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初めてできた彼女をNTRされた。その後普通に生きてただけなのにざまぁが成立した。  作者: 猫野 ジム


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第10話 いずれざまぁされる者達は知らない

 キョウマが仕事中にティアと再会したのと同じ頃、キョウマがいた街の冒険者ギルドの一室では、ギルドマスターが若い女性職員からの報告を聞いていた。


「現在冒険者のみなさんに調査依頼を出しているCランクダンジョンについてですが、多数の目撃情報とギルド職員パーティーからの報告を精査した結果、出現する魔物の種類がある程度絞り込めました」


「そうか。どんな魔物がいるかによって装備する武器や防具、それに持って行くアイテムを選ぶのは基本だからな。時に情報というのは命の行方ですら左右する。冒険者達の生存率を上げるためには必要なことだ」


「そうですね。しかしその情報を得るためには冒険者さん達の力を借りる必要があるんですよね。だから誰かが危険を冒さなければならない。矛盾しているというか、なんだか歯がゆいです……」


 女性職員の言葉は語尾になるにつれ、弱々しくなっていった。


「ああ。できることなら俺だって探索に加わりたいが、ギルドマスターという立場である以上その責任を果たさなければならない。俺達は俺達で一人でも傷付く者が少なくなるように、できることを確実にやっていこう。さあ報告を聞かせてくれ」


「はい。まず一番目撃情報が多かったのは魔獣系の魔物です」


「魔獣。本能のまま動くタイプだな。それ故に行動が読みにくい。それで魔物のランクは?」


「Cランク以下が多いとのことですが、Bランクの目撃証言も多いです。それにAランクを目撃したという報告もあります」


「Aランクか……。Bランクでも厄介だというのに。さすがにSランクの目撃情報は無いよな?」


「魔獣系のSランクといえばベヒーモスですよね。今のところ目撃情報はありません」


「今のところは……か。続けてくれ」


「はい。次に目撃情報が多かったのは——」


 それからも女性職員は魔物について報告を続け、ギルドマスターは真剣な面持ちで静かに耳を傾けている。


「——以上が魔物の目撃情報です」


「一つ質問だが、スライム系の魔物の目撃情報ってのはあるか?」


「スライム系ですか? いえ、この報告書によると一件もないようです。何か気になることでもあるのですか?」


「ああ、まぁな。もう一ヶ月ほど前になるんだが、あのダンジョンでパーティーメンバーの一人が魔物に襲われ命を落としたと言っていた二人組の冒険者がいたんだ」


「あっ、それ私も知っています。その時に応対していた子が怖がってましたから」


「それでその二人の説明によると、助けに行った時にはすでにそのメンバーの姿はおろか、持ち物の一つですら見つからなかったということだった」


「そんなことがあるのでしょうか? 転移魔法を使ったというのなら分かりますけど。でも転移魔法を使えるのは本当にごくわずかな人々ですよね」


「そうだな。だからその可能性は極めて低いと考えている。そしてその二人が言うには、スライムに飲み込まれたんじゃないかということだった」


「スライムですか。確かにそれならありえると思います。ですが目撃情報はありませんよね」


「ああ。調査には十分な時間を費やした。それにも関わらず目撃者が一人もいないってことは、話の信ぴょう性をさらに疑う必要がありそうだ。だから今は行方不明と考えるのが妥当だろう」


「それはつまり、見舞金の不正受給の可能性があるということですね」


「その通りだ。申請はその場で取り下げたが、聞き取りの時から怪しいとは思っていた」


「見舞金という制度を悪用しようとする人もいますからね。本来は冒険者さん達への救済のためにあるものなのに。だから廃止はできない。それもまた本当に歯がゆいですね……」


「とはいえいくら疑わしくとも、様々な情報から冷静に判断しなければならないからな。だが今後の二人の行動には要注意だ。支部にも連絡を入れておくとするか」


 こうしてミリーとライネスは要注意人物として、本人達の知らないところで冒険者ギルドから目をつけられることとなった。


「ギルドマスター、ダンジョンの件はどうされますか?」


「俺から国へ報告しておこう。おそらくは国選パーティーが派遣されるだろうな。それと引き続き行方不明者の捜索も行ってくれ」


「承知いたしました」


 女性職員はそう言うと、一礼して退室していった。



【キョウマ視点・ティアと再会した翌日】


 昨日はティアさんと再会することができて本当によかった。


 もしも俺がアイテムショップに就職していなかったら。そしてそこがラインゴットさんの店じゃなかったら。もう二度と会えなかったかもしれない。巡り合わせというのは不思議なものだ。


 それにしてもティアさん、冒険者を続けているんだな。この世界には「女性が冒険者になるなんて!」というような、ある種の偏見のようなものは無い。


(そうだった、冒険者といえばもうすぐか)


 俺が何に対してもうすぐだと思ったのか? それは冒険者に関係すること。


 冒険者は兼業が認められているが、活動が一定期間ない場合は登録が取り消されてしまう。


 そしてそれはランクによって決まっており、Cランクである俺は40日間のうちに必ず一つは依頼を受けなければならない。


 つまりもうすぐ期限を迎えてしまうということだ。

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