第三話 転校生歓迎会
ついにやって来た。俺の見せどころの時間が。
俺はここで成果を出さないと喜んでくれないのかもしれないからだ。
「ではこれから転校生歓迎会を始めます。気をつけ、礼」
「お願いします」
司会の人が挨拶をするとこれから説明が始まる。
「今日は、桜さんといい機会になるように全力を尽くしてまいりますのでどうかよろしくお願いします」
「ではまずプログラム一番。ダルマさんが転んだです。鬼をするのは桜さんです。」
みんなが「イエーい」というと桜は照れていた。
「恥ずかしいよ...」
そんな桜も可愛いかった。桜がスタート位置に着くと、初めの第一歩の合図が出た。
「だるまさんが」
「転んだ!」
みんな少しも動かずに踏ん張っていた。でも桜の近くに行きたい生徒もいた。
「だるまさんが」
(待てよ。もしもわざと動いてしまったら...いや!違う。それは良くない、ちゃんとしよう。)
でも近づきたくて仕方なかった。もうすぐ後半になってきた。もうすぐで目の前の生徒がタッチしようとしている。
「そこだ!」
前の生徒は桜をタッチしたのだ。そうして何歩か下がると、桜の名前の数を大股で行った
「ほ、ん、だ、」
これだったらいける!
「さ、く、ら!」
そして俺が目の前だったので、俺にタッチされた。
「理玖くん。鬼、頑張ってね!」
桜が元気に言ってくれると俺は、心臓がドクドクしてやまない。
「じゃあ行きます。」
「初めの第一歩!」
(よーしこの調子!今度は早めに行ってみるか!)
俺は勝ちたいがために言うのを早くしようとした。
「だるまさんが転んだ!」
うーん...まだだめかー。絶対勝ちたい。
「だるまさんが転んだ!」
やばい!もう少しで追い付かれ...
「だるまさんが...」
「タッチ〜」
クソおぉ。やられた。悔しい!俺は小鳥遊にタッチされてしまった。
「おい小鳥遊〜よせって」
「ごめんごめん。ついやっちゃった。」
「今日は桜さんの歓迎会だっつーのに」
小鳥遊は呑気だった。次は絶対に桜と距離を縮める。
そしてプログラム一番が終わった。
次回予告!第四話 転校生歓迎会2