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神々、掲示板に降臨す 〜天界勤務中、うちの神、業務中にスレ立ててる件〜  作者: 物書狸。
最終章:祈りの終わる場所で

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◆ 第68話 謝罪会見:二週間の灯

① 天界速報ニュース(静寂版)


【天界速報】

創造神・完全顕現。

三界ログ、“静寂率 97.4%”。


天界アナウンス

「本日、全領域において祈り通信量が急減。

違反・混線・恋の例外、すべて停止状態です」


地獄広報

「閻魔庁サーバ問題なし。ただし“胸騒ぎ指数”上昇」


現世レポート

「各地で“風音だけが聞こえる”現象を確認」


※本件、詳細は創造神による“会見”にて説明予定。


世界全体が、息を止めた。


“何かが終わる前の静寂”だけが、空に張りつめていた。


──静寂は、音より重い。


 


② 会話(会見会場前・天界広場)


祈りの光がゆるく昇る天界の中心。

空気は冷えていないのに、肌にざわつきだけ残る。


天照

「……来るわ。もうすぐ」


ルシファー先輩(腕を組んで)

「広報と保安は整ってます。……が、心は整いませんね」


セラヒム(緊張でバインダーが震えてる)

「し、神様……本当に“会見”なんて……。

必要なのは分かってますけど……っ」


妲己(横目で笑いながら)

「どんな言葉でも、神様は神様よ♡

怒る人も泣く人もいるだろうけど……

ぜんぶ“愛されてた証拠”じゃない」


カーマ

「妲己様、それフォローになってるような……そうでもないような……」


閻魔(深いため息)

「……覚悟はしておけ。

言葉ひとつで、どの界も揺れる」


プリンスたま(空を見上げて)

「空気が重い。

でもね、重いときって“本気”が始まるときなんだよ」


あかりは強く唇を噛み、

ひかるんは拳を握ったまま何も言えなかった。


胸の奥が熱を帯びる。

世界が揺れる。

——光が差す。


 


③ 神様、現れる


ほんの一瞬。

風も光も変わっていないのに“空気が変わった”。


振り向くより先に、

視線が“そこ”に吸い寄せられる。


神様が立っていた。


天照の表情が揺れ、

セラヒムはバインダーを落とし、

ルシファー先輩は胸元を押さえた。


プリンスたまだけが笑った。


プリンスたま

「……来たね。ほんと、来るときは来るんだよなぁ」


神様は全員を見回す。

いつもの笑顔。

でも、目の奥だけが少し寂しい。


神様

「よう来てくれたの。

ここまで揺らがせた儂が言うのも何じゃが……

今日の話は、少し長うなるぞ」


世界が静かに沈んだ。


 


④ 神様のスピーチ


神様

「まずのう——」


「信仰がゼウスたちに流れたのは、すべて儂の普段の行いじゃ。

混乱させて、本当にすまなんだ。」


三界が同時に息をのむ。


神様

「それから、三神よ。」


ゼウス、太上老君、アポロンをまっすぐ見つめる。


「お主らの主張は清く、美しい。

秩序を求める気持ちも、完璧を願う心も、よう分かる。」


「儂らのやり方は……お主らから見りゃ、

ただの混沌じゃったかもしれん。」


空気がわずかに軋む。


神様

「だから、約束しよう。」


「この混乱を終わらせるために、

儂らは三界を互いに“完全に接触不可”にする。

天界、地獄、現世——誰も他界へ踏み入れぬようにする。」


天照の指が震え、

あかりは小さく息を呑む。


神様

「ぬらり、聞いとるじゃろ?」


闇からぬらりひょんが歩み出る。


ぬらりひょん

「……もちろんでございます、創造神様」


神様

「お主ならできるじゃろ?

世界の分断を。」


ぬらりひょんは静かに頭を垂れた。


神様

「ただのう。」


神様

「寂しいんよ。いきなり別れは。」


「わしら、最近ちいと仲良うなりすぎた。

だから——二週間だけ、時をくれ。」


「その二週間で、みんなにちゃんと“ありがとう”を言ってまわる。」


「その後、この三界を完全に遮断しよう。

これで二度と混乱は起こらん。」


沈黙が降りた。

もう誰も言葉を持っていなかった。


神様

「さあ、約束じゃ。」


「終わりは寂しいが……

終わりがあるから、楽しいんじゃ。」


 


⑤ 三神の“追加処置案”


ゼウス(静かに)

「……承知した。

ただ、創造神よ。ひとつ、我らからも措置を加える」


太上老君

「遮断後は、界をまたいだ際の“言語と文字”をすべて不可とする」


アポロン

「祈りだけは届くようにする。

死後の行き先も、天界と地獄の二択は維持する」


ゼウス

「だが……生者が他界に渡ることも、他界を理解することも——

すべて封じる」


世界に冷たい緊張が走った。

それでも、誰も反論しなかった。


 


⑥ スレまとめ


【#三界会見スレ】


1:名無し 静かすぎて怖い

2:名無し 創造神の声、なんで泣きそうなんだ

3:名無し 三神の追加処置、えぐくない?

4:名無し 遮断後、どうなんのこれ

5:名無し ぬらりが動くの久々に見た

6:名無し 天照の横顔やばい

7:名無し あかりとひかるん沈黙してんの重い

8:名無し プリンスたまの一言だけ救い

9:名無し 終わりがあるから楽しい……?

10:名無し 言われた瞬間泣いた



灯りの途切れる境界で、

ぬらりひょんは一度だけ足を止めた。


夜叉は、静かに頭を垂れる。


夜叉

「……とうとう、その名をお使いになるのですね」


ぬらりは答えない。

ただ、影の奥がふっと揺れた。


ぬらり

「仕方あるまい。

 “線を引く役”に戻るのなら——

 本来の名で動くほうが早い」


夜叉の喉が微かに鳴る。


夜叉

「……ロキ様」


その名を夜叉が言った瞬間、

影が一度だけ“笑った”。


ロキ

「よう言うた。

 お主らの世界では“ぬらりひょん”で十分やったが……

 今夜は違う。

 創造神の望む“境界”を仕上げねばならん」


夜叉

「……お戻りになる頃には、

 また“ぬらり様”になられていますか」


ロキ

「さあな。

 役が終われば戻る。

 終わらんのなら——この名のままよ」


灯りの無い風がひとつ、

境界の向こう側へ流れていく。


ロキ

「行くぞ。

 二週間後の“準備”は、まだ始まったばかりじゃ」


ロキは影のまま消え、

残ったのは夜叉の深い礼だけだった。


——第68話・了


✦【次回予告:前半完結、そして——静かな間章へ】


【天界速報】

創造神の“正式発表”を受け、

三界の祈り通信は依然として静寂状態。


【地獄新聞】

閻魔庁コメント:

「本編は一度ここで区切り。

 明日からしばし“息継ぎ”が入るぞ」


【仏門スレ】

阿難「……間は必要です」

優波離「風紀的にも」

摩訶「……静寂に戻ろう」


【夜叉】

「影は動いた。だが物語はまだ“折り返し”にも届いていません」


【ぬらりひょん】

「ほな、いっぺん肩の力を抜こか。

 本番の地響きは……まだ先や」



✦【明日から——閑話が“二話”続く】


本編は一時停止して、

天界・地獄・現世、それぞれの“日常の裏側”を短く描く特別編。


※二本立てではなく、二回続くだけ

(順番に一話ずつ更新されます)


そして——

その閑話が終われば、いよいよ最終章後半戦へ。


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