プロローグ2(転移準備)
俺は死んだ。焼け死んだ。遺体を燃やす手間は省けたな。
そして、熱風を感じた後、目が覚めると金髪お姉さんがいた。とても神々しく、神と呼ぶのにふさわしい風格があった。
「こんにちは、突然ですが、あなたはお亡くなりになりました」
「知ってます。そんなことより死ぬ前に聞いたあの声の主はどこですか?」
「ああ……ええと……」
女神様と呼ぶのが良いだろうか。彼女は俺の様子見て驚き、そして、困惑していた。
「あ、ああ、えっと実はその彼女から招待があるんですよ。普通は、細かく次の進路を考えるんですけど、これなら、もう、ここでいいですよね。対応早く終わりますね。あー楽々よかったー!」
「すっげー本音言うじゃん」
「それにしても、あなた、かなり落ち着いているんですね」
「そりゃ死ぬ前にもう心構えしてきてますから」
俺は胸を張って言った。
「あ、じゃなくてですね。服です。服」
「服?」とつぶやきながら自分の体を見た。
見てみたら、俺の姿はすっぽんぽんの丸裸だった。
「なんでやねん!!」
俺はすかさず大事な部分を隠した。
女神はくすくす笑っていた。
「なにがおかしい?」
「すみません。でもそんないい反応する人あんまりいないので」
と言いながら彼女は笑っていた。この野郎。
「ところで、かなり大きな地震がありましたけど、結構死者が出たんじゃありませんか?こんなのろのろしてて大丈夫なんですか?」
俺は場を和ますため質問を投げかけた。
「死者はあなた以外はいなかったはずですよ。地震の範囲もごく小さかったですし」
「待ってください。地震についての情報を教えてくれませんか?」
女神はきょとんとしたが、すぐ応答した。
「いいですよ。マグニチュード8.9 最大震度7、でこの地震なかなか変わってましてね。揺れた範囲、神木アパートの敷地内だけなんですよね」
それはとても変わっていた。しかもアパートに住んでいた人はこの揺れを感じていないというのだ。
「さあ、そろそろ時間ですね。困ったことがあれば一緒にいる天使に問い合わせてください。きっと彼女なら助けになります」
俺の体は宙へ浮いた。
「頑張ってくださいね」
と彼女は俺に笑いかけた。
プロローグはこれで終わりです。(二つも書いてすみません)次回から本編です。