表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/31

10 日々の栄養管理は大事なことですよね

「戦闘員のみなさ~ん! ご飯が出来ましたよ~!」

 戦闘員の皆さんの日ごろの栄養管理は大事です。

「遅くなってしまってすみません。着替えてるヒマがなかったので仕事着で失礼しますね」

 フェイスガード(装備)を外し、行儀よく食事を心待ちにしている戦闘員の皆さんの視線が、一斉にわたしが持っているシチューなべそそがれます。

 

「ビキニアーマーにエプロンドレス、だと!」

「更にピンクのミトンに笑顔付き!」

「お父さん向けのケバいおねえちゃんじゃなくて、清純派系の美少女がこういう恰好をすると反則過ぎる」

「エプロンからの上からの角度が! エプロンからの角度が~!」

「後姿が! 後姿がああー!」

「脇からの角度も捨てがたいぞ」

「はっ、鼻血が……」

「大丈夫かトントン(首の後ろを叩いてやっている音)」

「すっ、すまない。助かった」

「戦闘服が突っ張る」

「おっ、俺、悪の組織の戦闘員やってて良かった!」

 

「さあ、おかわりは沢山ありますからね。いっぱい食べてスタミナつけてくださいね」

 皆さん、皿に向かって前かがみに食事が配られるのを今か今かと待ち構えているようです。

 そんなにお待たせしてしまったでしょうか。申し訳なく思います。

 なので急いで順にシチューをお皿にそそいでいきます。

 それからなごやかに食事は進んでいきました。

 皆さん、何やら小声で話しているようですが、仲良しさんですね。

 わたしが移動するたびに、皆さんの視線がシチューなべを追っています。

「クスッ、心配しなくてもお変わりはたくさんありますよ」

 すると突然。

 私がお代わりの配膳はいぜんのためにかがんでいた目の前の戦闘員さんが鼻から血を吹き出してしまいました。

「ああっ、大変! 鼻血吹いちゃってます! スタミナのつく物をと考えたのですが、失敗しちゃったでしょうか? 取りあえず、膝枕をしますので、安静にしていてください!」

 わたしはあわてて、その戦闘員さんを床に寝かせました。

 それから、私は正座して太腿の上に戦闘員さんの頭をのせて様子を見ます。

 一応落ち着いているように見えるので一安心ではありますが、なんだか恍惚こうこつとしているようにも見えます。

 本当に大丈夫でしょうか? 心配です。

 一先ず収まったので配膳に戻ろうとしたのですが。

 それからも、鼻血を吹き出す人が続出し始めてしまい……。

「どうしましょう。わたし、何かまずい物でも食材に……」

「いえ、メグシテゴナ様が離れれば治ると思いますよ。そこのお前ら、自分で鼻殴って倒れようとするのはめろ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ