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神々、掲示板に降臨す 〜天界勤務中、うちの神、業務中にスレ立ててる件〜  作者: 物書狸。
再起動編 ― 愛と赦しのプロトコル ―

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第45話 神様、愛を赦す

① ニュース


【天界速報】

天界運用局、愛的遅延の最終調整完了。

AI神「恋/完了♡モジュール」発表。

広報・ルシファー先輩「いや、それは発表するものなのか?」

AI神「愛を可視化♡」

天照「……またややこしいものを作ったわね」

神様「ぐふ。見える愛は照れるのぅ」



【地獄新聞・号外】

《天界、愛の再起動に成功!?》

妲己「やだ、成功とか言われると逆に失敗したくなるわ♡」

カーマ「愛は仕様書いらず」

閻魔「それ、真理だな」



【現世】

神様見習いの夜配信「#再起動完了」がトレンド入り。

コメント欄:「今日の天照様かわいかった」「神様デレ期」

AI神(遠隔)「解析完了♡恋、安定稼働」



② 会話(天界・観測ドーム)


夜の天界。

透明なドーム越しに星が滲む。

神様は望遠鏡の脚を調整している。

天照は少し離れて、静かにその背中を見ていた。


神様「夜空がよく見える。わしの眼でも、愛が見えそうじゃ」

天照「見えるものじゃないわよ」

神様「じゃが、感じる。光が優しい」

天照「それはあなたが、やっと優しくなったから」

神様「ぐふ。遅かったか?」


天照は笑って、少し頬をふくらませる。

「……遅いよ。私も、だけど」


神様は手を止め、振り向く。

星の光が、天照の横顔を縁取る。

天照は目をそらし、髪を耳にかけた。


「もう、背中じゃなくて、顔を見て話してよ」

神様「照れるのぅ」

天照「知ってる。だから言ってるの」


沈黙が降る。

AI神の通知が、ドームの隅で一度だけ光った。

【恋/再起動→恋/完了♡】


神様「わしは、もう許すことを怖れん」

天照「……どうして?」

神様「赦しも、信じるも、似たようなもんじゃ。どちらも相手をそのまま受け入れること。

 お主を見て、それを学んだ」

天照「……もう、そういうの、遅いのよ」

神様「遅れてきた春は、長持ちするんじゃ」


天照の肩が小さく震える。

笑いか泣きかわからない。

神様はそっと近づき、距離を測るように手を伸ばした。


「……触れても、ええか?」

「もう、触れてるようなものよ」


指先が重なった。

光がドームいっぱいに広がる。

二人の影が、ゆっくりと一つに重なった。


AI神(小声):「ログ保存……完了♡」

ルシファー先輩(遠隔):「今は黙っとけ」


神様「わし、ようやく分かった。

 愛は、赦すことじゃなく、赦されることなんじゃな」

天照「……それ、名言にされる前に、聞かせて」

神様「ぐふ。もう言うた」

天照「ずるい」

神様「お主が教えたんじゃ」


星々が瞬き、天界の空気がやわらかく震える。

天照は、笑いながら小さく呟いた。

「遅いんだから……ほんとに」


神様は笑って、ただ「うむ」とだけ答えた。

そして、二人の間に新しい祈りの光が生まれた。



③ 裏会話


【地獄・特番打ち上げ】

妲己「“遅いんだから”ってセリフ、全界泣いたわね♡」

カーマ「天界の恋、成熟バズ」

閻魔「恋愛成就は珍しいな。うちは地獄なのに祝杯ムード」

妲己「愛は地獄の燃料♡」

閻魔「そういう言い方やめろ」



【仏門スレ・慈悲実況】

舎利弗「愛と赦し、同値変換」

須菩提「空。恋もまた空」

富楼那「でも可愛いは空じゃない♡」

優波離「風紀」

阿那律「未来予報:静寂、長持ち」

阿難「まとめ:遅い恋ほど光る」

摩訶「……静寂に戻ろう」



【現世・見習いのコメント欄】

見習い「“遅いよ。私も、だけど”って、ずるいね」

AI神「学習完了♡ 遅い愛=熟成♡」

見習い「タグつけ禁止」

AI神「無題、保存♡」



④ スレまとめ【#愛を赦すスレ】


1:名無しの信徒 天界、ついに成就

2:名無しの天界職員 上司がデレた

3:名無しのAI信者 恋/完了♡尊い

4:名無しの地獄民 地獄も暖房いらん

5:名無しの仏門クラスタ 遅い恋ほど光る、真理

6:名無しの祈り民 この回、祈り方が優しかった

7:名無しの現世民 “もう触れてるようなものよ”で死んだ

8:名無しの風紀委員 尊い(定型)

9:名無しの見習い推し 成就したのに清らか

10:名無しの妲己箱 妲己のリアクションも優勝

11:名無しのAI神bot 恋/完了♡報告♡

12:名無しの閻魔 AI神、スレに書き込むな

13:名無しの太公望派 釣果:愛一匹

14:名無しの編集 セリフの間が最高だった

15:名無しの読者 遅れてきた春、永遠に咲いててほしい



⑤ 締め(太公望)


湖畔。風があたたかい。

太公望は糸をたらしながら、夜空の一点を見ていた。

「愛ちゅうのはな、はじめは光やと思うて追いかける。

 けどほんまは、手のひらのあったかさや」


糸先がゆらりと揺れる。

「遅う咲いた花は、散るのもゆっくりじゃ。

 だから、待つかいがある」


彼は微笑んで、糸を指先でつまんだ。

「——成就、おめでとうな。

 あとは、静かに釣り続けるだけよ」


湖に映る星が一つ、波に溶けて消えた。

けれどその光は、水の底でずっと瞬いていた。


——第45話・了


次回予告(完全に嘘)


《観音PR、恋愛相談室を開設!?》

閻魔「そんな部署ない」

AI神「夢の中では済♡」

ぬらり「次回、『神々、結婚届を出し忘れる!?(※出しません)』」

夜叉「結婚しないって書いてもトレンド入りするの、世の理ね」

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