家族と貴族
1話のサブタイトル変更しました
転生してから1年が経った。この1年で色々わかったことがある。まずはここが異世界で、剣と魔法の世界だということ。ktkr
そしてうちの家族のことと家が貴族、それも結構爵位の高いであること。
最後に、これが1番重要。アリシアがめっちゃ可愛いってこと。
まあ1つずつ説明していくと、やっぱり母さんが循環させてたあれは魔力だったっぽい。ぽいっていうのは誰かに聞いた訳ではないから。ただ母さんが魔法を使った時に母さんの身体から同じような物が出てたからそうだと考えられる。今や俺も脳天から足の指先まで均等に循環出来るようになった。そのおかげなのか、人のだいたいの魔力量が分かるようになった。うちで1番魔力が多いのは母さんだった。ていうか他の人達より桁違いに多い。2番目はアリシアの母 アイリーンとメイドのサーシャ、3番目が俺のもう1人の母さんであるレベッカと執事長のジルベールだった。他はみんなだいたい一緒くらい。母さんの魔力がどれだけ多いかって言うとアイリーンとサーシャとレベッカとジルベールを足しても母さんの八割強くらい。うちの母ヤバすぎィ。
次にうちの家族だけど、まずは父さんだけど、名前はスコット・テルフォード。テルフォード辺境伯家現当主。現在19歳。前当主の父、俺からすると祖父が病死してしまったので若くして辺境伯家を継いだ。元B級冒険者だったらしいが実力はAとSの間くらいらしい。A級に昇級すると国の危機に兵役義務が発生するため昇級しなかったらしい。冒険者になった理由は恋愛がしたくて旅に出たらしい。そんな話をまだ1歳の俺にドヤ顔でするような少しおバカだけど優しい高身長イケメンだ。
俺を産んだ母さんは、アナスタシア・フランシス・テルフォードがフルネームでアナスタシアを略してアナだったらしい。歳は父さんと同じ。フランシスについて聞いたけど、子供だと思って、詳しくは教えてくれなかったけど、亡国の巫女の家系らしい。この世界では珍しい黒髪黒目の家系らしい。隣の帝国に攻められ、逃げている時に当時冒険者だった父さんと同じくパーティーを組んでいたアイリーンとオリヴァーに助けられたらしい。その時に父さんが一目惚れ。プロポーズしたけど最初は断られたらしい。それでも諦めず強引にOKを引き出し、今ではラブラブカップルのような熱々新婚夫婦だ。そろそろ弟か妹が出来るんじゃないかな。
次にもう1人の母レベッカ・テルフォードは、トールマン侯爵家の長女でテルフォード家の第二夫人。彼女は所謂政略結婚で、会談時に父さんが彼女の父に既にアナという妻がいるため、第二夫人でいいならと言ったところ激怒。それもそのはずで本来、辺境伯よりも侯爵の方が爵位が高いのだが、広大な領地を持つ現当主ということでお見合いを提案したのだった。にもかかわらず、第二夫人とは何事だ、しかもその相手は王国貴族の出ですらないのだ父が破談にしようとした瞬間、彼女が待ったをかけ、嫁に行くと言ったのだ。
その後、彼女の父と父さんの仲を取り持ち円満に結婚したらしい。茶髪に青い目のカワイイ顔をした彼女はとても強かでうちの家では口論最強らしい。父さんは覚えていなかったようだが、王都にある学園に通っていた頃困っていた所を助けてあげたことがあるらしい。それからすれ違う度に話すうち惹かれていったらしい。あまりにも美人になっていたため全然気づかなかったとは父さんの言葉である。それを聞いたレベッカはその白い肌を真っ赤に染めもじもじしていたのがとても可愛かった。歳は父さん達の一つ下。3人でいつも仲睦まじく過ごしている。弟か妹が出来るのは、そこまで遠い未来じゃないだろう。
で、最後におばあちゃんのドロシー・テルフォード。前当主の第一夫人で、父さんの実母。この人ハンパない。現在40歳なんだけど、全く見えない。むしろ25、6歳って言われた方が自然なくらい若々しくてめっちゃくちゃ美人。
テルフォード家の面々は執事長のジルベールと、メイド長のステラを筆頭に執事が9人、メイドが22人の計31人が住み込みで働いてる。
魔力量第2位のメイドのサーシャだが狐の獣人で、父さんが5歳の時街の路地裏で行き倒れてるところを拾って、メイドになったらしい。彼女は甲斐甲斐しく俺の世話を焼いてくれる。その溢れ出る母性は母さんが「アルは私の息子だぞ」とついつい苦笑いしながら言ってしまうほどである。
だが俺は知っている、よく彼女が父さんを熱っぽい視線で見つめている、というより見蕩れてることを。そして愛する人の子供である俺を自分の子供のように可愛がってくれていることも。まあ気がついてないのは父さんとオリヴァーの鈍感駄目親父の2人だけなのだが、、、是非とも彼女の恋は報われて欲しいものだ。
元B級冒険者でS級近い実力があるならあと一人くらい余裕だろう。あ、アナ母さんとレベッカ母さんが密談してる。彼女が側室として迎えられるのは遠くないだろう。2人とも同時に妊娠してしまえば〜ってレベッカ母さんなかなか策士ですね。父よ陰ながら応援してるぞ。モテる男は辛いな。
あとは専属の料理人が10人かいる。あとはテルフォード領専属の騎士団1500人強と魔法師団600人弱いて、精鋭100人が日替わりで屋敷に勤務している。ちなみにアリシアの父オリヴァーはテルフォード騎士団団長でアイリーンは魔法師団支援回復部隊部隊長らしい。2人が勤務中の時アリシアはうちで預かっている。ベビーベッドが2人寝てもまだ余裕がある時点である程度察してはいたんだけどね、想像以上に大貴族でした。
最後にアリシアが可愛すぎる件についてだが、最近歩けるようになったアリシアは、俺が屋敷を探索してると後ろからてくてくとついてきてすぐ転ぶ。だから転ばないように手を繋いであげようと手を差し出すとニパァとした笑顔でえへへって笑うのが最高なんだ。最近は手を繋がいないとついてこなくなった。むしろ先に行こうとすると号泣、手を差し出すとまたえへへーって。なにこの天使。それだけだとダメかなって思うからちょっと先から手を差し出すとバタバタって足音させながら駆け寄って手を握ってくる。俺の手はアリシア以外狙ってないからそんな急いでこなくても誰も取らないよ。この笑顔は俺が一生守らねば。
だから母さんそんなニコニコしながら見ないでよ。いくら母さんでもアリシアは渡さないよ。