25 表の活動もおろそかにしてはいけませんよね。
本日は日曜日。
今日は我が栄光ある悪の秘密結社『邪須訂巣』△△支部の世間を欺く偽りの表企業である滝グループ傘下の盾前コーポレーションで結成されている社会人サッカーチーム『盾前ランスアタッカーズ』の練習試合が行われることになっています。
わたしは今日はマネージャー兼チアリーダーとして参加しています。
一人チアガールですけど。
今回の対戦相手は宇良廉キックバッカーズ。
チーム全員が政治家の子弟で結成されているチームです。
トレードマークなのか、全員オールバックで揃えています。
ですが、それよりも。
「キックバッカーズのチアガールのコスチューム、ナンスかアレ!
「まるで下着だな」
確かにそうですね。
「『多妖精』というプロのダンサー集団だそうだ」
「詳しいな」
ですが、私の戦闘服にも近いような気がしますが、もしかしてああいうコスチュームを着てくるべきだったのでしょうか!?
うちの高校のチアリーディング部で、クラスメイトのいこえちゃんに聞いておくべきでした。
でも、いこえちゃん達の練習風景を見ていると、今、わたしが来ているようなコスチュームなのですが?
これは練習用だったのでしょうか?
そして、試合開始です。
話によると、宇良廉キックバッカーズは主に守りに特化したチームだそうです。
ですが、うちは守備も攻撃も得意なチームです。
ぐいぐい攻めるうちのチームに業を煮やしたのか。
やがて。
ピッピー!
「プッシング! キックバッカーズ、相手を故意に押さないように!」
「記憶にございませーん」
「私が見ていたのだが」
「秘書がやったことでーす」
「いないでしょが、秘書」
「ったく、平民が上級国民に、うっせえなぁ」
なにやら審判員と選手がもめているようですが。
審判員が選手にイエローカードを出そうとしたその瞬間。
あれっ?
選手が審判員にイエローカード?
いえ、違いますね。
よく見ると、茶封筒でした。
その後、しばらくして、先ほどの警告はなかったとして試合が再開されました。
こちらも審判員に抗議しましたが、聞いてもらえませんでした。
「いいんですか?」
「プッシングは明確にはルールブックに載ってはいないんだよ。だから審判員の裁量で決まるんだ」
「そうなんですか」
試合続行です。
結局普段からいろいろな訓練を行なっている我が栄光ある悪の秘密結社『邪須訂巣』の精鋭の方々がその程度の反則で怯むわけもなく、そのような物ものともしない攻撃で攻め入り、4対0で勝利しました。
「皆さん、やりました!」
今日はお祝いの料理を作りましょうか。
◇ ◇ ◇
1ヶ月後。
宇良廉キックバッカーズは親たちの政治資金から活動費が出ていたことや過激なダンサーをチアガールとして試合に呼んでいたことが問題とされ、解散となったとのことです。
「ワルビレル様、何をなさっているんですか?」
「ああ、この前経済学者に、とある秘密書類を送ってな。そのお礼状が盾前コーポレーションの方に届いたものだから、こっちで読んでいたんだ」
「そうですか」




