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3 現場視察 現場の人は皆さん大変ですよね。本当に、お疲れ様です!

 本日は我が栄光ある悪の秘密結社『邪須訂巣じゃすてぃす』△△支部の偉大なる計画実行日です。

 わたしはワルビレル様に付き従って現場視察に同行させて頂いております。

『アクゥー! (現場視察、お疲れ様です!)』

「うむ、御苦労」

「皆さん、お疲れ様です」

 この組織は世間からは(制服が)ブラック企業と呼ばれているにも拘らず、皆良く働いてくれています。

 わたしが知る限り、危険も多く怪我も少なくないのですが、不思議な事に脱走者や逃亡者という類の者はなく、離職率は0パーセントです。

 我が支部に至っては最近は他の悪の秘密結社からの移籍も徐々に増えているそうです。

 どうやら口コミらしいのですが、理由は教えてもらえませんでした。

「はい、皆さんに差し入れです。予算の関係で申し訳ありませんが、わたしの手作りのお弁当なのですけど、良ければ一段落付いた時にでも食べてくださいね」

『『アクゥー! (恐縮きょうしゅくであります!)』』

「中身は肉じゃがメインなので、味が染みているかが心配なのですが」

『アクゥー! (うおおお!)』

『アクゥー! (メグシテゴナ様の手料理きたあ~!)』

『アクゥー! (力がみなぎる~!)』

『アクゥー! (さっさと終わらせるぞ)』

『アクゥー! (皆作業を続けるんだ!)』

『『アクゥー! (おう!)』』

 皆さんが本日の作業の続きに戻ろうとした、その時でした。

 

『待て!』


 何処どこからか、わたしたちへと掛けられた声が聞こえました。

「何者だ!」

 ワルビレル様のするどい声が飛びます。

 投げかけられた声の方向を見れば、ブロック塀の上に五人の色とりどりの服を着た人たちが見事に等間隔に並んで立っています。

 

『実態不明、ムサボルン・レッド!』

『仕事丸投、ムサボルン・ブルー!』

『手柄横取、ムサボルン・イエロー!』

『使途不明、ムサボルン・ホワイト!』

『責任転嫁、ムサボルン・ブラック!』

『『われら! 騎特剣役きとくけんえきムサボルンジャー!!』』

 

 ドッカーン!!!

 

 赤、青、黄、白、黒と色とりどりの爆炎が上がります。

 この場では実に危ないのですが……。

 あの人達は騎特剣役きとくけんえきムサボルンジャーの方々です。

 どうやら、私たちの組織とは宿敵(ライバル)関係にある様で、ことあるごとに姿を現してきます。

「出たなムサボルンジャー! 毎回毎回邪魔をしに来おって!」

『何をしているかは知らないが、それ以上、お前等の好き勝手にはさせはしない! 行くぞ!』

『『必殺! 焦鈷印滅しょうこいんめつボンバー!!』』

「お逃げください、ワルビレル様! ここは危険です」

「マズい! このままでは周りの被害が大きくなり過ぎる! ここは一旦引くぞ! 総員退避!」

「戦闘員さんたち! 列を守って順番に冷静に避難ひなんしてくださいね! 大丈夫です! 普段から言っているように「おかし」ですよ!」

『『アクゥー! (はい!)』』

 わたしたちは無念にも撤退を余儀なくされてしまいました。


   ◇


『次のニュースです。今朝午前8時ごろ、千葉県△△市○○の資材置き場で爆発がありました。警察の話によると配管からのガスれが原因ではないかとして、引き続き原因を調査しています』

 

「皆さんお疲れ様でした。ココアを入れてありますので、よろしければどうぞ。体が温まりますよ

『アクゥー! (有難うございます。メグシテゴナ様)』

「いえいえ、不発弾の回収大変でしたね」

「うむ、我らが支配すべき大地にあのような無粋ぶすいなモノがまっているなど許しがたいことだからな」

『アクゥー! (早くフェイスガード(装備)いて、メグシテゴナ様の手料理食べようぜ)』

「うわあ、味が良く染みてて美味い!」

『アクゥー! (あっ、戦闘員11MOBU、いつの間に!?)』

 退却を余儀なくされはしましたが、戦闘員さんの頑張りにより午前中で作業も終わっていた様で、残りは後片付けだけで、一応目的は達成していたようで一安心です。

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