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初めてできた彼女をNTRされた。その後普通に生きてただけなのにざまぁが成立した。  作者: 猫野 ジム


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第28話 ドーピングして全力疾走する

 スキルが進化するとどうなるか? 例えば威力が強力になったり、見た目が派手になったり、効果範囲が広がったり、追加効果が発動するようになったり。


 そんなことを思い浮かべがちだが、体力や魔力の消費量が減るというのも地味ながらめちゃくちゃ助かる。もし消費量ゼロなんてことになったらチートスキルの完成だ。


(よし、もう一台作るか!)


 スキルが進化したおかげで、一晩で二台のマジックレコーダーを作ることができた。



 そして翌日になり出勤すると、すでにラインゴットさんが品出しを始めていたのであいさつを交わす。


「ラインゴットさん、今日も持ってきましたよ」


「ありがとな! ……って、二台もあるじゃないか! こんなに作って体力は大丈夫なのか? レアスキルともなれば相当キツそうだが」


「それがですね、どうやら映像記録のスキルが進化したみたいで。効果が追加されたりとかじゃないんですけど、進化前よりも体力の消費量が少なくなったみたいです」


「レアスキルが進化って、おいおいマジかよ。なぁキョウマ、こんなとこで働いてていいのか? 俺が言うのもなんだがキョウマにはもっとデカい活躍の場が待ってると思うぞ」


「もとより俺は自分から率先して何かをするタイプじゃないんです。自分が中心になって活躍することよりも、俺がサポートをすることで誰かの役に立てたらいいなと思ってます」


「だけどキョウマには将来の目標があるんだろ? 前に話してくれたよな」


「はい。最終的にはそこを目指すことになりますけど、ここはもう俺にとってなくてはならない居場所になってるんです。だから俺でよければぜひ協力させてください」


 俺がそう言うとラインゴットさんは、「よーし、言ったな! たっぷり働いてもらうぜ!」と大げさに言ってみせた。

 だけどそれが照れ隠しであることが分かるくらいには、俺が今の生活になじんでいるということだろう。


「なぁキョウマ。ちょっと提案があるんだが」


「何でしょうか?」


「今日は俺がレジを担当するから、キョウマは誰か怪しい動きをしてないか見張っててくれないか? もちろんマジックレコーダーも売り場全体を記録する設定にして起動させておく」


「分かりました。もし俺が怪しい動きをしてる人を見つけたらどうしましょうか?」


「商品を盗んだことがハッキリ確認できた場合はその人に声をかけてもらっていい」


「分かりました」


 まさに万引きGメン俺の誕生である。でも俺、店員だから顔を知られてると思うんだけど。



 そしてこの日から俺とラインゴットさんによる店内の巡回と、閉店後にマジックレコーダーの記録映像を確認するというルーティンが始まった。


 そして一週間後、ついに事態が動く。


 このまま何事も起こらないならそのほうがいいと思いつつ、閉店後いつものように映像を確認していた時のことだ。


「ラインゴットさん、今の……!」


「ああ、キョウマも気が付いたか。さっき怪しい動きを見せた奴が映ってたな」


 確認のため巻き戻してみるが、やはり間違いない。フード付きのローブをまとった人物が魔力回復ポーションを手に取り、そのまま動かない。


 それだけなら単純に買おうかどうか迷ってるだけだとも理解できる。

 それにフード付きのローブは魔法使いの最も一般的な服装で、それを疑い始めればキリがない。


 しかし問題はその後。その人物は商品をローブの中に隠し、そのまま店を出て行ってしまった。それはもう完全に窃盗の瞬間だった。


「くそっ……! やはり巡回が一人だとどうしても死角ができてしまう!」


「そうですね……。でもこれは動かぬ証拠ですよ!」


「ああ、そうだな……! いいだろう、大きな痛手だが魔力ポーションの一つくらい授業料としてアイツにくれてやる。その代わり次に同じことしたら許さねえからな」


「俺もですよ。明日からとりあえず同じような服装の人物をマークしてみます」



 そして翌日になり、開店前の売り場でラインゴットさんと打ち合わせをすることに。


「まずはキョウマにこれを渡しておこう」


 そう言って手渡されたのは、一時的に移動速度がアップする液体が入った小瓶。


「もし声かけして逃げられたらそれを使ってくれ。犯人が本当に魔法使いだったら魔法で逃げられるかもしれないからな。店のことは気にしなくていいから」


「分かりました」


 そして開店時間になり、ほどなくして店内が徐々に賑わい始める。相変わらず客の入りは良好だ。


 そんな中、本当にやって来るとは正直思ってなかった。犯人は現場に戻るというが、成功体験から味を占めたのか、映像に映っていたと思われる人物が姿を現したのだ。


 俺は当然マークする。するとその人物は少しウロウロした後、またもや本当に商品をローブの中に隠し、そのまま入り口へ向かったのだ。


(これはもう間違いないだろう)


 そう考えた俺はその人物に声をかけることに。


「すみません、何かお忘れではないですか? 私の見間違いじゃなければ、それレジを通していないと思うんです」


 するとその人物はいきなり外へ走り出した。俺はすかさず追いかける。


(くそっ、なんだあの速さは……!)


 ラインゴットさんの読みは的中した。俺は急いで小瓶の中身を飲み干し、奴を追いかける。


 いったいどのくらいの距離なのかは分からない。夢中で追いかけていくうちに、いつしか街中のはずれにある人通りのない場所に来ていた。


 そこには無数の建物が並んでいるが、半分廃墟のようで生活感というものが感じられない。

 そして奴はそこに並ぶ建物の中へと消えて行った。


(これは……出番か?)


 あれからも毎晩マジックレコーダーを作っていると、さらに【映像記録】のスキルが進化したんだ。……地味だけど。

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