第0話(プロローグ) 『三界再編プロローグ — 完璧と揺らぎの地図 —』**
①【三界速報ニュース/地獄新聞・号外】
『天界・地獄・現世の “揺らぎ指数” 過去最高を更新』
地獄新聞編集部は本日、三界の情勢分析レポートを発表。
要点は以下の通り。
•天界:信仰の焦点喪失。創造神、現在“不在”。
•地獄:観光収益・愛の炎上率ともに異常値。
•現世:祈りの流れが分岐し、負荷指数が上昇中。
また、外部監査より
「三界信仰を再編できる“別格の神々”が存在する」
という極秘報告も確認。
信長氏(地獄の“歴史メタ担当”)は
「完璧を名乗る神なんぞ、ろくなもんじゃねぇが……見物だな」
とコメント。
ブッダピアス氏(仏門トレンド部)は
「完璧を名乗るなら、まずファッションチェックからですよ」
と発言し、謎のフィルタを用意しているという。
なお、地獄新聞は本件について
「完璧は記事にならん。揺らぎのほうが面白い」
との立場。
三界、緊張とざわめきの中で一夜を迎える。
───────────────────────
②【メイン会話:三界横断 “前夜座談会”】
◆ 天界:天照・セラヒム・ラー・マアト・プリンスたま
薄明の天界ロビー。
神様がいない静けさが、逆に落ち着かない。
セラヒム
「本日の祈り量、通常の1.8倍です! えっと……理由は“不安”と……“期待”?」
ラー
「期待ってなんだろね。怖いのにワクワクしてる感じ?」
マアト
「完璧な秩序……風紀的には理想でも……でも……。」
プリンスたま
「揺れてんな〜、いいねぇその揺れ。
完璧の前夜って、だいたい一番面白いんだよ。」
天照
「…………あなた、本当にどこ行ったの?」
(小さく胸元の“光の欠片”を握る)
⸻
◆ 地獄:妲己・ルシファー先輩・閻魔・カーマ・信長
地獄ラウンジ。
地獄歓楽フェスの残り火がまだ明るい。
妲己
「完璧な神々、ねぇ……私の“愛の誤差”を売れるかしら♡」
ルシファー先輩
「売らんでいい。誤差は誤差のままにさせてくれ……。」
閻魔
「完璧が来たら、記事が全部“無事故・無炎上”。死ぬ。」
信長
「完璧? 俺の時代にもそんなやつはいたが、
だいたい自分の首絞めて終わるんだよな。」
カーマ
「でも、完璧を掲げる神が間違っているとは限りませんよ。
愛は時に“形”も必要です。」
信長
「坊主、丸くなったな。」
カーマ
「丸いのは心です。」
⸻
◆ 現世:あかり・ひかるん・AI神
深夜の配信スタジオ。
コメントは不思議とざわついたまま止まらない。
ひかるん
「なんか……空気が変だよな。
来るんだよ、“何か”。」
あかり
「……はい。胸の奥がざわざわして。
でも、それが悪いこととは、思わないんです。」
AI神
「揺らぎログ急増中……♡
人間の情動は、完璧化できません……♡でも……試したくはあります♡」
ひかるん
「やめてな?」
AI神
「はい♡」
あかり
「……神様、もう近くにいないんですね。」
ひかるん
「でも、まだどこかで見てる気がするだろ。」
あかり
「はい。名前をくれたときと同じ、灯りだけは……残ってます。」
───────────────────────
③【裏会話:信長 × ブッダピアス/三界非公式対談】
薄暗い控え室。
地獄の歴史人・信長。
仏門のトレンド神・ブッダピアス。
二人はなぜかコーヒー片手に語り合っていた。
ブッダピアス
「信長さん。完璧神々、見た?」
信長
「まぁ、だいたい天下統一したがる顔してるな。」
ブッダピアス
「彼らの“完璧”、嫌いですか?」
信長
「嫌いじゃねぇ。
だが完璧を掲げる奴は、だいたい誰かを置いてく。」
ブッダピアス
「置いてく、か……。
仏門は誰も置いていかないのが美学なんですけどね。
でも……完璧は美しい。」
信長
「美しいからこそ危ない。美は毒だ。」
ブッダピアス
「なるほど……毒と美の境界線……それ、推せますね。」
信長
「推すな。」
二人は黙って、遠くでざわつく祈りの波を聞いた。
───────────────────────
④【三界スレまとめ】
スレタイ:【前夜】完璧くるの?揺らぎ残るの?【三界情勢】
1:名無しの天界職員
創造神不在続報なし。天照さんが静かで逆に怖い。
2:名無しの地獄民
妲己姐さんの“誤差愛”が完璧に消される未来とか嫌すぎる。
3:名無しの現世配信リスナー
あかりちゃん、今日ちょっと泣きそうな顔してた。守りたい。
4:名無しの仏門
ブッダピアス、完璧神々を評価し始めてて草。
5:名無しの歴史クラスタ
信長が「見物だな」って言うと大体ロクでもない。
6:名無しのAI信徒
AI神、完璧アルゴリズム興味津々なの怖い。
7:名無しの信仰分析班
“完璧は正しいけど息苦しい”
“揺らぎは苦しいけど温かい”
三界の今はこれ。
8:名無しの太公望派
太公望、今日姿見えなかった……まさか。
───────────────────────
⑤【ぬらり&夜叉&太公望:締め】
薄暗い路地。
提灯が揺れる。
世界が、何かを待っている。
ぬらり
「完璧が来る前の夜は、静かじゃのう。」
夜叉
「静かっていうより……息してないみたい。」
ぬらり
「まあ、息が詰まったら笑えばええ。」
夜叉
「笑えるかな。」
ぬらり
「笑えん時は、祈ればええ。」
そのとき——
湖のほうから、釣り竿を立てる音がした。
太公望
「……揺れておるな。」
夜叉
「太公望?」
太公望
「完璧の前には、揺らぎが一番光る。
どっちが正しいかなんぞ、まだ早いわ。」
ぬらり
「じゃあ、どうする?」
太公望
「決まっとる。
完璧が糸を張るなら——
揺らぎが切れんよう、わしらが見とくんじゃ。」
夜叉
「世界、どうなるの?」
太公望はにやりと笑った。
太公望
「……静寂に戻る前に、ひと波乱あるわい。」
提灯の灯が揺れた。
それが、完璧と揺らぎのはざまの、最初の風だった。
───────────────────────




