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あまから  作者: 天鵞絨
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私がお姫様!

一話になります。

昔に考えた幼児向け作品のセルフ二次創作作品です。

かなり駄文かと思いますが何卒温かい目で読んでいただけますと幸いです。



「はぁ...」


周囲の人が振り返るほどのため息をつく。

疲れ果てゾンビのように歩く、その”巨乳美少女”はこの物語の

主人公で女子高生の『甘霧 華凛(あまぎり かりん)』。


...と自称”巨乳美少女”を名乗るほどには疲れている私。


それもそのはず

優雅なゲーム三昧のテスト期間を経て、テスト当日。

勉強が全くできない私にはテストなんて死刑執行日と何ら変わらない。


「なんでこうなっちゃったかなぁ...」


思い返せばというもの

今通っている高校も、元は”合気道”のスポーツ推薦で入学し部活に打ち込む日々だったが、

急激な成長期に襲われ運動には不向きとなった今の身体に...。


部活中心の生活だったが故に、勉強はろくについていけず、

今では浦島太郎同然。


更に、この成長は部活、勉強への影響に留まらず人からの妬みも買うようになった。

その相手が、また相当厄介な相手なのだ。

クラスメイトでも先輩でも友人でもない、

現担任の女教師『かのと 妃那ひな』だ。


彼女は人としても教師としても”才色兼備”と生徒はもちろん他の教師からも評価が高い...。

なら何故そんな彼女が私に矛先を向けているかって?


そんなの簡単、”貧乳”な彼女は”巨乳”の私を嫌っているから。


勉強が出来ない私を苦しめるかのように授業中、異常なほどに私を指名し回答を求めようとする。

そして、答えられなかった時の彼女の表情がまた気に入らないのだ。

顎を斜め上に軽く上げ、目を細めあざ笑うかのように見下すその様はまさに悪魔そのものだ。


「はぁ...」

その顔を思い浮かべてしまい、再び大きなため息をつく。


「よし!テスト初日終わったし、ご褒美にケーキだし!ゲームだし!!」

悩んでいても何も始まらない!と最優先に悩むべきことを放り投げ、

行きつけのケーキ屋へと小走りで向う。

ケーキ屋につくなり、何やら変わった広告とケーキを見つける。


タイトルには【Dominance.incタイアップ企画 食の王となるのは君だ!】


そして下の注釈に小さく【本キャンペーンで同梱されているチケットは世界で数枚のみとなっております。また、ゲーム内でのアバターには限りがありますので、予めご了承ください。】


と書かれたポスター。


ちなみに『Dominance.inc』とは全世界で大人気のVRMMORPGを開発する会社である。

そして私もその会社の制作するゲームの廃人プレイヤーだ。


つまり対象の商品を購入し、運がよければゲームでの特別権利が得られるようだ。


この為にケーキ屋に来たわけではないが、ゲームのお供がゲームになる可能性がわずかながらでもあるなら...と思い、対象の商品を購入した。


「対象商品の”激辛ケーキ”ってなんだよ...誰がこんな商品買うんだよ...ちょっと気になるけど...」

まぁ当然私が買ったのだが。

万が一のことも考え普通のショートケーキも購入した。

「ただいまー」

帰宅し簡単に挨拶を済ませると、自室のある二階への階段を早足で駆け上がった。


デバイスを装着しゲームを起動をしている間にカバンを下ろし、着替えをしながら購入したケーキを開ける。


「ん?」


真っ赤な箱を開けると長方形の黒いビニール袋が入っている。

何かと思い中を確認する。


「えっ!!うそ!!まじ!?」


ビニール袋の中には銀色に輝くチケットが同封されていた。

チケットにはゲームのプロダクトコードが印字されている。


私は”激辛ケーキ”の味見もせず、

スカートのホックだけを外したまま夢中でコードをゲーム内に入力する。


『コードが確認されました!

 アバターをお選びください。』


とブラックアウトした画面に表示されるナビ。

アバター選択へ進むと既にいくつかのアバターは使用不可能となっている。

どうやら他の当選者に先を越されたようだ...と残念に思っていると気になるアバターを見つけた。


「ジョロキア...姫...?見た目は凄くかわいいしリアルの私と違って胸がない....

 格闘向きね...むむっ.....これに決めたわ!」


他のアバターを確認することなく、即決だった。

選び終えた後、再びブラックアウトしナビへ。


『この世界は”フーディ”という食べ物の世界です。

 そしてあなたは激辛の国 スパイシー王国のお姫様となります。

 初回ログイン時にこの世界での記憶がインプットされます。

 それを元にお姫様として優雅に暮らすもよし、新たな国を立ち上げるも

 よし、冒険に出るもよし!その後のやり方はあなた次第!

 まもなく、ゲームへのログインが完了いたします。良い食物語を!』


ナビがフェードアウトし眩しい光が差し込める。


「うぅっ...まぶ...し...」


ぼやけた視界で辺りを見渡す。

学校の教室程の部屋、天蓋付きのベッド、枕に垂れるツヤの良い黒髪、

そしてスッと撫で下ろせる胸元。


「....!!ふ、ふぉぉぉぉ~!」

あまりの感動に涙を浮かべ、新しい世界に気持ちが昂揚していた。

一方で他の当選者。


ジョロキアと同じく初回ログインしたての別王国のベッド...


そこにはキラキラと輝くサクラ色の髪を持ち、ふわふわとした

大きな胸が特徴のシュガリー王国の”ミルフィ姫”の姿が...


「.....!にゃ、にゃぁぁぁぁぁ~!

 可愛い...可愛すぎる....!圧倒的に可愛い!そしてなんといっても

 このおっきな胸!!!リアルでは見れなかった下を向いた時の視界!

 くくく...これなら甘霧さんに勝てる...っ!

 って...この世界に甘霧さんいないし...」


と感動しつつも嘆く彼女の正体はジョロキアこと『甘霧 華凜』が嫌う

『辛 妃那』であった...



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