計画の始まり
バルトから連絡が来た。
「他の奴らにもお前の計画を伝えた。だからお前は計画に専念しろ」と
そして計画を練った。
第一に魂の魔女、サティラとの接触。
これは母親だから簡単だ。
人間が魔族になるには段々と魔族の血を濃くしていく必要がある。
通常、十回以上の転生が必要だ。
だが俺は一度で魔族になった。
これには外部から何らかの干渉があったと考えられる。
そしてそれが可能なのはこの世界には一人。
魂の魔女、サティラだけだ。
そして何故、敵である俺を自分の子に転生させたのかを聞く。
次に魔王学院への入学。
ここでは次期魔王候補とその側近、魔王直属の精鋭部隊、四天王が決められる。
ここで俺は次期魔王候補となること。
それと同時に七賢者としての活動の再開だ。
今の戦力では魔族が有利だ。
七賢者がいない場所では7割負けている。
だがルーレンの復活によってそれらの戦況が変わる可能性が高い。
そしてこれらの計画を始めるのは、家で暮らすようになったときだ。
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一週間が経ち、俺の名前はリーシャ・クロムウェルに決まった
そして、俺の検査が終わり、退院することになった。
「お世話になりました」
「困ったらいつでも来てくださいね〜」
看護師が笑顔で送ってくれた。
「これからお家に帰りますよ〜」
道中、人気者なのか多くの人に話しかけられていた。
おめでとうやこれから大変だろうけど頑張ってなどいろいろな声があった。
(サティラって人気者なんだなぁ〜)
そんな事を考えていたら、家に着いた…らしい?
「ここが今日からリーシャの家ですよ」
そう言われ、見せられたものは…
(…え、コレって家じゃなくて城じゃん…)
街の中央の高台の上にある城。
黒と白を基調としており、城門の所には多くの兵士がいた。
「お帰りなさいませ、サティラ様」
「「お帰りなさいませサティラ様」」
一人の代表者のような者が言ったあと、繰り返して他の者たちが言った。
「恥ずかしいから辞めてくれっていつも言ってるでしょ」
サティラは顔を赤くしていた。
早く警備に戻りなさい、と一言言って自室に入った。
俺をベッドに寝かせた後、近くの椅子に腰掛け、はぁ、とため息をついていて、サティラは疲れている様子だった。
そして俺の望み通り、ふたりきりになれたのでサティラに話しかけようとした。
その時、サティラが椅子から立ち上がり、俺を抱き上げながら、こんなことを言ってきたのだ。
「ねぇ、ルーレンさん。あなたに頼みたいことがあるんだけど…」
「もし聞こえてるならこの部屋全体に音響遮断シールドを貼ってくれないかしら…」
と、急に話しかけられたのだ。