第六話 竜の襲来
この村の付近に竜が住み着いたようだ。なんにもないこの田舎の村にだ。
村の護衛連合はまだ直接被害が出ていないうちに駆除しようと出たが、やはり、その脅威なる戦闘力により完敗。村の存続の危機となっているのだ。
「というわけで、竜退治に行きましょう!」
そんなふざけたことを言ったのは、うちの天使のエレンだった。
「いやだよ。絶対に行きたくない」
と俺は萌え系キャラを描きながら冷たく言った。
「なんでよ」
「なんでも」
ふと、部屋の入口を見ると、ミリスがいることに気が付いた。
「お願い!ルース。竜を倒してくれたら、私がその絵のモデルになってあげるから!これでいいんですよね。エレン様」
「うん、バッチリ。ほら、ミリスもこう言ってるし」
どうやら彼女達は打ち合わせをしていたらしい。ミリスの言っていた『モデル』というのは大変興味深いが……。
「俺、児童ポルノに手を染める自信はないなぁ」
「話が飛躍しすぎよ。普通にきもいわ。今のうちに牢屋にぶち込んどいたほうがよさそうね」
エレンは本気のような冗談を言った。
「とりあえず、お前も俺ぐらいに強いんだからエレンが行けばいいじゃないか」
「うう……。じゃあ行くだけ行ってみるわ」
とエレンとミリスは少し不満そうに退室していった。
「さて、続きを描くか」
この絵描きはエレンから受け取ったチートはこうゆう技術的にも向上しているのか試したものだったが実際は上がっていなかった。しかし、そこを境に絵を描くことが趣味になっていた。
今回描いたのは金髪美少女だ。とても自分の好みに描けただろう。今度、これのエロ絵を描いてオカズとして使えるかと思ったが、まだこの体は精通していないことを思い出した。精通するのは早くて12~13歳くらいだろうか、残り7年という虚無の期間。なかなか残酷である。
「ルース、お昼よ。あれ、エレンは?」
サーリーが部屋に来て昼食の知らせを持って来てくれた。
「エレンはミリスとどっか行ったけど」
「ちょっと探してきてよ」
「いやだよ」
すると、額に冷たい感覚がきた。サーリーの魔法のようだ。
「探してきなさい」
「はい」
サーリーは禍々しい魔力をためていた。
仕方なく支度をし、彼女なら行きかねないと思い、竜がいる場所に行くことに。
人気がいなくなったところで空を飛んで行くことにした。
「あれぇ、どこだ?」
一応地図を確認しているが、一面森ばっかりで位置感覚が狂った。そして、次の瞬間……。
「ぎゃおおおおおおおおおおおああああああああああ!!!!!!!!!!!」
竜の威嚇気味の鳴き声が俺の耳に入った。そして、目の前には竜の姿が……。
「さぁ!ルース!行くだけ行ったわ!後は任せたわよ!!」
おいおい、本当に「行くだけ」なのかよ。
どうやら俺はエレンに強制瞬間移動にかけられたようだ。
「お前もなかなか苦労しているようだな」
竜が話しかけてきた。
「話せたのか」
「まあな。話せないやつもいるが」
竜と淡々とした会話を少しした。そして、竜は。
「では、戦うか?」
とけしかけてきた。どうやら俺に選択権はあるようだ。
「ちょっと遠慮してもいいですか」
俺はその勝負をしっかりと断った。
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エレンって打ち込むと変換でエレン・ベーカーとかエレン先生とか出るんですよねー。