第十四話 暴れん坊を制御する方法
覚悟した。しかし、何も起こらなかった。
さっき、ビームの音が聞こえたような気がした。
「あ……あう……」
男は腹を抱えて苦しんでいた。そこからは大量の血がドクドク出ている。結構グロテスクだ。
ビームを撃ったのは勿論エレンだ。彼女の指から煙がシューと小さく上がっていた。
「てめぇ、何しやがる!」
男は剣を構え、エレンに襲いかかった。
しかし、一瞬で男の剣はパリンと金属部分が破壊された。
「っ!」
「あなたたち、さっさと失せなさい。その腹を抱えている哀れな人間も早く治療すれば大事に至らないわ。それとも」
エレンは続けて言った。
「みんな、今すぐ死にたいのかしら」
その眼は仲間であるはずの俺たちまで、ゾッとさせるものであった。
しかし、一つ気になることがある。
「お前、何でお嬢様言葉なんだよ」
「そのツッコミ。今する?」
ド正論をつかまされた。
「そんなんに乗るかよ!知ってるか?俺こうゆう見た目でも回復魔法が使えるんだよ!治療なんて今すぐできるわ!」
言い方は実に雑魚敵のようだ。
「ミリス、やってくれ」
「うん」
すると、ミリスは魔法を唱えた。
「お前、一体何を……」
盗賊たちは次々と眠っていく。いわゆる【睡眠魔法】だ。
「よっし」
と俺たちは彼らを拘束し、馬車に乗せた。
「おい、そいつらをどうする気なんだ?」
とマリは尋ねてきた。
「んー適当に使う」
「マリ、コイツはそうゆうやつよ」
エレンは余計なことしか言わないな。
マリは状況はよく分からずにとりあえず俺たちどうりに動いた。
「じゃあ、いくぞー!」
とエイジャは掛け声をし、馬の脚を進めた。
再出発してからおよそ二日経った。
そろそろ目的地といったところで馬車の後ろから声が聞こえた。
「う……」
「ルース。あの盗賊共が目を覚ましたようだぞ。
「ミリス。どのくらいの強さで睡眠魔法かけた?」
「うーん。MAXでかけたかも」
どうりで覚めなかったわけだ。
「ここはどこだ?」
「馬車の中だよ」
俺はひょっこり顔を出して言った。
すると、彼らは暴れだした。
「あ、テメェゴラァ!」
俺は【タンスに小指をぶつけたのと同じくらいの痛みを出す魔法】を唱えた。
「い……痛え」
「エレン。何で神聖魔法ってこんなくだらないものもあるの?」
「さぁ?神様の趣味?」
まだ、彼らは「うう……」ともがいている。
「とりあえず、着いたら説明するからお前ら黙ってろ」
俺は魔法を解いてあげるとまた暴れたので、次は【土下座の姿勢を強制される魔法】を唱えた。
彼らは並んで俺に向かって土下座をした。勿論、心はこもっていないが。
「本当にくだらないなぁ」
最近スローライフを書かなくなっています。単純に書く時間がないのもそうなのですが。
とりあえずよろしくお願いします。
次回からスローライフを始めさせたかったので、旅は終わらせました。機会があれば、しっかりした『旅』というのを書くときがあるかもしれません。