第一話 転校生
「おはよう」
中学2年生、佐藤理玖。いっつもインキャで誰とも友達になっていないのだが...
一体どうすれば友達ができるのだろうか。
「行ってらっしゃい」
「行ってきます」
俺は家を出た。
(なんか今日は転校生が来るって言ってたな。緊張するな)
そう呟いているともう学校についていた。
校門にはたくさんの生徒とたくさんの先生が立っていた。
「おはようございます」
「お、おはようございます」
挨拶はまだ慣れていない。
教室に行き、席に着くと先生が言った。
「おーい、ちゃんと席につけ。ホームルームを始めるぞ」
外を見てみると転校生が見えた。
「では、これから転校生を紹介します。」
「出てきてください」
扉が開くとそこには綺麗な女子がいた。
「自己紹介をお願いします」
緊張しながら見ていると転校生が「はい。」と返事をした。
「私、東京から引っ越してここにきました。本田桜と言います。さくらちゃんと呼んでください。」
桜がそういうとクラスのみんながざわつき始めた。
「自己紹介ありがとうございます。では席はというと...」
先生はキョロキョロしながらこっちを見てくる。
なぜならその隣が空いているのだから。
「では、理玖の隣でいこうか。」
「わかりました。」
(まじかよー俺、全然話せないんだぞ!?友達あまりいないんだぞ!?こんな俺でいいんですか?)
俺がそう思っていると桜が「ねえ。」と話しかけてきた。
「なんか顔色悪いけど大丈夫?保健室行く?」
「いや君保健室の場所わからないでしょ。」
「あーそうだったごめん。」
笑いながらそう言うと先生が言った。
「君たち、仲良いんじゃない?先生はそう思うぞ。」
「あーいや、全然。」
俺なんか友達なんて居ないのに、話せれないはずなのに。
なんで俺はこんなにも嬉しいんだろう。
初めて俺は友達ということを実感したのだ。
次回予告!第二話 友達