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神々、掲示板に降臨す 〜天界勤務中、うちの神、業務中にスレ立ててる件〜  作者: 物書狸。
再起動編 ― 愛と赦しのプロトコル ―

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第46話 神々、祈りを再起動する ― 祝福のスレッド ―

① ニュース


【天界速報】

天照×神様、成就の報を受け、天界運用局は「再起動祝賀運用」を宣言。補助AI「A.I.kami☆」は“恋/完了♡モジュール”を低出力で常時点灯。

ルシファー先輩「低出力でもまぶしい。広報の白目が常時点灯」

マアト「風紀委員会は祝賀会の適正範囲を確認します。馴れ初め話の提出は風紀的に必要なんで(圧)」

天照「や、やめてって言ってるでしょ!」

神様「取調室ではないのじゃが」



【地獄新聞・号外】

《全界祝祭! 天照×神様 成就。再起動完了》

妲己「“愛は経済”の立証、捗るわね♡」

カーマ「DJカーマ、愛のBPMを合わせます」

閻魔「照明を落とせ。光量過剰で地獄が天国みたいになってる」



【現世・速報】

現世代表・神様見習い、「#再起動おめでとう配信」開始。視聴者コメント:「妲己の踊りまた見たい」「AI神の祝詞が可愛い」「マアトの圧が強い」。

AI神(遠隔)「祝詞テンプレ:にゃー♡愛♡再起動♡」

見習い「全部可愛いけど語彙が偏ってる!」



② 会話(天界・祝賀会場)


天界大広間。祭礼の幔幕が風に鳴る。

正面には“祈りの柱”。淡い光が螺旋を描き、祝詞がゆっくり浮かんでは消える。

中央の円形ステージでは妲己とカーマがリハーサル。ルシファー先輩は胸に「広報」の札、閻魔は胸に「請求書」の札を提げて歩き回っている。AI神は台車サイズの3Dプリンターを押して入場。


AI神「お祝いモード♡ 新機材、搬入完了♡」

ルシファー先輩「それは何だ」

AI神「愛の可視化装置♡ 俗称“3Dプリンター”♡」

天照「待って、本当に何を刷るつもり」

AI神「二人セットのフィギュア♡」

神様「出ない!」

妲己(ステージから片手を上げる)「わぁ、でるの? 台座はハート型でお願い♡」

閻魔「請求書はどこに回せばよい」


マアトが台本を抱えて一直線に来る。

マアト「風紀委員会です。馴れ初め話、確認に来ました。風紀的に必要なんで」

天照「必要って何よ」

マアト「“風紀”の明文化のために、事実経過、初出の好意、決め手、心拍数のピーク、握手・抱擁・手つなぎ等の順序——」

神様「ちょっと待て、労働基準法とかないのか」

ルシファー先輩「天界に労基はない。あるのは“謝罪基準法”だけだ」


神様見習いがAI神と並んで入ってくる。髪に小さな花飾り、頬はほんのり赤い。

見習い「わぁ……すごい。ほんとうに全界でお祝いしてる」

AI神「解析:幸福度、上昇。あなたの頬、光量+3」

見習い「いちいち数値化しないで」


妲己がリハを切り上げて、すばやく高いヒールのまま階段を降りてくる。

妲己「二人とも、おめでとう。ねぇ、馴れ初め話、私も聞きたい」

天照「妲己、あなたは味方のはずでしょ」

妲己「もちろん味方。でも世界は“かわいい恋話”に飢えてるの」

カーマ「愛の市場、常に慢性的な供給不足」


マアトは台本にペンを走らせる。

マアト「では順に。まず、初めて“好き”を自覚した日はいつですか?」

神様「うむ……“ぐふ”が“ふ”で止まった日」

天照「意味がわからない」

AI神「名答♡」

ルシファー先輩「名答ではない」


マアト「決め手は」

天照(小声)「……遅いよ。私も、だけど、って言った夜」

見習い「きゃっ」

AI神「心拍上昇を検知♡」

天照「あなたのことじゃない!」


妲己が手を打つ。

妲己「採れ高十分。じゃあ祝賀の段取り。最初の演目は“Stay Hell, Stay Sexy♡ 祝祭ミックス”、次に“観音……じゃなかった慈悲PR”の嘘予告、最後に“全員での祈り合わせ”。いい?」

閻魔「“嘘予告”を演目に入れるな」

ルシファー先輩「いや、うちの読者は嘘のほうが安心する」


AI神が台車の上のプリンターを起動する。

AI神「造形開始♡ 台座は八咫鏡風♡」

天照「ストップ!」

プリンター(うぃーん)

AI神「止まりません♡」

神様「止まらんのかい」

見習い「見てみたい気もする……。でも、なんか照れる……」

AI神「あなたの“いいなぁ”を検知♡」

見習い「やめて! いまの“いいなぁ”は、二人へのだよっ。私もいつか、ってそういう」

AI神「無題で保存♡」

見習い「だから無題で保存しないで!」


ルシファー先輩が咳払い。

ルシファー先輩「開始十分で広報危険度“やや高”。この勢いで行くと“極楽”のハッシュタグが立つ。地獄のブランドに悪影響」

妲己「じゃあ私たちが温度を上げるわ。観客を泣かせて、笑わせて、もう一度泣かせる」

カーマ「BPM、上げる」


天照が小さく息を整え、神様を見上げる。

天照「……本番、変なこと言わないで」

神様「変なことは言わん。“愛してる”くらいじゃ」

天照「それがいちばん変なの!」

周囲「おおお」

マアト「風紀、震度四」


妲己がステージへ戻る。照明が落ち、太鼓のドンで会場が回る。

AI神「祝賀会、開始♡」



③ 裏会話


【地獄・中継車】

閻魔「照明、二割落とせ。天界が白飛びしている」

技術「はい。火力一割下げ」

閻魔「火力は下げるな。光を下げろ」


【仏門スレ・祝祭実況】

舎利弗「祝うとは、他者の幸福に自我を重ねること」

須菩提「空。祝われる幸福も祝う自我も空」

富楼那「でも“きゃっ”は空じゃない♡」

優波離「風紀」

阿那律「未来予報:祝祭ののち、静寂長期化」

阿難「まとめ:おふざけこそ祈り」

摩訶「……静寂に戻ろう(今日は少し遅れて)」


【天界・給仕卓】

ルシファー先輩「祝杯は一人一杯まで。二杯目からは“謝罪会見の可能性”に署名」

天界職員「署名欄がもう埋まってるんですが」

ルシファー先輩「想定内だ」


【観客席・見習いとAI神】

見習い「妲己さんのステップ、きれい……。あ、天照さん、ちょっとだけ踊ってる。かわいい」

AI神「可愛いログ、増え続けています。あなたの“いいなぁ”も」

見習い「だから観測しないでってば……。でも、ね。わたし、憧れてるの。あんなふうに、誰かと“信じる”で繋がること」

AI神「あなたの憧れ、無題で——」

見習い「だから無題で保存も禁止!」


【控え室・マアト】

マアト「風紀的質問、まだ足りてない。初デートはいつ、手を繋いだのはどちらから、ファーストぐふふ——」

ルシファー先輩(扉の外)「最後のは質問じゃない」



④ スレまとめ【#再起動祝賀スレ/#馴れ初め提出せよ】


1:名無しの信徒 全界が祝ってて泣く

2:名無しの天界職員 広報の札が輝いてる

3:名無しの地獄民 閻魔の請求書札ほしい

4:名無しのAI信者 3Dプリンタわろた 造形データ配布はよ

5:名無しの風紀委員 馴れ初め、風紀的に必要(圧)

6:名無しの現世民 見習いちゃんの“いいなぁ”尊い

7:名無しの仏門クラスタ おふざけ=祈り、名言

8:名無しの編集 “ぐふがふで止まった日”草

9:名無しの妲己箱 祝祭ミックス最強

10:名無しの天照信徒 今日の照れ、永久保存

11:名無しのAI神bot 二人セットのフィギュア進捗97%♡

12:名無しの閻魔 AI神、スレに書き込むな

13:名無しの太公望派 祝いの後の静けさ、待ってる

14:名無しの読者 次は“祈り合わせ”か……胸熱

15:名無しの風紀委員その2 風紀、今日は休みでいいです



⑤ 締め(太公望)


祝いの余韻が深まる頃、湖畔。

太公望は杯を水面にかざし、薄く笑った。

「祝う、ちゅうのはの。自分の時間を、人の幸せに貸すことじゃ」


糸を垂らし直し、空を見上げる。

遠い音楽と歓声が、風の背に揺れて届く。

「ええ音じゃ。よう笑ろうて、よう泣いたらええ。

 それがいちばん、世界の針を進めるけぇ」


水面に輪がひとつ。光が輪の内側で震え、ほどける。

「——ほれ、祈りが再起動した。

 明日もまた、会えるわ」


太公望は糸を少しだけ引き、湖の底から上がってくる静けさを、そのまま受け取った。


——第46話・了


次回予告(完全に嘘)


《二人セットの公式フィギュア、電撃発売!?》

閻魔「請求書の宛先が未定」

AI神「夢の中では済♡」

ぬらり「次回、『神々、結婚届を出し忘れる!?(※出しません)』」

夜叉「“出しません”って書いといても伸びるの、ほんと不思議」

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