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第十一話 恐らく無駄な三年間。舞台完成

三年の月日が経った。


 俺はまだ、【自然置換】の研究を進めていた。


 現在の進捗は体感でいうと、ようやく半分の研究が終わったところであろうか。つまり、この調子でいくとあと三年かかる。その頃にはもう16歳だ。流石にこのペースではまずいと思っていたとき……。


「おい、ルース。これを見てみろ」


 と、ギルが俺を呼んだ。彼が見せてきたのは、『地域別魔物分布地図』と呼ばれる地図だ。この地図は地域別にその辺りにどんな魔物がいて、どのくらいいるかが、明記されているものになっている。どうやらこの地図は人族のギルド協会が発行しているようだ。

 よく、街のギルドに顔を出していたギルはこの地図をよく見ていたのだ。そして今、これを持って俺に話しかけてきている。


「どうしたのですか?お父様」


 俺が何がどうしたか尋ねるとギルは地図のある地点を指差した。俺達の目的地だ。


「ここがどうしたのですか?」


「よーく魔物分布を見てみろ」


 どれどれ、と俺が分布欄を見たとき、思わず目を見開いた。


「な、なんだこれ?どうなってるんだ?」


 普通、魔物というのは、めったに大幅にその地域に移動したり、いなくなったりしないものなのだ。俺達が今回、邪魔に思っている肉食モンスターなら特にだ。だから俺は【自然置換】しかないものだと思っていた。しかし、その厄介な魔物はその欄には載っていなかった。


「お父様、この辺りになにか事件とか起きましたっけ?」


「いや、特になかったはずだが」


 異例だ。一体何が起こっている。


 勿論、邪魔者が失せたのは大変喜ばしいことだ。しかし、この状況に俺は思わずパニックになっていた。


「どーしたの?」


 とエレンが間抜けた声で会話に参加してきた。


「ああ、エレン、実はな……」と俺が説明しようとエレンの顔を見たとき。


 彼女の顔はとてつもないほどニヤけていた。


「お前なんかやっただろ」


「えっ!」


 暫くて沈黙が続き……。


「やっぱ、バレるか」


 彼女は簡単に白状した。


「しかし、どうやってこんなことやったんだ?流石のお前でも【自然置換】は使えないだろ?」


「プロ業者に頼んだ」


 プロ業者って何だ?と思ったとき、突然、耳鳴りが俺を襲った。


『ルース様ー。いい感じにしましたけど、どうでしょうか?』


 懐かしい声だ。誰の声だっただろうか。


 俺は生まれてから13年間の記憶からこの声の主を探した。しかし、見つからなかった。では前世だろうか?俺は前世で物心がついてから死ぬまでの記憶から声の主を探した。見つからなかった。


「脳内で変な茶番やってたんですが。あんた誰でしたっけ?」


『どうせ、生まれてからの記憶を探ったんでしょうか?』


 あと、前世で死ぬまでも探ったが


『私はあなたの前世の現世の記憶の間にいる女神様ですよ?』


 そうだ、そんな奴いた。


 そして、俺の勘は万能な働きをした。エレンは女神に頼んだと。


『いやー連絡をちょっとすっぽかしてしまって、まあ、たったの三年で済みましたけど』


 三年は彼女らの感覚では「短い」というのかと俺は納得した。しかし、やはり言ってしまう。


「長えわ、チンカス」


『とにかく、スローライフの舞台は用意しときました。思う存分、異世界生活、楽しんでください』


 といい女神との連絡は切れた。


更新めっちゃサボりました。

最近ちょっと忙しいので投稿がルーズになります。

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