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神々、掲示板に降臨す 〜天界勤務中、うちの神、業務中にスレ立ててる件〜  作者: 物書狸。
最終章:祈りの終わる場所で

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第69話 謝罪会見直後ですが、神界・地獄・現世、全員来たんだが?

【天界ニュース速報】


先ほど行われた創造神様の“正式スピーチ”を受け、

天界・地獄・現世の三界は現在、同時にざわついております。


天照様は「……静かに聞きすぎて逆に怖かった」とコメント。

横にいたルシファー先輩は

「いや本当に……あの空気、胃に来ますね……」と、

珍しく額を押さえております。


一方、地獄回線は元気そのもの。

妲己さんは「え〜泣きそうだったけど?♡」

カーマさんは「ね、あの“間”……なんか、胸くるよね」と

スタジオの温度を一気に上げております。


AI神さんは行政モードで

「三界反応データ、現在収集中です」と淡々。

セラヒムさんは

「こ、これより……えっ、こ、これより……!」と噛み倒し、

天照様にそっと肩を叩かれております。


以上、謝罪会見直後の反響でした。


これより、全関係者による“臨時集会”が始まる予定です。


会見の余韻で、まだみんな静か。


神様

「ぐふふ……妲己ちゃんよ。

その……写真集の三部作、サインつきで……の?」


妲己

「はいはい♡

神様が言うと思って持ってきてるわよ? 三冊」


カーマ

「……ねぇ。

それ、“元気です”の声じゃないよ♡」


神様

「い、いつもどおりじゃ……儂は……ぐふっ」


プリンスたま

「かみちゃま〜。

落ち込んでるの隠すの、下手だよー?

肩だけ元気ないやつ。てへっ」


天照

「……あなた。

ほんとうに無理してない?」


ルシファー先輩

「神様……今日は、ゆっくりでいいですよ」


妲己

「じゃあもう、“神様なぐさめ会”で決まり♡」


神様

「ちょ、妲己ちゃん!?

儂は落ち込んどらんと言うて……!」


妲己

「落ち込んでない人はね、こういうの拒まないの♡」


カーマ

「ふふ……そうだね♡」


プリンスたま

「まぁ、かみちゃまはかみちゃまだし〜」


天照

「……うん。少し、顔が戻った」


ルシファー先輩

「では……続き、始めましょうか」


空気だけ、すこし軽くなる。


慰め会のざわつきが少し落ちついて、

輪の外側に“静の空気”ができる。


その静けさの中で、天照がぽつり。


天照

「……さっきよりは、声が戻ってきたわね。

無理してるのは、まだわかるけれど。」


ルシファー先輩

「はい。けれど……落ち着いてきました。

あの場の緊張は、相当なものでしたから。」


カーマ

「……うん。

あれはね、“隠す気ない隠し方”なんだよ。

背中の呼吸だけで、ばれちゃう。」


セラヒム

「あっ……あ、あのっ……!

わ、私は……その……!

総務として……全力で、えっと……

さ、支えますので……っ!」


天照

「落ち着いて、セラヒム。

息が抜けてるわ。」


セラヒム

「す、すみませんっ……!

緊張して……!」


カーマ

「ふふ。かわいい後輩だね。

でも、その気持ちがいちばん大事だよ。」


ルシファー先輩

「……思うんです。

神様の“無理”を無理と見抜ける人が、

前より増えたな、と。」


天照

「ええ。

昔は“神様は大丈夫”で押し切られてた。

でも今は……誰が見ても、わかる。」


カーマ

「あの人ね……。

“励まされると、逆に笑う”ときがあるんだよ。

泣きたくても、泣けないときの出方。」


セラヒム

「……そんな……繊細なんですね……神様って。」


天照

「繊細よ。

でも、そのわりに……誰より強い。」


ルシファー先輩

「……そうですね。

今日の会見も……本当なら誰より傷つく内容でした。

それでも、あの場を最後まで崩さなかった。」


カーマ

「強さってね、“笑って耐えること”じゃないよ。

“笑いながら泣いてる自分を受け入れること”。

あの人は……ずっとそれ、やってきたんだと思う。」


天照

「……そうね。

だから今日は、励ます必要はないわ。

ただ“そばにいる”だけで十分。」


セラヒム

「そ、そばに……。

わ、私でも……役に立てますか……?」


カーマ

「もちろん。

セラヒムの真面目さ、あの人好きだよ。

頑張りすぎて転びそうなとこも、含めてね。」


セラヒム

「っ……は、はいっ……!

頑張ります……!」


ルシファー先輩

「……でも無理はしないように。

あなたも、少し休みながらでいい。」


天照

「ええ。

“支える側”が消耗したら意味がないもの。」


少し沈黙が落ちる。

けれど、その沈黙はさっきより柔らかい。


カーマ

「……でさ。

神様、ほんとはこのあと“泣きたい”んじゃないかな。」


天照

「……そんな気がするわね。」


ルシファー先輩

「ええ。

泣く理由も……泣けない理由も、どちらもわかります。」


セラヒム

「な、泣かせてあげる……って、できるんでしょうか……?」


カーマ

「ううん。“泣かせにいく”のは違う。

ただね――

泣ける場所を、そっと空けておくの。

あの人、誰も見てない時にぽろっと落とすから。」


天照

「そういうところ、ほんと……愛しいわよね。」


ルシファー先輩

「……ええ。

だからこそ、そばにいないといけない。」


その言葉で、静かな輪にゆっくり温度が戻っていく。


会場の端。

にぎやかさから少しだけ離れた場所で、現世組が固まっていた。


ひかるん

「……ねぇ、あかりちゃん。

神様さ……やっぱ無理してるよね。

さっきの笑顔、目だけそのままだった。」


あかり

「うん……わかるよ。

でもね、ひかるんが気づけたなら、それで十分。

今は“そっと”のほうが、きっと楽だよ。」


ひかるん

「……そっか。

なんか……胸のあたりが変な感じする。」


ラー

「いや〜〜わかるわかる!

神様ってさ、弱ってるときほど元気ぶるタイプというか〜

“おれ大丈夫!”って言いながら電池切れてるやつ?

ああいうの、けっこう好きなんだけどね〜」


ひかるん

「好きの基準どうなってんのラーさん……」


あかり

「ふふ……でも、そういうとこあるよね。

声の出し方でわかっちゃう。」


ラー

「そうそう!

さっきなんて、喉だけ元気で肩が死んでたもん。

アレ完全に“見せかけ元気”だよ〜」


ひかるん

「……やっぱそうなんだ……」


ラー

「うんうん。

でも大丈夫大丈夫〜!

あの人、限界のときほど“助けて”って言えないからさ、

まわりが勝手に寄ってくだけでいいんだよ〜」


あかり

「……それ、すごく大事なやつだね。」


少し離れたところで、信長が静かに聞いていた。

ゆっくり目を伏せ、短くこぼす。


信長

「……隠すのは、下手よ。あの男。」


ひかるん

「信長さん……気づいてたんだ?」


信長

「気づかぬほど鈍くはない。

……あれは、己のためではなく“誰かのため”に隠す顔よ。」


ひかるん

「…………」


あかり

「ひかるん。

大丈夫。今日は、気づけただけで十分だよ。

あとは……そばにいればいい。」


ラー

「そうそう!

それでね、空気だけ明るくしてあげれば、

神様は勝手に元気になるタイプ〜!

単純で好き〜!」


ひかるん

「単純って言った……」


あかり

「でも、ちょっと……わかるかも。」


信長

「……さて。

そろそろ“次”が始まるな。」


静かな輪に、少しだけ明るい息が混ざる。


少し離れた廊下。

にぎやかな声が遠くに聞こえる。


閻魔

「……気づいているか。

神様、まだ無理している。」


マアト

「ええ。

“明るさ”の形が……いつものものではないわ。」


セラヒム

「わ、わたしも……その……!

なんか、ちょっと……違う気がして……!」


閻魔

「違和感には理由がある。

笑い方が……軽すぎる。」


マアト

「肩の動きが止まってるのよね。

声だけ明るいのは……本当の疲れ。」


セラヒム

「そっ、それ……

どうしたら……いいんでしょうか……?」


閻魔

「どうもせんよ。

今は“近づきすぎない”ほうがいい。」


マアト

「押すでも引くでもなく……

ただ、壊れない距離にいること。」


セラヒム

「み、見守る……ってやつですか……?」


閻魔

「そうだ。

今はそれで十分だ。」


マアト

「……ええ。

今日は、ただそれだけね。」


3人の声は、静かに溶けていく。


【速報】神様の謝罪、思ったより優しくて泣いた

【困惑】プリンスたまのフォロー、なんであんな深いん

【尊】天照さまの今日の声……優しすぎない?


【草】妲己さま、三部作持参は準備力どうなってんの

【嫉妬】カーマさんの“♡”が刺さりすぎて無理

【混乱】ルシ先輩、胃薬持参してたってマジ?


【静】今日の天界、落ち着いてて良かったわ

【考察】神様ちょっと痩せた説…大丈夫?

【優】プリンスたま→神様の流れで心臓痛い


舎利弗(司会)

「本日の議題は“神々の心が揺れた日について”。

……まとめると、神様は落ち込み、皆が寄り添い、地獄も天界も静かに息を整えた、という話だな。」


富楼那

「いや〜!今日の妲己&カーマの“慰めセット”尊すぎて解脱しそうだったよ!

尊い、というか、これはもう慈悲だよね!?ね!?」


須菩提

「すべては空である。」


阿難

「またそれ!もうちょっと詳しくお願いします!!」


阿那律

「未来予測。

——“静かに動き始める者が二人いる”。

名前は……まだ言えないけれど。」


優波離

「風紀的には、今日の神々の“距離感”は悪くなかったと思う。

悲しみを押しつけず、でも放ってもおかない……そういう距離感。」


富楼那

「そうそう、あれこそ“慈悲アイドル”の教科書だよ!!」


舎利弗

「では締めに入ろう。

今日の総括は……“揺らぐ心、寄り添う者あり”。」


摩訶(締め)

「……静寂に戻ろう。」


✦TIPS:聖徳太子、熊を説得


聖徳太子が十方向同時に語りかけた結果、

熊が「うるさ…いや、わかった」と正座。

閻魔「マルチタスクで野生を折るな」。


――地獄新聞・雑見出しより

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