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初めてできた彼女をNTRされた。その後普通に生きてただけなのにざまぁが成立した。  作者: 猫野 ジム


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第21話 いずれざまぁされる者達は険悪になる

 キョウマが国選パーティー達と探索をしている頃、ミリーとライネスはとある街の冒険者ギルドに来ていた。そこは()しくもキョウマがまさに今、依頼を受けているギルド。つまりラインゴットの店がある街だ。


「さてと……今日は何をしてやろうか」


 多くの冒険者に紛れて、依頼掲示板の前でライネスがそう言葉を漏らした。


「見てライネス、緊急の依頼が出てるわよ。この近くで新しいダンジョンが発見されたんだって」


「あぁ? やめとけ。そんなもん受ける意味がねえ」


「そうなの?」


「未探索やまだ探索が不十分なダンジョンはギルド職員パーティーを含めた大人数で探索することになってんだ。場合によっては国選パーティーが派遣されることだってある」


「そうよね、確か十分な安全が確保できないからって理由よね」


「まあな。だから一般冒険者が自由に動き回ることはできない。これが何を意味するか分かるか?」


「さぁ? 常に監視されてるみたいで落ち着かないとか?」


「まぁ半分正解だ。例えばそこに宝箱があったとして、その中身がレアアイテムや大金であっても没収されてしまう。あくまで公共の任務という扱いだからだ」


「なるほど。個人で受けた依頼じゃないから所有権はギルドや国にあるということね」


「そうだ。ダンジョン内で手に入れたアイテムや魔物の素材の所有権は冒険者法で決められている。基本的には見つけた奴のものだが公共の任務はそうじゃねえ。だからそんな依頼は完全なボランティアってことだ。そんなもんやってられるか」


「だったらギルドを通さずに探索すればいいんじゃない?」


「確かにそう考えるだろうが、それは冒険者法で禁止されてる。それにさすがに俺だって未探索のダンジョンに潜るなんてことはしねえな。そんなことするのはよほどの馬鹿だけだ。それとミリー、冒険者法くらい頭に入れとけよ」


「馬鹿で悪かったわね。それに私だって冒険者法くらい把握してるわよ。ちょっと忘れてただけじゃない」


「フン、だったらいいんだがな」


「私がDランクだからって馬鹿にしてない?」


「はぁ? してねえよ」


 そして二人はCランクダンジョンの探索依頼書を受付に持って行った。そこにいるのはキョウマが生きていることを知って涙を流した受付嬢だった。


「それでは冒険者カードの提示をお願いいたします」


 さすがの二人もこの言葉には素直に従った。


「……はい、受理いたしました」


 ギルド印が押された依頼書を受け取ったライネスは、受付嬢に尋ねる。


「なあ、行方不明者が見つかったかどうか知りたいんだが」


「かしこまりました。どなたのことでしょうか?」


「キョウマって名前でCランクだ」


「少々お待ちください」


 ギルドは当然キョウマが無事であることを把握している。

 しかし見舞金の不正受給の疑いがあるため、キョウマとここのギルドマスターとの話し合いによって、ミリーとライネスにはそのことを伏せておくということになった。


 そしてそれはもちろんギルドマスターによって職員全員やギルド本部、支部にも周知徹底されている。そもそもこうなること自体が異常なのだ。


「当てはまる方がお一人だけいらっしゃいます。残念ですが今も行方不明のままです……」


「そうか」


「あの……差し出がましいようですが、キョウマさんとはどのようなご関係なのでしょうか?」


 この受付嬢はキョウマとこの二人がパーティーを結成していたことを知らない様子だ。

 断片的な情報から予想はできるだろうが、あくまでそれは予想にすぎないのだろう。


「ん? あぁ、昔一緒に活動してたってだけだ」


「そうなのですか……。それはお辛いですね……。やっぱりお二人でも捜索されているのですよね?」


「まあな。だが俺達だって食っていくためには依頼も受けなきゃならねえからな」


 平然と嘘をつくライネス。そして二人はギルドをあとにした。


 その様子を確認すると受付嬢はギルドマスターがいる部屋へと向かい、何やら報告をしようとしている。

 ここのギルドマスターは、キョウマがエルフのようだと例えた男性のことだ。


「ギルドマスター、要注意とされている二人が先ほど依頼を受けに来ました」


「そうですか……。それで何か怪しい言動はありましたか?」


「キョウマさんが見つかったかどうか聞かれましたので、行方不明のままだとお伝えしました」


「ありがとうございます。業務上とはいえ嘘をつかせたことになってしまい申し訳ない……」


「いえ、私なら大丈夫です。それにこれは必要な嘘だと思います。先ほどあの二人と実際に接してみて分かりました、私はキョウマさんを信じます。あの時見せてくれた涙が偽りだとはとても思えません……!」


「涙、ですか?」


 受付嬢はギルドマスターに説明した。自分がキョウマの無事に感極まって涙を流した時、それを見たキョウマも涙を流して喜んでくれたことを。


「そうですか、そのようなことが……。大丈夫ですよ、きっとあなたは間違っていない。それに私は誇りに思います。冒険者の無事を心から願うことができる人がここに居てくれることを」


「はい……! ありがとう……ございます……!」


 それから少し間を空けてギルドマスターが話し始める。


「あの二人が向かったCランクダンジョンに職員を派遣して監視することにしましょう」


 こうしてギルドによる直接の監視が始まったのだった。

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