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初めてできた彼女をNTRされた。その後普通に生きてただけなのにざまぁが成立した。  作者: 猫野 ジム


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第19話 初めて会った日のこと

 Sランクであるソウルイーターを倒したことによって、俺を含めたこの場にいるほとんどの冒険者は消耗して立ち上がれない。平気そうなのは国選パーティーとティアさん達くらいだ。


(日頃から体力づくりしててよかった……!)


 魔法を使うと魔力を消耗するのと同じように、スキルを使うと体力を消耗する。

 いくら冒険者の活動を最低限にすることにしたとはいえ、何もしなければ体力はあっという間に落ちてしまう。


 なのでせめて体力維持はしておこうと決めていた。もしもさっきの戦いで俺の体力が尽きて鑑定が使えなかったら、いったいどうなっていたことか。


「どうやらここが最深部のようだね。みんな、体力は回復したかな? 大丈夫そうなら外へ戻ろう」


 カイルさんの一声で全員が立ち上がる。すると男性冒険者の一人が小さく手をあげてカイルさんに話しかけた。


「あのー、それって来た道をまた通って帰るってことですよね? さすがに気力がもたないというか……」


「大丈夫、転移魔法でみんなを外まで送り届けてもらうから。また負担かけてしまうけど、ごめん」


「大丈夫です、任せてください! 私の力がみんなのためになるのなら喜んで!」


 そう言ったのはさっきの戦いでただ一人、闇魔法を使っていた国選パーティーの女性だ。

 カイルさんといい、国選パーティーの人達の心構えは尊敬に値する。


 それから転移魔法を何回かに分けて、全員がダンジョンの外へと出た。転移先の光景を思い浮かべる必要があるため、一度も行ったことがない場所へは転移できないらしい。


 なんだか久しぶりに感じる外の光の暖かさと開放感に、思わず伸びをする。

 他の人も自分達のパーティーメンバーと話したりしていて、リラックスしているようだ。


「キョウマ君、お疲れ様!」


「ティアさんもお疲れ様でした」


「キョウマ君、大活躍だったね!」


「ありがとうございます。でも俺だけじゃなくて参加した全員でつかんだ勝利だと思います」


「フフッ、控えめだね! でももっと自信を持っていいと私は思うよ」


 そう言ったティアさんの表情は、いつもよりさらに優しいものに見えた。


「私と初めて会った日のこと、覚えてる?」


「もちろんです、忘れるはずありません。俺を助けてくれた日のことですよね」


「うん。そしてあの時キョウマ君は私にこう言ったんだよ。『俺の冒険者としての限界はここまでだ』って」


「それも覚えてます。あの日は本当に自分の未熟さを嫌というほど思い知ったんです」


「今でもそう思ってるのかな?」


「今は……思ってません。今日この探索に参加して、俺にはまだ成長できることがあるんだということを知りました。結局のところ俺は自分で自分の限界を決めてしまって、それ以上進もうとはしなかった」


「そうだね、自分でそう決めた時からそこで成長は止まってしまう。……なんてね、ちょっとお説教みたいになっちゃったかな」


「いえ、そんなことないです」


「ティアー、そろそろ行くよー。あ、キョウマ君、今日はすごかったよー!」


「ティアはキョウマ君がお気に入りなのよね」


「も、もう! からかわないでよー! キョウマ君、またね」


 もしするとティアさんはあの日から俺のことを気にかけてくれていたのかもしれない。

 もしも本当にそうだとしたら、少しでも前向きな姿を見せることができただろうか? 俺がそうすることで、なんだか喜んでもらえそうな気がしたんだ。


 もうすぐ夕方になろうかという時間、俺は職場に行き今日のことを報告した。実は今日も有給ということになっている。


 俺が探索に参加しようと思ってることを伝えるとラインゴットさんは、「おう! 行ってこい行ってこい!」と即OKを出してくれた。

 そして「その日は有給な!」と、いとも簡単に決まったんだ。さすがに少し申し訳ない。



 そして正式な休日。俺は王都にある城へ行くことになっている。なんでもカイルさんが俺の話を聞きたいということで、呼ばれたんだ。


 俺のような一般人が城に入れる機会といえばこうして呼ばれた時か、中にある教会で懺悔をする時くらい。


 馬車で王都まで行き、そこからさらに城行きの馬車に乗る。そして城門までたどり着くと、そこにはカイルさんが待っていた。


「やあ、来てくれてありがとう」


 それからカイルさんの案内で、城内にある広い応接室へと入った。

 そこはレッドカーペットが敷き詰められ、柔らかそうな長いソファーの近くには豪華な装飾が施されたテーブルが置かれ、インテリアとして高そうな絵画が飾られ、なんだか非日常な空間にいるようだった。


「さあどうぞ座って」


「失礼します」


 カイルさんに促されソファーに腰掛けると、すぐさまメイド服を着た若い女性の手で、湯気が立つティーカップが二つテーブルに置かれた。


「いきなり本題から入らせてもらおうか。キョウマ君、国選パーティーを目指す気はあるかな?」

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