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4-02:それぞれの日々~俺たちの1ヶ月~[キャラクターステータス付]

本日2話目の更新になります。ご注意ください。

 リーフィアが抜けて3人になった俺たちのパーティだが、実際のところそこまで戦力ダウンには繋がらなかった。リーフィアのポジションは主に後衛からの攻撃魔法。彼女ほどの威力は現時点では俺を含めて誰も代わりになる者はいないが、俺とアンナにはスキルカスタマイズの能力があるので、その気になればいつでも彼女と同じスキルレベルに引き上げることができる。もっとも、王都イェスラの付近にいる限りは必要ないと思っているが。それに、ユズキも魔法スキルを習得して魔法使いデビューを果たしたし、大きな戦いでもない限りはスキルレベルは当面据え置きでいいだろう。


「ほう、さほど実践経験が無いって言ってた割にはなかなかいい品質を出してるな。このレベルの品質を安定して出せるのなら、商業ギルドとしては定期的に買い取らせてもらいたいが、どうだ?」

 鍛冶スキルを実践すべく買ってきた素材の鉄で剣を5本ほど打ってみたところ、低・中・高・最高・超と分類される品質ランクにおいて3本が「高」、1本が「最高」、もう1本が「中」品質と判定されたので、商業ギルドに持ち込んでみた。担当のロビンを呼び出して見せてみたところ、ギルド的にも満足いく品質だったようで、最高品質の1本が銀貨8枚、高品質の3本は1本あたり銀貨5枚の計15枚、中品質は銀貨2枚での買い取り価格が設定され、合わせて銀貨25枚を得た。これを元手にまた素材を買っていこう。

「わかった、とりあえず週に1度、ある程度の品質のものを持ってくるようにする。ところで、鉄以外ではどんな素材がある?」

 鍛冶でもそれなりに稼げそうなことはわかったが、あくまで俺の本業は冒険者で、神に任命された勇者として魔族の野望を阻止しなくてはならないから、これにばかり傾倒しているわけにもいかない。なので、鍛冶職人として商業ギルドに納品しに行くのは週に1度とすることにした。ついでに他の鍛冶素材について訊ねてみると、

「ああ、それで構わない。ウチとしては低品質でなければ、規定の額で買い取らせてもらうからな。じゃんじゃん持ってきてくれ。それで、鉄以外の素材だが、ギルドのランクで卸せる素材に制限がついていてな。FとEだと鉄とミスリルまでしか卸せないんだよ。Dランクでオリハルコン、Cランクで白金プラチナが、Bランク以上だとクリスタルを含めた全素材が卸せるようになるから、いい素材を入手したいのならば、頑張ってランクを上げてくれ、としか言えないな。さて、じゃあ後ろで待ってるアンナの用件を聞こうか。そっちも錬金で作った品の持ち込みかい?」

 ふむ、思ったよりいろいろと制約があるんだな。まあ、とりあえず鉄とミスリルを買っていきますかね。って、商談をしている間にいつの間にかアンナが来ていたのか。話に夢中で全然気づかなかったぜ。

「ええ、体力ポーションと魔力ポーション、それなりの品質だと思うものができたんで、ちょっと見てもらおうと思いまして」

 一歩横にずれてアンナのためにカウンターを空けると、彼女のインベントリから2種類の小瓶のようなものを取り出してカウンターに並べていく。錬金素材を買ったときにはあんな小瓶は無かったと思うけど、どこから出てきた?

「ふむ、こっちは高品質の体力ポーションが7本、最高品質が2本に……超品質だと!? こんなの、初めて見るぞ……! それと、魔力ポーションは同じく高品質が2本、中品質が2本、最高品質が1本か。そうすると、うちでの買い取り規定額は体力ポーションが銀貨25枚、魔力ポーションが銀貨15枚で合計銀貨40枚だな。トーマの鍛冶品もだが、アンナのポーションもあればあるだけ売れるだろうから、ぜひ定期的に持ってきてもらいたいな」

 おお、合計ではアンナのほうが買い取り額が高くなったのか。でも、俺は剣5本に対し、アンナは合計15個のポーションを持ち込んでそれだから、単価ではやはり鍛冶のほうが高めみたいだけど、まあ、そこまで気にするようなことでもないか。

「わかりました。トーマ君と同じパーティで活動してるので、トーマ君と同じペースで持ってくるようにしますね。それじゃ、今度は生命草と魔力草をそれぞれ100束ずつ、くださいな」

「はいよ。合計でちょうど銀貨40枚だな。トーマは何をどれだけ用意すればいい?」

 アンナの新しい素材代は今回の買い取り額とぴったり同じになった。じゃあ、俺は……

「鉄を長剣20本分と、ミスリル鉱石を長剣10本分ほど、頼む」

「それだと、銀貨24枚だな」

 俺もまた、買い取り額とほぼ同じだけの素材を購入し、屋敷に戻った。

「おかえりなさいませ。お館様、ユズキ様より言伝を承っております。『バサきちやボアたんを連れて近くの草原で修行してくる』とのことです」

 玄関で出迎えてくれたアドルファスさんが、ユズの言伝を伝えてくれた。へえ、魔法スキルを習得したことで単独行動する自信がついたのかな。うん、いい傾向だな。


 その後、俺もアンナも夕方まで作業部屋に入ってそれぞれの作業に勤しみ、日が暮れるころに作業を終えて食堂へ移動すると、ユズがちょうど帰宅してきたところだった。

「おう、ユズ。おかえり」

「ただいま、お兄ちゃん。あたしひとりでも、バサきちとボアたんがいれば魔物を討伐できるようになったよ」

 出迎えた俺に、ユズは自信の笑みを浮かべて成果を報告してくれる。このままいけば、ユズはリーフィアの抜けた穴を十分以上に埋めてくれそうだな。



 それからひと月の時間が流れた。

 リーフィアはまだ戻ってこないので、3人での活動は続いている。1週間の6日のうち、2日は3人そろって冒険者としてのクエストをこなし、2日は各自の自由行動。俺とアンナは作業部屋にこもり、ユズはバサきちやボアたんとともに草原でトレーニング。1日は完全休業日。そしてもう1日で俺とアンナは商業ギルドに納品。ユズは自由行動でトレーニングに充てているようだ。

 そうした日々を1ヶ月続けたところ、俺はレベルが26になった。スキルレベルは一切弄らないで据え置きにしたので、レベルアップで増えたスキルポイントはそのまま。副業的なものになった鍛冶のほうは、高品質以上をコンスタントに出したおかげもあって、商業ギルドに高く買い取ってもらえたから、買い取ってもらった金で新しい素材を買い付け、また鍛冶をしてギルドに卸す、を繰り返し1ヶ月で金貨50枚を稼ぎ出した。

 アンナはレベル27になったようだが、特にスキルを弄った様子もなく、彼女もまたスキルレベルを現状維持にしてポイントを貯めておくことを選んだようだ。同じく副業にしている錬金でのポーション類の納品は、俺の鍛冶品よりもぶっちゃけ人気が出た。納品して提携先のポーション屋に卸すとすぐさま飛ぶように売れ、追加注文がひっきりなしに入るとロビンがうれしい悲鳴を上げていたのが印象的だったな。結果としてアンナは1ヶ月で金貨70枚ほどを稼いでいたようだ。

 そして、この1ヶ月で最も成長著しいのは、やはりユズだろう。俺やアンナが副業に勤しんでいる間もバサきちやボアたんをオトモにトレーニングに励んでいたようなので、レベルは20にまで上がっていたことも驚いたが、何よりも先日習得したばかりの魔法系スキルが軒並みレベルアップしていたのだ。

 俺たち3人のステータスをまとめると、こんな感じだ。


【名前】トーマ=サンフィールド

【Lv.】26

【SP】50

【HP】850(340)  【MP】1950(780)

【STR】545(218) 【VIT】425(170)

【AGI】350(140) 【DEX】275(128)

【MAG】975(390) 【LUK】90(78)

【スキル】剣術4 格闘4 魔法剣3 法闘術3 火魔法4 水魔法4 風魔法4 土魔法4 無属性魔法4 空魔法1 回復魔法3 身体強化3 魔力強化3 魔力回復2 鍛冶3 索敵3 結界魔法 生活魔法 観察眼 料理1 投擲1

【補足】HP・MP・STR・VIT・AGI・MAG 各150%上昇

    DEX 115%上昇

    LUK 15%上昇


【名前】アンナ=ブラックウッド

【Lv.】27

【SP】64

【HP】660(264)   【MP】2315(926)

【STR】403(161)  【VIT】330(132)

【AGI】570(228)  【DEX】426(198)

【MAG】1158(463) 【LUK】143(124)

【スキル】長柄武器4 料理3 家事3 火魔法4 水魔法4 風魔法4 土魔法4 光魔法3 闇魔法3 無属性魔法4 聖属性1 回復魔法4 生活魔法 身体強化3 魔力強化3 魔力回復3 毒耐性2 錬金3 索敵4 観察眼

【補足】HP・MP・STR・VIT・AGI・MAG 各150%上昇

    DEX 115%上昇

    LUK 15%上昇


【名前】ユズキ=サンフィールド

【Lv.】20

【HP】170  【MP】270

【STR】95  【VIT】85

【AGI】190 【DEX】230

【MAG】135 【LUK】125

【スキル】鞭3 火魔法3 水魔法3 風魔法3 土魔法3 回復魔法2 調教4 料理1 生活魔法 索敵2 回避3 薬の知識

お読みいただき、ありがとうございます。

4-03:初めてのご指名

近日更新……予定。

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