ったこと。

 そして、ここに多くの者が集まりつつあること。

 御名が広まり、伝説になろうとしていること。


 祈りの言葉は通じなくても、心は届くと信じた。


 顔を上げたときも、泉は沈黙していた。

 水面は鏡のように静かで、女神はお姿をお見せにならない。

 だが、そよ風に波打たない鏡の水面こそが、あの御方がおられることを確信させてくれる。


 私は、"深淵殺し"たちを振り返り、手で示した。

 彼らは武器を置き、跪いたまま、頭を垂れている。彼らには沈黙の祈りを課した。

 言葉にすれば、救いが欲しいという渇きは増すものだから。


 私は泉に向き直り、ただ願った。

 この者たちにもどうか御慈悲を――


 私と同じように、黒を薄める力を。


 鏡のような水面が陽光を浴びて輝いている。

 あの御方は姿を現さず、静寂を保っている。


 これは試されているのだ、と私は理解した。


 敬虔な者であっても、奇跡を求めるあまり暴走する。

 救いの場を奪い合い、線を破り、踏み荒らす。

 深淵に身を浸し、いずれ獣と成り果てる道を選んだものが、人に戻れるか。

 それを見極めんとされているのではないか。


 私は待った。


 "深淵殺し"たちも待った。


 森の音が増幅されたように大きくなる。風が枝を鳴らす。

 遠くで鳥が一声だけ鳴く。どこかで木を叩く一定の音が響く。

 膝の感覚が薄れていく。土の冷たさが骨身に染みる。


 だが、不思議と焦りは感じない。

 鏡の水面は、一切の濁りも乱れもなく、私たちを映し出している。

 そこにあの穏やかな微笑みがあるように感じられた。


 この清浄な空間の中に、黒の穢れを帯びた自分たちが留まることを赦されている。

 人であって人でないものとされた我々には、それ自体が既に救いと言えた。


※※※※※


 私たちはその時を待ち続けた。


 ――そして、裁定が下った。


 私の目の前で、鏡の水面がふわりと膨らんだ。


 花の蕾のような清い水の膨らみが、開いて、形を変え、幼子のような形を取る。


 透き通った水からなる小さな身体、長い髪の流れ、角のようなもの、耳の縁のひれ。

 そして、その顔立ちにも御方の面影を感じさせる。


 水面から幾人もの幼子が現れ、生まれてくる。

 幼子たちは自身の手足を確かめるように動かし、水面で跳ね、舞い、踊った。

 思い思いに動くその所作には、無邪気さと活発さが伺える。


挿絵(By みてみん)


 息が止まった。


 ペッシヌスが言っていた。自分が救われた時に、水の神兵が現れた、と。

 だが、この幼子たちは武器を備えた兵ではない。無垢な存在だ。


 精霊。眷属。分身。


 解釈を立てようとする間も、幼子は増えていく。


 水面から、ぽん、ぽん、と――湧き上がるように。

 数が増えるたび、泉が一瞬だけ光を含んだ気がした。

 幼子たちはふわりと浮き上がって、こちらを向いて微笑みを浮かべている。


 "深淵殺し"たちが身を強張らせた。武器に手を伸ばす者はいない。

 黒禍と神秘、魔法は相反するものだ。

 "深淵殺し"となった者は、それらを頼らず、遠ざける。

 しかし、神秘への憧れや畏怖を失くしきってはいない。

 だからこそ、今、この場にやってきたのだ。


 幼子たちは宙を舞い、彼ら一人一人の前にやって来ると、その黒髪に触れた。

 

 それは抱擁だった。


 細く短い腕が、黒い髪と肌に回される。

 小さな身体をいっぱいに使って、幼子たちは”深淵殺し”を抱きしめた。


 水が、黒に触れた。

 触れた瞬間、肌で脈打つ黒い筋が揺らいだ。

 油膜が水に溶けるように、すっと薄れていく。

 硬質化した鱗や角が、黒い穢れを滲ませながらほどけ、輪郭がゆっくり人へ戻っていく。


 彼らの口から呻き声が漏れた。私はあの感覚を知っている。

 自分の中に巣食っている”間違い”を正されていく感覚。

 救いの実感を彼らは体感しているはずだ。


 幼子たちの身体が、取り込んだ黒で濁っていく。

 角が、手足が崩れ、形を失くして水の塊へと還っていく。

 濁りは徐々に薄れていき、水は再び透明になるが形は戻らない。


 抱擁し、浄化し、水へと還る。

 奇跡の工程が、目の前で繰り返される。


 私は感嘆し、同時に恐ろしくなった。


 あの幼子たちに大事ないのか。

 黒禍は毒だ。深淵の穢れだ。

 それをあの小さな身で抱えて――水へ還る。あれは死ではないのか。


 オルセイスのあの泉が黒い澱みと化した悪夢が蘇る。


 だが、私の心配をよそに、幼子たちが溶けた後の水は、地面に零れても土に染み込まない。

 生き物のように地面を滑り、畔を伝って泉へと還っていった。

 自然の水の流れ方ではない。帰るべき場所を知っている動きをしていた。


 形を失くしても死んだわけではないのだ。

 その光景に、胸の奥が痛んだ。


 あの御方のもたらす救いは、何故こんなにも優しい形をしているのか。


※※※※※


 そのとき、視線を感じた。

 幼子のうち一人だけ、"深淵殺し"たちのもとへ向かわずに高みに控えていた。


 まるで、自分の同胞たちが役目を果たすのを見守るように。

 救いが行き渡ったかを見届けるように。


 その眼差しには御方の面影をより感じさせた。

 だが、どこか……悪戯の前の幼子のような、弾む気配がある。


 次の瞬間、その幼子が勢いよくこちらへ向かって飛んできた。


 避けるのは容易い。受け止めるべきだ。

 御方の差し向けたものに、背を向けるなど許されない。


 しかし私には不安があった。私もまた、この身に穢れを残している。

 もし触れれば、あの幼子もまた黒を取り込み、水へ還ってしまうのではないか。


 私のせいで、この幼子が――そんな想像が喉を締めた。


 迷った。その一瞬が、間に合わなかった。

 幼子は全身で私の顔にぶつかってきた。


挿絵(By みてみん)


 "深淵殺し"たちへの優しい抱擁とは異なり、じゃれる仔猫のような本能的な行為に見えた。

 衝撃は確かにあった。冷たく、清浄で、潤いを与えてくる。痛みはまるでない。


 幼子は私の顔でぱしゃり、と弾けて、水に戻った。

 その水には濁りが生じることもなく、水は地面を伝い、泉へ還っていった。

 何事もなかったように。自分の家に帰るように。


 私は立ち尽くした。


 今のはどう解釈すべきだ。


 体当たり。攻撃。制裁。そういう言葉が一瞬だけ頭をよぎる。

 そんな言葉がよぎった自分が恥ずかしい。

 あの御方が、そのような粗暴で短絡的な振る舞いをされるとは思えない。


 では、あの幼子の戯れか。

 ほかの幼子たちは浄化の役目を果たすために現れたように見える。


 あの一人だけが、その役目を持っていなかった?

 同胞たちの役目を見届けるためのまとめ役だったのか?


 では、なぜ私にあのような戯れを――


 女神の配下――

 眷属ならば、ペッシヌスの言っていた神兵のような規律があるだろう。


 女神の分け身――

 あの御方があのような無邪気で衝動的な振る舞いをされるはずがない。


 あの面影、あの無邪気さ。

 あの幼子たちは女神の御子(みこ)様なのではないか?

 幼くとも龍の徴を備え、浄化の力を持っておられた。


 女神イズミール、泉の龍の娘たち――ああ、なんということだ。


 私は奇妙な胸の高鳴りと痛みを同時に覚えた。

 それが如何なる感情から生じたものか、真実は何かの答えは出ない。


 堂々巡りの思考の渦の中で、私は"深淵殺し"たちを振り返った。


 彼らは泣いていた。感涙に咽び、肩を震わせ、土に額を擦り付けている。

 歓喜の叫びと噎び泣きが森に響いた。

 死を近しいものとして声を押し殺し、息を潜めて過ごしてきた者たちが、声をあげている。 


 黒い筋が薄れた者がいる。角が小さくなった者がいる。

 嘴の輪郭が人の形へ戻りかけた者がいる。傍らにある浸蝕された武器も黒禍が薄れている。

 もたらされたのは完全な救いではない。だが、戻り始めた。


 救いが、彼らの中で確かなものとして根付いた。


 これで良かったのだ。


 私はそう言い聞かせるしかなかった。


 そして同時に、胸の奥に冷たい予感が生まれた。


 この奇跡の再現は、神話と共に御名を世界に轟かせることになる。

 女神イズミールという新たな救い主の名の広がりは、もう止まらない。


 祈りは増える。噂は膨らむ。人は集まる。

 集まれば、欲も生まれる。欲のあるところでは争いも起こる。

 救いの場は、救いを巡る戦場になりかねない。


 この神話の行きつく先がどこなのか、見えない。


 だが一つだけ、心に決めたものがある。


 たとえどのような形になろうとも。


 私は御方のために――そして、あの御子様たちのために。

 この身命を賭して立たねばならない。


 あの泉に救われた瞬間から、私はもう、選んでしまっている。

   挿絵(By みてみん)

<TIPS>

「泉の幼龍」

 千年、二千年と時を重ねた霊場では、人や獣の姿に似た

 精霊がその姿を見せることが稀にあると伝えられている。


 だが、女神イズミールの住まう泉では、水の身体を持つ

 神兵や鳥、獣の姿が数多く目撃されたという。

 なかでも特筆すべき存在として語られるのが、龍の徴を

 備えた幼子たちだ。


 彼女たちは”龍の女神の御子”とされ、浄化の担い手でもある。

 その姿は愛くるしく稚いが、決して軽んじてはならない。

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― 新着の感想 ―
ちょっとしたズレというか誤解があれど、互いに大工さんを評価しているのが良いねえ!
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