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創世神話 前編

 とある世界に伝わる神話。

 始めに一柱の神がいた。創造偽神デュミンウーゴスである。

 デュミンウーゴスは二柱の神を産み出した。光と生命を司る女神を。闇と死を司る神を。

 二柱の神に、生命の循環を命じると、デュミンウーゴスは去っていった。何処とも知れぬ場所へと。

 残された二柱の神たちは命じられた通りに、世界に生命と死を循環させていった。

その輪廻は正しく循環していった。

 生命が世界に産まれやがて死を迎え、生命として世界を巡っていく。それが定められた循環だった。

 小さき生命も大きな生命も、世界に満ちる様々な生命は、輪廻の循環によって死を迎えたとしても、新たな生命として産まれていく。

 不変の輪廻でもあり、世界のシステムでもあった。永遠に続くはずのものだった。

 だが、どこからか歪みが生じ、システムに狂いが起こった。その歪みは外神ニャルラトホテプがもたらしていた。

 外神ニャルラトホテプは世界に満ちる生命を少しずつ喰らい奪うと、自分の力へと替えていった。

 二柱の神、光と生命の女神リュミエールと闇と死の神ヴィヌラニスが外神ニャルラトホテプの存在に気が付いた時は遅かった。

 生命を奪い喰らった外神ニャルラトホテプは二柱の神たちに匹敵するほどの力を着けていたから。 

このままでは、世界に満ちる全ての生命が外神ニャルラトホテプに奪われる。そのことを感じ取った二柱の神たちはできる限り、残されている生命を自分たちのもとに収束することを決めた。

 二柱の神たちの抗いを悟った外神ニャルラトホテプは、少しずつ喰らい奪うのを止め、一気に喰らうことにした。

全ての生命を吸い喰らう黒き(ブラックホール・ライフスティール)を産み出すと、世界に放ったのだ。

 外神ニャルラトホテプの最後にして最大の略奪に、二柱の神たちは半数にも満たない生命を収束するだけで精一杯だった。

 やがて、殆どの生命を奪い尽くした外神ニャルラトホテプは、空虚にした世界に一つの呪いをかけた。 

いずれ戻ってくるための一つの標として。自身にしか解呪できないようにして。

 二柱の神たちは自分たちの無力さに打ちのめされながらも、世界を守り抜くことを誓った。そして、そのための手段を講じ始めた。

 循環のシステムを世界再生へと創り変えた。循環の機能に手を加える形で。

奪われた生命を取り戻すために。外神ニャルラトホテプから、もう二度と奪われないために。

 生まれる生命は最小に。しかし、世界に薄く広まるよう。再生された一部は闇と死の神ヴィヌラニスが管理した。

 外神ニャルラトホテプを討つための力にするために。力として収束させていった。光と生命の女神リュミエールと共に。

 全ては、外神ニャルラトホテプを討ち滅ぼすための備えとして。

 やがていつか、外神ニャルラトホテプは戻ってくるだろう。呪いの標に従って。

 だが、その時には備えがある。奪われた生命を取り戻し、外神ニャルラトホテプを討つための謀略と共にーー。

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