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32  緑の大地は大切にしたいですよね

 大変です!

 森林火災です!

 今回はたきグループ傘下さんかの企業が所有する森林で、大規模な火災が発生しました。

 我々は作戦行動中、一番近かったため、秘密裏ひみつり応援依頼おうえんいらいを受け、いち早くこの場にいます。

 任務は消防署の方々が来るまでの延焼の拡大の防止と時間稼じかんかせぎです。

 そして、今回の作戦行動の目的である怪人かいじんの性能試験を行っていたのですが、これが丁度今回の森林火災の対応に向いていたのです。

「行け! スプリンクラーケンよ。この程度のほのお、一気に蹴散けちらしてしまえ!

『クラー!』


 ーー 解説しよう! 『スプリンクラーケン』は イカとエイの遺伝子より作り出された怪人かいじんであり、触手しょくしゅから放水することができるのである。 普段は秘密基地内の防災担当として、日々、巡回警備をしている。 ーー


 開発には我が栄光ある悪の秘密結社『邪須訂巣じゃすてぃす』△△支部の頭脳ともいうべき魔頭斎まとうさい 閻廷素斗えんていすと様の手腕しゅわんが、遺憾いかんなく発揮はっきされています。

「よし、この辺りはだいぶ消火したな。鎮火ちんかの確認は後の者達にまかせるとしよう」

 ちょうど、一息付けそうなときに、それはこりました。


『待て!』

 何処どこからか、わたしたちへと掛けられた声が聞こえました。

「何者だ!」

 その方向を、皆で見上げれば、いつもの5人の姿がありました。 


『実態不明、ムサボルン・レッド!』

『仕事丸投、ムサボルン・ブルー!』

『手柄横取、ムサボルン・イエロー!』

『使途不明、ムサボルン・ホワイト!』

『責任転嫁、ムサボルン・ブラック!』

『『われら! 騎特剣役きとくけんえきムサボルンジャー!!』』

 

 ドッカーン!!!

 

 赤、青、黄、白、黒と色とりどりの爆炎ばくえんが上がります。

 折角せっかく、消火したのに、できれば、この場では遠慮していただきたいのですが……。

 時と場合と場所を、考えてほしいものです。


『さっさと片を付けて、バーベキューの続きをするぞ!』

『『おうっ!』』

煉立聖剣れんりつせいけん!』


ギイィィーン!


ほのおつるぎだと!」



『『必殺! 破帝パーティー剣 怪刑石仁斜斬かいけいせきにんしゃぎり!』』


「お逃げください、ワルビレル様! ここは危険です」

「総員、撤収せよ!」

『『アクゥー! (はっ!)』』

『クラー!』


   ◇


『次のニュースです。昨夜さくや未明、千葉県△△市○○の山林で、山火事がありました。火はすでに消火されていますが、山火事がきている最中さなか、火元と思われる場所のあたりから、何色すうしょくかに色の付いたけむりが上がっているのが目撃されたとのことで、火災との関連を調べています』


「スプリンクラーケンちゃん、基地内に入る前に、よごれた手足をきれいにしてから入りましょうね」

『クラー♪』

「あっ、こら、スプリンクラーケンちゃん、ふざけないの、きゃっ、冷たい!」

『クラー♪』

『アクゥー! (何! リアルビキニアーマー美少女と触手しょくしゅだ、と)』

『アクゥー! (しかも、水をびながらのたわむれだと!)』

『アクゥー! (生きてて良かった!)』

『アクゥー! (同感ッス)』

『アクゥー! (なにより)』

『アクゥー! (ああっ)』

『『アクゥー! (悪の秘密結社で良かった!)』』

「んっ??」


 ーー 解説しよう! この後数色すうしょく爆炎ばくえんが上がったといううわさに、ムサボルンジャー本部は火消しに躍起やっきになって奔走ほんそうすることになったのである ーー

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