プロローグ 賢者転生
不定期投稿です。がんばります
大災害の日
多くの命が失われた。
七人の賢者たちがその災害の対応に追われていた。
「おい、誰かいたら返事しろ。助けに来たぞ!」
「たすけ…て…」
瓦礫に埋もれている人。
上半身と下半身が分かれている人。
手足がない人。
出血が止まらない人。
そんな者たちが大勢いた。
俺は助けを求めた者のそばに行った。
「少し待て」
俺はそして回復ポーションをかけた。
「他に生存者はいるか?」
「わからない………教会には冒険者が居るから、そこに逃げれた人なら…」
「道案内してくれるか?」
その少女はコクリとうなずいて案内してくれた。
「あそこに見える建物です」
その建物は本来は白く美しかったのだろうが、壁が赤と黒で汚れていた。
「少しここで待っとけ」
行こうとしたら、少女が服を引っ張っていた。
そして、今にも泣き出しそうだった。
「…一人で不安ならついてこい」
そして少女と協会に行った。
中には誰も居なく、残っていたのは赤い血
だけだった。
「おい、誰かいないか!返事をしてくれ!」
そう叫んでいると地下から数人が出てきた。
「誰だお前!」
随分と深刻そうな顔をしていた。
「俺は七賢者の序列三位、魔眼のルーレンだ」
賢者様が来てくれたぞ。もう大丈夫だ。
などと言い、希望に満ちていた。
「負傷者はいるか。死んでいない者なら助けられる」
そう言うと俺を負傷者の元に連れて行ってくれた。
「これで全員か?」
「はい…」
下を向きながら答えていた。
生存者はたったの347人。
この街の総人口の千分の一にも満たなかった。
「食料はあるのか?」
「もう、長く持ちそうにありません…」
そう言われたので、俺は収納魔法から食料を出した。
「これでしばらくは持つだろう。食料が尽きる前に中央都市に向かうと良い。あそこは機能している」
「わかりました」
「大変だと思うが頑張ってくれ」
一日だけ街に滞在した。
その間、魔族が襲ってくることはなかった。
「ほかの被害を見ないといけないからもう経つ。ありがとな」
そうして出ていこうとした。
だか、街の人に止められた。
「待ってください。ルーレン様が出ていったらこの街は……」
「安心しろ。ここには俺の配下たちが来る。」
そう言うと街の人たちは安心していた。
そして俺は街を出た。
そのまま色々な街に出向き、助けていった。
だが、生存者はどの街でも少なかった。
災害救助も終わり、世の中が落ち着いていった。
復興には何十年もかかるだろう。
そして俺は決めた。
今のままでは弱すぎで、この災害を起こした魔王、ディルメドスには勝てない。
だから、転生すると。
賢者会議を開催した。
そして俺はほかの賢者達を集めた
黒髪で眼が紅く、少し焼けた肌が特徴の
序列一位、地底人のバルト
尖った犬歯と青碧の眼、白髪が特徴の
序列二位、竜人のサーリナイト
皮膚の鱗と手の水掻き、青い髪と鋭い眼つきが特徴の
序列四位、魚人のカムメラ
長く、とがった耳と緑の髪と眼が特徴の
序列五位、エルフのメルトレラ
身体のけど鋭い犬歯、茶色っぽい髪と黒い眼が特徴の
序列六位、獣人のカタスマラ
巨体と引き締まった筋肉が見える上身体で髪と眼が黒いのが特徴の
序列七位、巨人のカエラ
「…という理由で転生することにした。恐らく、千年後に戻ることになる。だからその間、世の中を任せたぞ!」
「いいぜ、どうせオマエだけがニンゲンで、すぐ死ぬんだしな」
「確かに。だが、ニンゲンでこの強さなのは異常だ」
「次は、もっと長生きできる種族に生まれたら、もっと強くなるのかしら?」
「まぁ、これ以上強くなったら私達の仕事は無くなるなかもですね」
「また会おうぜ」
「お前の自治区も俺らに任せとけ」
余談だが、序列はバルトがカッコいいという理由でつけたものだから全く関係なく、力はほとんど拮抗している
そう言って、誰も反対せずに俺の意見に賛同してくれた。
いい仲間ができたと思った。
そしてみんなに感謝を伝え、家族のもとに行った。
「ミルナ。俺は転生することにした。帰ってくるのは多分、千年後になるかもしてない。お前はエルフだからその時まだ生きてるかも知れない。転生したらここに行くから、待てるなら待っていてくれないか?図々しいことを言っているのはわかっている…」
ミルナと手を握りながら俺はこのことを伝えた。
「……もう、兄さんはいつも自分勝手ですね。……わかりました。転生したらすぐ来てください。出来れば人間ではなく、もっと長生きできる種族でお願いますね」
ミルナは少し戸惑っていたが、笑顔でそう言ってくれた。
翌日、俺はミルナの前で転生魔法を使うことにした。
「じゃあ、行ってくる」
「いってらっしゃい。兄さん。待ってますよ」
そして俺は転生魔法を使い、転生をした。
︙
︙
︙
︙
︙
︙
︙
そして千年が経った。
俺は無事に転生したのであった。
転生と一括でいっても種類は二つある。
ある程度育った身体に記憶が宿るか、
生まれた瞬間から記憶が宿るかだ。
そして俺は後者だった。そして
(転生って言っても数百年前経ったはずなのに、自分では寝たみたいな感覚だったな〜)
そう呑気なことを考えていた。
まわりを見てみると誰もいなかった。
(なんで赤ちゃんの近くに親がいないんだろうか)
まぁ、そんなことはどうでもいいから、今の自分のステータスを見ることにした。
(えっと…鑑定の魔眼にしてと…)
俺は見落としが無いようにゆっくりと読んだ。
そしてわかったことは
(魔人に生まれ、魔力総量は前世にやや劣り、身体能力に関しては同じか…)
(子供の時でこのステータス…大人になったらどうなるんだ…)
俺は憂鬱な気分になっていた。
このステータスだったら制御の魔眼を常時発動しておかないといけないからだ。
ある程度、自分の今の身体がどうなっているのか理解したので、転生したことと、今後の方針を決めようとしたときに親らしき人たちが部屋に入ってきた。
「無事に産まれたのはこの子です」
「ほぉ…なかなかに強い子ではないか」
女は男の腕を笑顔で引っ張りながら部屋に来て、男は楽しそうに俺のステータスを見ていた。
そして男はあとの世話は任せた。といい部屋を出ていった。
(なんだこの父親は…)
そう思い親の顔を見たとき、もっと驚くことになった。
それは…
(よくよく見たら男の方は魔王で、女の方は魂の魔女じゃないか!!)
俺は魔王を倒すために転生したのに、魔王の子になってしまったのだった。