今後の方針
俺は転生に成功した。
それは喜ばしいことだった。
魔王の子として産まれた点を除いたら。
俺は親が俺を見て満足して部屋を出たあと、今の状況を賢者たちにテレパシーで伝えた。
だが、テレパシーはバルトにしか伝わらなかった。
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「なんでこんなに魔族が活発になってるんだ?」
「しかも今年はルーレンが転生する年はずだしなぁ」
バルトの自治区には約1万の魔族の軍勢が攻めてきていた。
そんな事を言いながら、魔法式を組み立てていた。
(上位魔族すらいないな…)
それを疑問に思ったが、どうでもいいことなので魔法を発動しようとした。
そんなときにテレパシーが届いた。
「誰だっ!」
(ひさしぶり。ルーレンだ。折り入ってお前に相談したいことがあるんだが…今、大丈夫か?)
(ちょっと待て。今、忙しいから掛け直す)
(わかった)
俺はそう言い、テレパシーを切った。
「さてと、待たせたな」
俺は右腕を敵に突き出し、まるで何かを握り潰すようにしながら言った。
「天地の災害」
大地の地形が音を鳴らしながら変化していった。
そして、敵の足元には巨大な渓谷ができていた。
「なんだこれは!!」
魔族たちはみな、叫びながら渓谷に落ちていった。
敵兵力はたった一人の魔法で完全に無力化された。
「これで終わりか…」
俺はそう言い、後ろを振り返り、テレパシーをルーレンに送った。
「ルーレン。こっちの用事は終わった。」
(バルト。大規模魔法を使ったのか)
(千年経っても戦闘スタイルは変わらないんだな。雑魚相手にも自分の持てる力で叩きのめす)
ルーレンは苦笑いしているようだった
(おい…そんな事はどうでも良いだろ。取り敢えず、転生おめでとう。それで相談ってなんだ?)
(それより、何故他の賢者にテレパシーが伝わらないんだ?)
(他の街にも魔族が攻めてるらしいよ)
(そうか…)
俺はそんな事を話しながら飛行魔法で飛んでいた。
(それで、母体はどの種族だ)
(あのね…言いにくいんだけど…)
(早く言って。こっちは忙しいんだ)
(わかった。魔王と魂の魔女の子だ)
俺は飲み物を飲んでいたため、むせてしまった。
(どういうことだよ!)
(知らねぇよ!)
俺たちは二人で笑っていた。
(まぁいいさ、今後の方針は)
(お前が納得してくれたらいいんだが…)
(まぁ、言ってみろ)
俺はルーレンの計画を黙って聞いた。
(わかった。俺から他の奴には伝えておく)
(ありがとう)
ルーレンのその言葉でテレパシーは終わった。
「ククッ…クハハハハハ。」
俺は笑い転げた。
「千年待ってよかったよ。この時代は退屈しなそうだ」
ハハハハハハ、と俺の笑い声はしばらくこだましていた。
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俺はバルトに俺の計画を他の賢者に伝えるように頼んだ。
そして合意を得ることができた。
「そういえば、ミルナにも伝えないとな」
そう思い、ミルナにテレパシーを送り、伝えた。
了承を得たので、この計画を実行に移さないといけない。
そう思い、俺はこの計画の準備を整え始めた。